大野雄二

大激闘~特命刑事 コンプリートへの道はまだ続く…

「特命刑事」第10話「ファイナル・チャレンジ」をもって、
日テレプラス&サイエンスで放送されていた、
「大激闘マッドポリス'80」から続いた放送が先週終了
(毎週予約録画を取り消すのを忘れていたのできょうも録画が始まっていたが、
テレビに映っていたのはアニメの「犬夜叉」であった)。

2クール続いた「大激闘」の路線を変えて制作が開始された「特命刑事」だが、
こちらは1クールと、事実上の打ち切り作品。
Wikipediaでは「無事に契約満了」「打ち切りではない」と書かれているが、
改題していることを勘案すれば打ち切りといった方が妥当。

そんなわけで最終回は「抗議上等!」とばかりに、ぶっ飛んだ内容。

~以下赤字はネタバレ~

731部隊に在籍していた研究者を雇って細菌兵器を開発させる裏組織、
しかも自衛隊と結託して富士の裾野に秘密研究所まで持っている。
その組織の施設に立てこもった、
狂言回しの石橋蓮司らを逮捕(か射殺か)すべく狩り出されたマッドポリスだったが、
中西良太は謎のウィルスに冒されたあげく、組織に拉致され絶体絶命の危機。

圧力のかかった警察上層部の捜査中止命令を無視し、
仲間の救出に動くマッドポリスを撃ち殺さんとする、
自衛隊上がりのヒットマンをとっつかまえた片桐竜次(今や警視庁のキャリア組)は、
男がゲロしないと見て、片手に自白剤入りの注射器…
こんなの今じゃ絶対無理(笑)。

こんな香ばしい最終回に、
役所広司が自衛隊(私兵?)の若頭?役で出演、花を添えている。

後半の、マッドポリスと兵隊とのバトルシーンは圧巻。
何も生身の刑事6人相手に、隊員100人とジープ30台で応戦しなくとも…
手榴弾ぶっ放せば全員スッキリ爆死(?)するだろうに。
(しかも自衛隊のジープのはずなのに普通のナンプレばかり。仮ナンバー車まで出る始末)

しかも100人近い兵士は次から次へと倒され、
富士の裾野は死屍累々の戦場へ変貌。
お約束通り、マッドポリスの面々は負傷はするが元気に敵地へ乗り込み…。

捜査の段階で首領がいとも簡単にみつかったり、
エンディングもあっけなく、
ツッコミどころ満載だったが、それもまた80年代ドラマの良さ。
大野雄二御大の劇伴があればなんでも許せるのだ。

CS日テレと契約したのが第10話あたりからだったので、
最初から見たかったなぁ(録りたかったなぁ)…と思ったら、
1月24日午後9時から再放送スタートとのこと。うれしいね。
(毎週木曜21時。金曜9時にリピートあり)

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渡瀬兄弟

テレ朝の「おいしいごはん」の裏番組?に
CS・日テレプラスサイエンス「特命刑事」(旧・大激闘マッドポリス'80)。
予期せぬ兄弟対決の軍配は、どちらに…

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大野雄二BEST ~COLUMBIA EDITION~

Ohnobest
日本コロムビアが所有する、大野雄二の音源を集めたCD。
当然ながら?企画・ディレクターは「ミュージックファイル」の高島幹雄である。

すでに所有するCDとの重複は4曲のみで(ルパン、大激闘、大追跡、マシンマン)
ヌルい大野ファンであることをはからずも証明したわけであるが、
念願だった「マリンエクスプレス」「人間の証明」などを聴くことが出来た。

ド定番「ルパン三世のテーマ」から始まり、
「大追跡」「大激闘マッドポリス'80」とノリノリのインストでご機嫌を伺うと、
ママァ~でおなじみ、「人間の証明」、
さらに「野生の証明」とヴォーカルが続き、
再びインスト「小さな旅」で癒され…と、どっぷり大野雄二の世界に浸れる。
まさに「聴くホテル大野屋」である。

しばたはつみ、トミー・スナイダー、尾崎紀世彦と
「大野ファミリー」とも言うべき実力派シンガーも勢揃い。
もちろんタイム・ファイブも(コーラスだけど)1曲入ってます。

御大の業績のひとつである石立鉄男ドラマからは「気まぐれ本格派」、
そしてつとに有名な「キャプテンフューチャー」オープニングテーマ、
「夢の舟乗り」もはじめて聴くことが出来た。

テレビ・映画でおなじみの曲ばかりでなく、
ミキオちゃんは「メディア以外の大野作品」発掘も怠らない。
佐藤允彦や羽田健太郎らと組んだシンセサイザー・アルバムから2曲収録されたほか、
サリナ・ジョーンズを起用した、日本テレビ音楽出版が関係者に配ったレコード用の曲は
このCDがなければ日の目を見なかったはずで…。

非売品レコードからの採録などマニアックさを絡めつつ、
「星雲仮面マシンマン」というニッチな子供番組のテーマ曲まで入れるあたりは
さすがに高島幹雄らしい仕事ともいえる。

先述の通り、聴いたことのない曲のほうが多かったわけだが、
既視感(既聴感?)バリバリのメロディやアレンジメントが連発。
「大野節」が炸裂しまくる一枚である。

以前「大野雄二全曲集」なるものを書いたが、
コロムビア限定ではあるがそれに近いものであった。
ソニア・ローザの曲や、「犬神家の一族」「マンハッタン・ジョーク」、
伝説のレコード「スペースキッド」あたりもほしかったが無念、レコード会社違い。

