趣味

自家用車のスピーカー交換

自家用車のスピーカーを交換した。
しかも、自分で。

ここ数年、カーステレオの音が
バリバリ割れるのが気になっていた。
大きな音、高い音になると、
ものすごい音響で「バリバリッ!」と鳴るもんだから、
耳にも悪いし、心臓にも悪いし。

スピーカーが古くなったのでは、と推測し、
交換することにした。

自動車用品店にやってもらうのが
簡単だしベストな方法なんだろうが、
生来のケチで、無駄な料金は支払いたくないし、
それ以前にもう古い車だから、
お金をかけるほどもないかな、と。

スピーカーはフロント部分に内蔵されている。
調べたところ、「コアキシャル」というタイプらしい。
当然サイズもいくつかあるようだが、
車種で検索すれば、どのサイズが合っているかは
すぐ分かる。

人に聞けばいいんだろうけど、
友だちも知り合いも少ないもんで
(同級生に自動車整備工がいたんだが、今は疎遠になっている)、
インターネットが何でも教えてくれる時代。

ただ、ドンピシャリの情報というものはない。
なにしろ自動車のスピーカー交換を自分でやるような人は
「カーキチ」が中心なので、
余計なカスタマイズをしている事例が圧倒的に多いのである。

スピーカーを「コアキシャル」という通常タイプではなく、
マイクみたいな形の特殊なスピーカーに変更したり、
ドアの内側に穴を開けてスピーカーを増設したり…。
俺はただ「交換したいだけ」なのに…。

まあ、そんな情報をつまみ食いして、
どうにかカー用品店で最安のスピーカーを入手し、
交換を試みる。

まずはスピーカーカバーの取り外し。
本来は専用の用具があればいいらしいが、
マイナスドライバーを突き刺してこじ開ける。
ただ、刺さりどころがわからなくて、
ここで最初の苦労。

カバーの周縁部にマイナスドライバーをあちこちさしていれば、
刺さりどころが分かる。
で、ドライバーをテコの原理で押し下げればカバーがバカッと開く。

中に入っているのは、古ぼけた純正スピーカー。
左右ともに案の定、共振部がきれいに破けている。
このためにバリバリという音がするのである。

スピーカーはねじ止めされているので、
これをプラスドライバーで外す。

カーステレオとスピーカーはコードでつながれていて、
プラス極とマイナス極の2本の線が延びている。

しかしこの配線の末端は、特殊なコネクターで純正スピーカーとつながれていた。

特殊コネクターとスピーカーの外し方が一瞬分からず焦ったが、
ラッチが見えたので、このラッチを押さえて
引っこ抜くと、コネクターをスピーカーから外すことができた。

購入したスピーカーは、このコネクターが刺さる部分などなく、
単に無機質な端子が2つあるだけだった。

さて、どうしようか。
カー用品店にはコネクター変換の部品も売っているようだが、
スピーカーの説明書きには、配線を直接接続する方法しか書いていない。

思い悩む、第2の苦労。
思い切って、コネクターと配線を、ラジオペンチで切断した。
「切断」という、「部品を傷つける」作業が発生するこの時点で、
ギブアップする人は多いだろう。

配線はプラス線とマイナス線、それぞれビニール被膜でくるまれている。
はさみで被膜に傷をつけ、ビニールを1センチほど抜き取る。
テレビの同軸ケーブルの加工でさんざんやった作業なので慣れっこであるが、
このカーステレオにつながるケーブルが異様に短く、作業に難儀。第3の苦労。

このケーブルを、購入したスピーカーに付属していた配線に接続する。
プラス線とマイナス線の区別があるので注意しながら、
説明書きのとおり、金属線同士を絡ませて、付属してきたキャップをかぶせる。

あとはこの配線をスピーカーにつなげる。
付属の配線の末端部は金具がついていて、
スピーカーにある、先述の「無機質な端子」に刺さるようになっている。
プラス線とマイナス線では端子の大きさが違うため、間違うことはない。
親切ですね。

あとはスピーカーを取り付け、ねじで固定する。
付属してきた振動防止のシート(カッコ記号「(」みたいな形)をつけた方がいいようだが、
純正スピーカーにもそんな加工はされていなかったし、
そもそもシートを貼り付けるスペースもないので、
今回はやらず。

また凝り性な人は「バッフルボード」という、スピーカーをより確実に固定するための
部品を用意するようだが、もちろんそんなものも使わない。
単にスピーカーをねじで固定するだけ。