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俺はご先祖さま

8月14日より「日テレプラスサイエンス」にて放送開始。
「大激闘マッドポリス'80」目当てに加入したばかりなのに、
こんな金脈を探し当てるとは…感涙。

大野雄二御大が音楽を担当しているということで気になっていたドラマ。
主題歌はソニア・ローザ「男と女がいて」である。
劇伴は新ルパン後期のコメディなBGMに近い
(SE、アタック音はたぶん「ルパン三世PARTIII」で流用している)。

几帳面なカメラマン・白石(石坂浩二)のもとに、
全身タイツ姿の若い女・MiMi(マリアン)が転がり込んでくる。
その女は宇宙人ではなく、未来からやってきた白石の子孫だという。

サイエンスフィクション風味が全開バリバリの破天荒なストーリーなのに、
白石が繰り広げる、Mimiや周囲の人々との冴えないやりとりはホームドラマ風。
このミスマッチが妙に面白い。

永遠の青年・兵ちゃんが、キッチリしていながらどこか間の抜けた男を好演。
ほかにも井上順、浅野ゆう子、佐藤浩市(若い!)、根岸季衣、
牟田悌三、左とん平、山城新伍など豪華なキャストが脇を固める。
藤岡琢也、三浦洋一、松山英太郎といった、星になった名優たちにもシビれる。

しかしマリアンの芸達者ぶりには驚いた。何気ない仕草などが妙にリアル。
天然の外タレだと思っていたけれど
実はウマい女優さんだったんだなぁ、と感心。
今ではもう健康器具のCMでしかお目にかからないが。

いまこういうドラマは難しい。万が一企画は通ったとしても、
主演にジャニタレが押し込まれて、薄っぺらい作品に仕上がるのだろう。
1981年、26年前の先進性あふれるドラマだ。
MiMiが来たのは120年後、つまりいまから95年後ということになる。
タイムマシンはできてるかねぇ。

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MoJoスーパー・ベスト ~ 星雲仮面マシンマン

ふとしたきっかけでYOUTUBEで「スーパー戦隊シリーズ」のオープニング集を発見。
ささきいさおの「ジャッカー電撃隊」にシビれ、「銀河航海誌」を購入(これは後で紹介)。

功兄ィの「ジャッカー」の次、「バトルフィーバーJ」を歌ったのが「MoJo」。
「せがた三四郎」「アースジェット」のコマソン歌手・富田伊知郎としてもおなじみである。
後に「ゴーグルファイブ」「ダイナマン」も歌っているMoJoであるが、
同時期に、日テレがテレ朝の二番煎じを狙ったヒーローもの「星雲仮面マシンマン」の
主題歌も歌っている。

ご存じの方も多いだろうが、「マシンマン」の音楽担当があの大野雄二である。
当然「マシンマン」のオープニング、エンディングもYOUTUBEで発見。
これがあの噂の「マシンマン」か…と感動にひたってしまった。

特撮マニアには「伝説の低予算作品」とされる「星雲仮面マシンマン」。
制作者側は音楽担当に渡辺宙明ではなく、『日テレ音楽の顔』大野御大を連れてきた。
ヒーローものと大野雄二。奇跡の出会いが実現しているのだ。

そんな「マシンマン」の音楽をやっぱり聴きたい!と思い検索。
「マシンマン」が聴けるCDはいくつかあるが、
とりあえずMoJoの入門として、「MoJoスーパー・ベスト」を購入。
プロデュースはやっぱり?「サントラの鬼」高島幹雄である。

主題歌「星雲仮面マシンマン」は、アップテンポな旋律と、
コロムビアゆりかご会の健気なコーラスとかけ声(「あれはっ!?」)で
一見、大野作品か?と思ってしまうが、いやいや。
音程が上下に激しく揺れる、超A級難易度の主旋律はやっぱり御大らしいし、
間奏のアルトサックスソロは誰が聞いても「大野節」だ。
伴奏に耳を澄ませば、ストリングス・ブラス・電子音という「大野雄二・三種の神器」が鳴り響いている。

エンディングテーマ「おれの名はマシンマン」はイントロからド直球に大野節が炸裂。
自由に音を奏でるクラリネット、
ピーヨロロロと合いの手を入れるフルート。
その裏で吹き渡る風のような音色のシンセサイザー(おそらく御大自らの演奏か)。
旋律はあくまでやさしく、叙情的。途中でキーが変わるあたりは「ラヴ・スコール」を思わせる。
包み込むようなMoJoの歌声も心地よい(さすがのMoJoも、やや手に余している感はあるが)。
曲の終わり「チャン、チャンチャン」はルパンの「MAGNUM DANCE」を想起させる(ディープすぎますね)。

このCDで不満なのは、「バトルフィーバー」などのメジャーどころが
『オープニング・挿入歌・エンディング』と3曲入りなのに対し、
「マシンマン」はオープニングとエンディングの2曲のみというところ。

教科書別学習ドリルでいつもページ数が少ない、
「開隆堂」の教科書を使っている生徒の気持ちが
今になってよくわかった(わかりづらいたとえっスね)。

くやしんでばかりもいられないので、
「バトルフィーバーJ」「ダイナマン」などもじっくり堪能。
さすがに「リングにかけろ・イメージアルバム」や
「LONELY~ザ・ブッチャーのテーマ」まで来ると「?」マークだったが、
「俺とおまえの大五郎」から「ガオレンジャー」までMoJoの幅の広さを感じさせる。
そして30年近く変わらぬ歌声も、「さすが」の一言に尽きる。
なぜ「MoJo」という芸名なのか、謎は尽きないが…。

★ ちなみに、「星雲仮面マシンマン」のDVDが近々リリースとのこと。

(追記)
後になって地味に「光速電神アルベガス」のほうにハマりつつある…。
渡辺宙明&武市昌久(いちひさし)の魅力を再発見。

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Spiced With Brazil


念願の「ソニア・ローザ」のCDをゲット。
プロデュースは大野雄二御大。
もともとソニーのオーディオ製品の「購入者プレゼント」用レコードだったそうな。
リリースは1974年。30年ものだ。

ソニアはブラジルの裕福な家庭に生まれ、10代で自作曲をひっさげテレビで人気者に。
1969年、20歳の時に来日。サックスの帝王・渡辺貞夫に請われ、クラブで歌うようになるが、
多忙なナベサダの代わりとして伴奏を務めたのが、大野御大のバンドだったそうな。

その後もアルバムを出したり、
石坂浩二主演ドラマ「俺はご先祖さま」の主題歌(もちろん御大作曲)を担当したりする。
往時を知らぬ若造には「ルパン三世PARTIII」のエンディングテーマ「フェアリー・ナイト」を
歌った人、というイメージが強い。この頃には流ちょうな日本語の歌を聴かせている。

ただ80年代以降は子育てに専念するため活動を抑えている
(その息子「DJ TARO」は、このCDのライナーで帰国中の母に代わって情報を提供している)。
ソニア・ローザは現在も日本在住で、近年ふたたび音楽活動を始めている。
(99年にはルパンのテレビスペシャルでテーマ曲を歌っている。聴いてないけど)

このCDでは、ブラジルのボサノヴァはもちろん、
スタイリスティックス「You make me feel brand new」といった
アメリカのポップスやジャズも歌っている。

いずれも大野御大がアレンジを担当しており、
純粋にラテン系のノリの効いた曲もあるが、
ふんだんに「大野節」がちりばめられた曲もあってにやりとさせられる。
イントロにストリングスが流れてくれば、そこはもう「大野雄二の世界」。
「犬神家の一族」か、「愁いの街」か、はたまた「回想のミステリアス・ジャーニー」か。

トーゼン中の当然ながら、大野御大自ら見事な鍵盤さばきを聴かせてくれる。
御大が操るシンセサイザー「アープオデッセイ」もバリバリ音色を響かせる。
なお、6トラック目の8分に渡る曲は、
ソニアご推薦の山本剛というジャズピアニストの演奏だそうである。
そしてラストトラックでは御大も身を隠し、ソニア自らがギターを弾き語りしてくれる。

幼さも巧みさも織り交ぜた歌声。
ところどころで聞こえる「アゥン!」というシャウトも控えめでキュート。
そんなソニアの魅力を十二分に引き出した、大野御大の「技」も楽しめる一枚だ。

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LUPINTIC FIVE

テレ朝の特番「芸能人が選ぶ最強アニメベスト100」で
「ルパン三世」が第1位。

ブログで検索すると、若者全般はこのランキングに納得してない感じだが、
年代的にリアルタイムで「一休さん」とか「タッチ」とか「まいっちんぐマチコ先生」とか見てないんだから、当然か。
いずれ「ルパン」は知名度、影響力などからも1位むべなるかな、という気もする。

そのランキングを記念して(実は全く関係がないが)
GYAOで「YUJI OHNO with Lupintic Five」のライブ映像を拝見。
7月放送開始で10月15日終了ということで、ぎりぎり間に合った。

編成はキーボードの大野御大はじめ、トランペット、サックス、ギター、ベース、ドラムスのセクステット。
ベースの俵山昌之は大野雄二トリオでお見かけするが、
あとのメンバーは拝見したことがなかった。

しかし心配めさるな。
聞こえてくるのはいつものルパンメロディ。
「愛のテーマ」「ラヴスコール」そして「トルネード」「銭形マーチ」と幅広い。

サックス奏者はテナーとソプラノを華麗に持ち替えれば、
大野御大もグランドピアノと電子ピアノを行ったり来たり。

大野御大が語るように、「マナーも気にしない」。
ギター奏者はコーフンして口で演奏してしまう始末。
そのアド・リビトゥムがたまらない。

しかし一番の主役はやっぱり大野御大。
背中を丸めて鍵盤をはじくさまには、マエストロという言葉が似合う。
歯を食いしばっている御大の顔には悦楽の二文字が浮かぶ。
ミスタッチだって神のお遊びに過ぎない。
全てが大野雄二、その人なのだ。

アブサンの水割り片手に1時間強。
いいもの見せてもらいました。

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犬神家の一族

角川映画「犬神家の一族」が、30年ぶりに復活とか。
金田一役の石坂浩二と、監督の市川崑は同じだという。
齢90の市川大先生、大丈夫かと心配になる。
兵ちゃんも年齢的には「おじいさん」だし。

それよか、我らが大御大、大野雄二も音楽担当に復帰するのかが気になる。
あのテーマ曲こそ「犬神家の一族」を体現する最高のエッセンスだと思うのだが…

現在、大野御大はすっかりステージ活動の虜と化しており、
コマーシャリズムに染まった劇伴には食指が動かない状態という。

でもでも、21世紀の「犬神家」に21世紀の大野雄二、
見てみたい(というより聞いてみたい)なぁ…

(追記)
今回の21世紀版では音楽は谷川賢作(谷川俊太郎のせがれ)が担当。
ただしテーマ曲は引き続き大野御大のものが使用される
(アレンジはされると思うが)とのこと。

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ルパン三世クロニクル バビロンの黄金伝説

 「ルパン三世」テレビシリーズ・および映画の劇伴音楽をコンプリートするシリーズ「ルパン三世クロニクル」もいよいよ大団円。1985年度の映画「バビロンの黄金伝説」のテーマ・BGM集である。

 「バビロンの黄金伝説」は、当時放送中であったテレビシリーズ「ルパン三世PARTIII」の延長線上にある作品である。鬼才・青木悠三が描くいわゆる「ピンクルパン」がコミカルで大仰なストーリーのもと大活躍する。名目上の監督に鈴木清順(実質的監督は吉田しげつぐ)。脚本は鬼才中の鬼才と言われる浦沢義雄。しかし、テレビシリーズと並行する制作作業のあまりの過酷さに浦沢は現場を逃げ出し、以降は同じ清順組の大和屋竺(あつし)が加筆したと言われている。

 テーマ曲を歌い、ヒロインも演じた河合奈保子(ヒデキの妹)をはじめ、塩沢とき、カルーセル麻紀、おぼん・こぼんといったタレント声優を起用、楽しい作品に仕上がっている。映画を見終わった後は「何も残らない」ドンチャカ映画でもあるのだが、それもまたルパンらしい。

 さて、大野雄二御大。80年代らしいピコピコサウンドを大野御大も積極的に採用している。これはテレビシリーズ「PARTIII」も同様であるが、読売テレビ主導のPARTIIIに対し、「バビロン」は日本テレビも参加していたため、権利関係上、テレビ用の音楽を流用することができず(一部しちゃっているようだが)、映画用に書き下ろしている。その音楽がこのCDに集められている。

 映画の内容同様、ファンキーな曲が多く、さらにすべてピコピコテクノのため、大野御大お得意のジャジーなサウンドはなりをひそめ、バブルまっただ中を思わせる、軽いノリの曲が多い。CDオビにもあるとおり「ルパン・ザ・80s」なのである。

 ただ物足りないかと言えばそうでもない。いかにも「スポーツニュース」とか「世界大富豪クイズ」みたいな番組のBGMっぽい曲や、「小さな旅」を思わせる曲もあり、テレビテーマの巨匠としても鳴らす大野御大のエキスが濃縮されているといえる。

 先述の河合奈保子は可憐な歌声で御大の要望に応えている(演技は下手でしたがね)。テーマ曲「Song of Babylon」は、叙情的な、典型的大野メロディ。マザーグースを引用した英語の歌詞を、河合は透明感のある声で歌う。ハミングバージョンも聞き物だ。

 ビッグバンドでこれでもかと押しまくる「新ルパン」(いわゆる赤ルパン)のサントラともまた違う魅力が感じられる。シンセドラムの多用に軽薄さすら感じさせる80年代の大野音楽は、実はあまり好きではなかったのだが、このCDを聞いて考えを改めさせられた。

 なお、「ルパン三世クロニクル」完結に当たり、「新ルパン」のBGMで前作までに入りきらなかった5曲が末尾に無理矢理?押し込められている。ダメだよ幹雄ちゃん、と思いつつ、「バビロン」のたった5年前はこんな曲を書いていたんだな、と大野音楽の幅の広さに気づかされる。

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大激闘 マッドポリス’80 ミュージックファイル

 きのうAMAZONで注文したCDが到着した。「大激闘~マッドポリス'80」は、「10秒に1回撃ち、1分に1人犯人が死ぬ」と銘打った、日テレのイカレポンチ系刑事ドラマ。2クール目早々にタイトルを「特命刑事」と入れ替えたものの長続きしなかったという作品だ。

 渡瀬恒彦、梅宮辰夫、志賀勝というメインキャストは、任侠映画にしか思えない充実の布陣。80年代、新刑事ドラマ時代の幕開けを飾ろうと意気込んだスタッフの空回りぶりが伝わってくるようだ。

 サントラの鬼・高島幹雄は早くからこの作品に注目していたようで、彼のライフワークである「ミュージックファイル」の前身「伝説のアクションドラマ音楽全集」に「大激闘 マッドポリス’80」ミュージックファイル がラインナップされている。

 音楽を担当したのは我らが巨人・「大野雄二」大先生である。さすが大野御大、期待を裏切らぬ「ルパン節」が炸裂だ。

 メイン・テーマはあまりの勇ましさに、好敵手・羽田健太郎の作風を彷彿とさせるが(ハネケンの「西部警察PART2」は「大激闘」の2年後!)、ホーンセクションとサックスのアンサンブルが奏でる3連符混じりのダイナミックかつ繊細なサウンドは大野雄二ならでは。途中にはさまる流れるようなベースのメロディはジャズを思わせる。

 サントラ全体からは「新ルパン後期」の香りがビンビン。そりゃそうだ、時期的にはほぼ同じなのだから。
 「当時は『○○風にお願いしますよ大野センセイ』というオファーが多かったからどうしても作風が似てしまうんだよ」とおっしゃっていた大野御大。偉大なるワンパターン(いい意味でですよ)のゆえんである。

 しかし、サウンドトラック全体を通して聞いてみれば、ルパンと趣を異にする、ツボを押さえた哀感たっぷりのサウンドは刑事ものならでは。4年前の「大追跡」と比較しても、またちがう味わいがある。

 これまた「新ルパン」でエンディングテーマ「LOVE IS EVERYTHING」を歌った木村昇の「愁いの街」も聴き応えアリの一作。大野御大お得意の、悲しみをたたえたメロディラインがいい。(タイトルは日本語だが歌詞はすべて英語。作詞は「LOVE…」と同じくゴダイゴの母、奈良橋陽子!)


 「大激闘」「特命刑事」は長続きしなかったドラマであるが、ある意味「伝説のドラマ」的存在でもあるわけで、一部(の好き者)だけがこの素晴らしい音楽を味わえるというのは、マニア冥利につきる。このCDはそんな一枚である。

 さきほど車の運転中に「大激闘のテーマ」をかけてみたが、これがまあ爽快。以前アップした構想(妄想?)「大野雄二全曲集」に、「大激闘のテーマ」も加えておこう(候補扱いから正式にトラック入りしました)。

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LOVE IS EVERYTHING

我らが巨匠・大野雄二による「新・ルパン三世」最後のエンディング・テーマ。
「いつか~巡り会える~」と言えばおわかりだろうか。

作詞はゴダイゴの裏プロデューサーとしておなじみ奈良橋陽子。
歌詞の中盤以降全部が英語という奈良橋らしい作品である。
(おまけに日本語部分の日本語は少し変)

大野雄二らしい叙情的メロディが印象的であるが、
それ以上にスゴいのが、
TVで流れたのが「割愛バージョン」であるところ。

この曲の構成を敢えて書くと
「Aメロ→Bメロ→Cメロ→サビ→Bメロ→サビ→Bメロ→サビ…」と続くのだが、
我々がテレビの「新ルパン三世」でなじんでいるのは
「Aメロ→サビ」だけ。Bメロ、Cメロをバッサリ割愛したものを
無理矢理くっつけているのに、それでも曲としてちゃんと成り立っているのだ。

大野雄二の仕事の緻密さは「ルパン三世 ジャズノート&DVD」でも紹介したが、
「指定された尺に収める」TV音楽家の真骨頂を見た思いである。

でも、TVでは割愛されているBメロのメロディラインが、
これまた哀愁を帯びていて素敵だったりする。

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「大野雄二全曲集」の案

これまでの大野雄二の仕事をアルバムにしてリリースしてほしいなと思ったり。
実現するならやはり高島幹雄プロデュース?

こんなラインナップはどうかな、と考えてみた案。
以下収録順。ルパンがトップでないところがポイント。

○ 外科医有森冴子(II)のテーマ
○ 炎のたからもの
○ 24時間テレビのテーマ(Love Saves the Earth)
○ 犬神家の一族
○ ニュースセンター9時
○ 大追跡のテーマ
○ フェアリー・ナイト
○ ルパン三世のテーマ
○ ルパン三世愛のテーマ
○ シークレット・デザイアー(スペースコブラ)
○ 人間の証明
○ セクシー・アドベンチャー
○ ルパン三世のテーマ'89
○ 小さな旅
○ ラヴ・スコール

ボーナス・トラック(難しい?)
○ レディーボーデン
○ きのこの山

「大激闘」「野生の証明」「遊戯シリーズ」「キャプテンフューチャー」なども候補か。

…実は聞いたことのない曲もまじってたりします。
なのでご意見は甘んじて受けます。

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ルパン三世 ジャズノート&DVD

 「ルパン三世」のテーマ音楽でおなじみの作曲家、大野雄二の初の著書。語り書き形式のエッセイ。グイグイ読ませる。一日でガバッと読んでしまった。

 「ジャズピアニスト」「作曲家」といった面は、これまでのCDのライナーに掲載されるプロフィールやインタビューなどでよく知られているところである。
 この本では、実家が熱海の老舗ホテルだとか、意外な同級生の話(*)とか、筒見京平と知り合った大学時代とか、「人間・大野雄二」にも触れることができる貴重な一冊だ。

* NHKの明石勇アナ(「小さな旅」レポーター!)や、石坂浩二は同級生

 ジャズピアニストとして成功するも、旧態依然としたジャズ界に息苦しさを感じる大野。ふと踏み入れたCMの世界に活路を見いだし、ジャズ以外のあらゆる音楽ジャンルを柔軟に吸収。才能を一気にスパークさせる。「きのこの山」「レディーボーデン」といった名曲も生まれる。
 劇伴・テーマ音楽の世界でも、「ルパン三世」は言うまでもなく、石立鉄男主演作や、「ニュースセンター9時」「人間の証明」「遊戯シリーズ」など幅広く活躍していく。

 CMやテレビの世界で培った音作りのテクニックについても言及しており、数々の職人技には感心させられる。
 クライアントやスタッフからのありとあらゆる要求に応えるため、さまざまな「防衛策」を思いつき実践するようすは、やはり「天才」なのだな、と思わずにはいられない。

 凡人の自分とは明らかに違うな、と思ったのは、「苦労を苦労と思わない性格」。
 苦労はしているはずなのだが、「あのころはつらかった」などという記述はほとんど見あたらない。音楽が好きで好きでしょうがないからこそだ。

 「野垂れ死に覚悟」という記述があったが、まさに大野雄二は「音楽と死にたい」人なのだろう。
 必死にピアノを弾いて、いつの間にか爪がはがれ、演奏後、鍵盤が血まみれだったという若い頃のエピソードには驚いたが、やはり好きだからできるのだ。そして好きだから懸命に働ける。ピアニスト稼業でビックリするくらい稼いでいたようであるし。

 メジャーリーガーのイチローを褒めていたが、「一攫千金アメリカンドリーム」を手放しで賞賛しているあたりも、ちょっと自分と違うな、と思った。「才能なき人間はとことん報われないアメリカ社会」には少し懐疑的なもんで。
 努力を惜しまずハングリー精神を持ち続けるイチローを「凄い」というけれど、むしろ大野は「好きだから仕事に打ち込める」という面で、自分と重ね合わせているのでは? そういうふうに見受けられた。

 自分のように、嫌な仕事や上司に囲まれ毎日モヤモヤしてばかりで、苦労を苦労と思って避け、かといって目立った努力もしない人間は、安月給で当然なのである。ウハハ

 そんな作曲家/ピアニスト・大野雄二の歴史は、巻末のディスコグラフィーや年表でつまみ食いできる。ソニア・ローザなど歌謡曲を手がけたり、Vシネマなど意外な仕事をしていたことも分かる。

 さて、この本。お値段が2667円と少々お高いが、これは、大野がピアノを演奏する映像が収録されたDVDが1枚付録として綴じ込まれているからである(雑音が入っているのと、余韻をぶった切っているところが気にくわないけど…)。

 「ルパン三世のテーマ」「ルパン三世愛のテーマ」から「レディーボーデン」まで。背中を丸めて一心にピアノを弾く姿。それをこの目で見たことを、昨日のことのように思い出す。

 新宿のジャズバーで、大野雄二トリオのステージを見に行ったことがあるのだ。すぐそばで大野雄二が演奏しているのを見ているだけでおなか一杯で、正直、演奏については「ウマかった」ことしか覚えていない。

 帰り際、1ステージ終え、カウンターで一杯やっていた大野におもいきって話しかけてみた。少し素っ気なかったのが印象に残っているが(一仕事終えて疲れているだろうし、ファンのお相手は日常茶飯事だろうからこれは仕方あるまい)、手を差し出して握手してくれたのは鮮明に覚えている。数々の名曲が生み出されたゴッド・ハンドをニギニギできたことは大きな自慢だ。

 この本の名は「ルパン三世 ジャズノート&DVD」。『大野雄二』ではなく『ルパン三世』なのだ。

 イメージの固定を嫌うこともなく、「ルパン系と呼ばれたい」という大野。山田康雄もモンキー・パンチも、『ルパン三世の…』という冠がついて回ったが、やはり嫌がることはなかった。

 ルパン三世って奴は、人の心を盗むのも巧いのだ。

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きのこの山

ナインティナインと若槻千夏が出演している「きのこの山」のCM。
投票に勝った岡村が若槻と香港に新婚旅行に出かけ、
矢部は一人さみしくきのこの山を囓る…
BGMはメロウなアレンジの「きのこの山」コマソン。

この「きのこの山」コマソンは、
当ANNEXでもたびたび取り上げている御大・大野雄二の作品である。

「ルパン三世」の(第1TVシリーズのぞき)ほぼ全ての劇伴はじめ、
日テレでは石立鉄男主演作、「24時間テレビ(メインテーマ、「愛はマジック」など)」、
「外科医・有森冴子」。NHKでは「小さな旅」のテーマを作曲。
映画では「人間の証明」や「遊戯シリーズ」が有名である。

たしかに「きのこの山」もよくよく聞いてみれば、
あの牧歌的だがどことなくさみしげな曲調は、まさに大野節。
ジョー山中の歌う「人間の証明」メインテーマにも近いものを感じる。

だからあのCMを見るたびに、「大野雄二」というキーワードが頭をかすめるのである。
そういや、岡村隆史は番組で正司照枝から「ルパン三世!」と呼ばれていたっけなぁ。

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異常なる音楽評論シリーズ3・ルパン三世1978ミュージックファイル

本日到着したばかりの「ルパン三世1978ミュージックファイル」を取り上げる。
またも、大野雄二なのである。

サントラの鬼・高島幹雄がVAPを退社後独立したおかげで、
コロムビアが権利を所有する「新ルパン」のマニアックなサントラ盤を
こうやって堪能できるわけである。

前作1977編では、番組立ち上がり期のテイクがおさめられた。
低予算ゆえ少人数の編成で、音質も良くないのだが、
耳なじみのある曲ばかりで、楽しませてもらった。

今回入手した(リリースは1年くらい前である(汗))1978編は、
予算もアップし、編成・音質ともに向上したテイクとなっている。
前作1977編とはうってかわって、
放送ではほとんど使用されていない曲が目立ち、マニアックな選曲となっている。

サントラには欠かせない「高揚感のある曲」(By幹雄)は、
1978年の収録では少なかったようで、
このCDでは「メロウな曲」(By幹雄)が中心である。

したがって多少物足りなさも感じるものの、
放送ではまず使われていなさそうな曲が多いだけに、
いやいやなかなかどうして、新鮮な発見もあった。
ややもすればワンパターンに陥りがちな大野サウンドであるが、
このCDでは、ハープシコード(チェンバロ)を使った曲なども多く収録され、
「こんな曲も作ってたのね」と感心しきり。

そして我らがアニイ水木一郎が歌う「ルパン三世のテーマ」(愛のテーマじゃないよ)も
今度はフルサイズが収録されており(1977ではTVサイズ)、要チェキラのヒトコト。
大野御大は、Mr.アニソン・水木アニイの起用には懐疑的だったようだが、
もしアニイが歌ったヴァージョンがテレビで採用されていたら…と思うと
なんだか胸躍るものがある。

ワインなど傾けながら、しばし音に酔いたい。
そう思わせる「大人の」アニメサントラなのである。
こどもにはもったいない。(わかんねーだろうしね)

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異常なる音楽評論シリーズ「大追跡」

 ああ、またやってしまった「大野もの」。前回の松崎しげるベスト盤でも取り上げてしまった大野雄二。今度は全曲大野雄二作曲です。
 大野雄二といえば知らぬもののいないアニメ「ルパン三世」(モンキーパンチによる、どんでん返しとエロギャグ満載の原作を読んで仰天したことのあるあなた、仲間です)の音楽を第2シリーズより担当していることで有名。(第1シリーズは「アタック25」「大岡越前」でおなじみ口笛の巨匠、山下毅雄)。
 大野は70~80年代にかけて、日本テレビ、NHKを主な舞台に、数々の劇伴音楽やテーマ曲を手がけてきた「鬼才」である。その最大のヒット作が「ルパンザサー!」でおなじみ「ルパン三世のテーマ」をはじめとする、「ルパン三世」の劇伴だ。
 ジャリっ子のころから「ルパンもの」のCDを買い漁り、CDにキズがついて再生に事欠くほど聴きまくってきたが、そのころから、心に引っかかるメロディがテレビから聞こえてくることがあった。ルパンのようでルパンでない音楽。それこそまさに「大追跡のテーマ」だったのである。やはり、同じ大野雄二の曲だった。
 別にテレビで「大追跡」を再放送していたわけではなく、テレビ番組のBGMとしてたまに使われることがあり、その「ルパンっぽさ」が心にずっと留まっていたのだった。
 さすがインターネット時代。その音楽が「大追跡」であることが判明した。即座にAMAZONでCDを購入した。感のいい方はお分かりだろうが、VAP(当時)高島幹雄プロデュースの「ミュージックファイル」シリーズである。

 やはりというか、「大追跡のテーマ」は大野イズム満載の一曲だ。トランペットを中心とした旋律、途中に入るストリングス、サックスのソロ。さらに、軽快にリズムを刻むパーカッションや、左右のトラックから自由奔放なメロディを奏でるエレキの音が加わり、バンド全体で「大野節」を奏で、聴く者の体全体に押し寄せてくる。
 大野雄二は「手癖で分かる作曲家」と言われる。悪く言えば、ワンパターン(良く言えば、納得しながら聴ける)。「大追跡のテーマ」も同様。「同じ大野作品」であることを知らなくても、その作家性がトーシローでも分かるのだ。
 しかし、あくまでも「大追跡」のために編まれた曲のため、「ルパンっぽく」はあっても、「ルパンには合わないようにできている」ところが凄い。「大追跡」の舞台、横浜のさわやかな日差しの中、突如起こる事件を解決すべく立ち上がるはみ出し刑事たち…が頭の中に浮かぶのだ。「赤いジャケットを着た大盗賊とその仲間たち」は、顔をのぞかせることはあってもその全貌はこの曲からは見えてこない。
 ただ、この「大追跡」サントラの一曲一曲のうちいくつかは、ルパンで使っても差し支えなさそうだったりする(事実、使用されている)。まあ同じアクションものだし、作曲家が同じなのだからそれはいたしかたあるまい。曲のできは悪いわけじゃない。いい曲がそろっている。むろん、ルパンものが好きな人間にはこたえられない。
 ゴダイゴのガイジン、トミー・スナイダーも歌声を披露している。のちにトミーは「ルパン」でも仕事をしているわけだが、大野との相性の良さはこの「大追跡」ですでに証明されていたのだ。

 わけのわかんない文章で恐縮であるが、ともかくも「熱き大野イズム」に満ちあふれたこのCD。70年代末期の熱気を、メロディの奥から感じ取りたい。(←チューボーですよの武田広ふうに)

 ちなみに、加山雄三、藤竜也、沖雅也、柴田恭兵という豪華キャストの刑事ドラマのほうは、今の今まで一度も見たことがないのであった。

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松崎しげる「Twin Best」

 全くとっちらかったセンスでCDを買う男の音楽評論。こんなのが好きな男です。↓
参考:http://homepage2.nifty.com/newnew/mabo.html
 いま当地(注:04年2月当時)では「噂の刑事トミーとマツ」を放送中である。これがまあ面白い。刑事ドラマとコメディを混ぜるとこうなるのか!という、新たな発見をさせてもらった。
 実はリアルタイム放送時(1980年ごろ)も見た記憶はあるのだが、そのころは幼少のみぎりゆえ、筋や設定など全く記憶になかった。そりゃ子供にわかるはずもない。だから「見た」記憶はあっても、「おもしろかった」記憶はなかった。大人になってからこの作品に再会できてよかったと思う。
 さて、ドラマ自体ほとんど記憶になかったわけだから、マツこと松崎しげるが歌う、番組のエンディングテーマ「Wonderful Moment(ワンダフル・モーメント)」も当然知らなかった。だが、これがまたいい曲なのだ。しっとりした質感のメロディが、エンディングの映像(トミマツが雨降る街をウロチョロする)と相まって、なんだかハートウォーミングにさせてくれる。
 もちろん、松崎しげるのハスキーでソウルフルな歌声が一番の魅力であることは言うまでもない。あの「甘さ」が、ガングロしげるから生み出されているとは…そのミスマッチ感覚もいいのだ。
 そんな「しげるワールド」をパーペキに味わうべく、この「Twin Best」をAMAZONで購入した次第。30分でちゃっちゃと作られたとしか思えない、テキトーなデザインのジャケットが脱力気味だが、まあベスト盤だからよかろう。問題は中身だ。
 しげる自らの選曲と言うが、残念ながらヒット曲と呼べるものは少なく、ほとんど知られていない曲ばかり。だからといって聴く価値ナッシングか? 答えはNo。
 「松崎しげるの熱唱」…これがこのCD最大のヴァリューである。とにかくすべてにおいて、声が脂ぎっている。声まで黒い。CDから「黒脂」が噴出しているかのようだ。とにかく「Made in アブラギッシュ・マツ」的曲にあふれている。
 しげる最大にして最後?のヒット曲「愛のメモリー」も、改めて聞いてみると、やはり彼ならではの曲だな、と思わされる。「一発屋は歌がうまい」法則があるかどうか分からないが、もしあるとすればしげるもそれに当たるだろう。「愛のメモリー」はこのCD2枚組の最後に堂々とおさめられている(ちなみに、改題前の「愛の微笑」もしっかり収録されてます)。先述した「甘さ」と、みごとな声量を兼ね備えたしげるの魅力にあふれている一曲である。
 このCDには先述の「ワンダフル・モーメント」のほか、トミマツテーマ2代目「マイ・ラブ」、同3代目「愛の静けさ」も入っている。「マイ・ラブ」ではしげるが素敵なシャウトを見せている。「愛の静けさ」はしげるお手製のメロウなメロディが泣かせてくる。
 今回このCDをチョイスした裏の目的がある。「ワンダフル・モーメント」のC/W「16ビート・センセーション」が聞きたかったのだ。なんと作曲があの御大・大野雄二! これは必聴! と思い、ワクワクしながら聞いてみると、いやはや噂通りの大野サウンド。アレンジは小笠原寛名義だが、それでも大野エキスが噴出しまくり。間奏のストリングスなんかまんま「銭形マーチ」だもの。だのにビシッと曲のイメージにハマっている。さすが「偉大なるワンパターン」大野雄二! 拍手! もちろんしげるの熱唱もバッチリだ。冒頭の絶叫「シックスティーンビーッ! センセイショォン!」もイカす。
 歩くフェロモン・しげるらしい一曲「Let Me Fly」もおすすめ。男と女の秘め事をさわやかに歌っている。しげるの手にかかれば愛の逢瀬ももはやレクリエーション感覚。聴く者(の下半身)にスタミナを与えてくれるかのようだ。
 それから、しげるが23の頃の「波止場」という曲もなかなか。リズムを刻むパーカッションが華やかで、いかにも70's。と思ったら、作曲・編曲が巨匠・筒美京平! そして作詞は橋本淳と来た! 当時の売れっ子コンビだ。しげるの若い脂っこさは、当時すでに脂ののりきっていた淳と京平の世界に負けてないんだなこれが。脂と脂がみごとに調和してます。
 こんなに脂っこい曲のオンパレードの2枚組、39曲。なんと全ての曲が「ラヴ・ソング」(ほとんどの曲で「愛」「Love」がタイトルや歌詞に入っている)。別れの曲も多いが、ラヴ・ソングに入れてしまおう。だって「夜の帝王」しげるなんだから。
 「リーブ21」「私はケイエスビーの人」でアグレッシヴエキスを振りまいたしげるの「黒脂」は、赤ワインポリフェノールやコエンザイムQ10よりも体に効きそうだ。薩摩の黒豚よりしげるの黒脂。愛も希望も涙も別れも溶かし込み、スープが黒く輝くこってりしげるラーメンは、あなたの滋養強壮にきっと役立ちます。

 長い文章だ…こんな情熱が仕事に向けばいいのに(苦笑)

 「松崎しげる Twin Best」ご購入はこちら。税込み3,000円。(06/1/15追記 タイトルが「COLEZO!TWIN松崎しげる」に変更になり、2割以上お安くなった模様。この機会にお買い求めを)

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