あとはスピーカーカバーをかぶせておしまい。

音を鳴らすと…
なんとも強烈な違和感。
音が良すぎるんだな。当然、バリバリも言わなくなったけれど。

もう少しおとなしい音でもいいのに…というくらい、
よく鳴っている。

とりあえずバリバリを直したかったので、大満足である。
もうこの車を手放すまではバリバリは言わないと思うし…

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恥ずかしい趣味

美容室で髪を切ってもらう
(髪を切ってもらうなんて表現がオッサンであるが)。

美容師の店長(♀)に「普段どんな曲を聴いているんですか」と訊かれた。
めんどくさくて「音楽は聴かないね~」なんて答えてしまった。

「ちょっと恥ずかしいけど、『ゆず』がいいよね」とか、
「EXILEってパフォーマンスもいいけどやっぱサウンドなんだよ~」とか…
言ってみてぇー!(古いっ)

テレビのサントラしか聴かない、とくに刑事ものが、とか、
「ルパン三世」の大野雄二がいいとか、
三遊亭円丈や春風亭昇太の新作噺がiPodにしこたま入っているとか、
アマン」「池上線」「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」が
同じプレイリストに入ってるとか、
もう説明したくもないじゃないですか。

あぁ、つくづく恥ずかしい趣味だ。

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テレビと芝居の手書き文字

asahi.com(朝日新聞)の「注目コンテンツ」のところで見つけた記事を読んで
速攻で注文した本が、今手もとにある。

Tegaki

「テレビと芝居の手書き文字」竹内志朗・著。イグザミナ刊。
テレビも文字も好きな自分にはこれ以上ない本である。

テレビタイトル文字職人といえば、
名古屋テレビ(現メーテレ)に在籍し、『ナール』『ゴナ』を生んだ中村征宏
「8時だョ!全員集合」「日本レコード大賞」の篠原栄太を思い出すが、
大阪にも「巨人」がいた。それが竹内志朗である。

なにしろ、朝日放送が「大阪テレビ」と名乗っていた時代から、
せっせとテロップを書いていたのだから筋金入りの人物の書いた本なのだ。

自費出版。そもそも売れる種類の本でもないし、
チョサクケンの問題もあってか、市販するわけにもいかないようである。

購入方法は、「竹内志朗アトリエ」に、直接FAXで注文するしかない。
我が家にはFAXがないので、しかたなくセブンイレブンからFAXを送った。
その2日後に、宅急便で丁寧に送られてきた。
(ちなみに、代金支払い方法を書いた紙に、
自分の名前が様付けでペン書きしてあったが、おそらくご本人の字であろう)
思ったよりも大きくて厚く、紙質の良い本である。

タイトルには「文字」とあるが、竹内は「舞台装置デザイナー」でもあり、
後半は舞台装置のほうにもページを割いている。

しかし、舞台装置もタイトル文字も作れる人はひと味違う。
ポスターも作ってしまうのだ。
つまり、舞台のアートディレクションを、一人ですべて請け負ってしまうのである。

すべてに、若い頃に劇団に在籍したころの経験が生きている。
裏方を志向したが、最初は演じる側も務めていたという。

その後、デザイン会社に入り、無給で(!)働いた。
努力の甲斐あり、開局したての「大阪テレビ」、現在のABC朝日放送に出入りの職人となる。

当時のテロップはみな手書き。
ニュース番組では大量のテロップを短時間で用意せねばならず、
テロップ職人、「タイトルさん」は大忙しだったという。

それ以外にも「テレビ映画」、つまりドラマや、
バラエティ番組などでも、タイトル文字制作のほかに、
テロップやフリップ描きも行っていた。

毎日「手から筆を落とすほど」文字を書き続けているのに、
たまの休みにスキーに出かけた日、宿に戻ったその夜も練習をしたそうだ。

その後、ニュース番組で写植の導入が始まり、駆り出されることがなくなると、
ドラマのキャスト・スタッフのテロップ制作や、
タイトルデザインが主な仕事になっていく。
といっても、タイトルバックの立案・構成から小道具づくりまで手がけたそうだ。

タイトルデザインの代表作として
新婚さんいらっしゃい!」「探偵!ナイトスクープ」が挙げられる。
ほかにも「プロポーズ大作戦」「霊感ヤマ感第六感」「剣客商売」などを手がけている。

ほかにも大量の作品が掲載されているが、
残念ながら関西ローカルで古いものが多く、ほとんどはピンと来なかった。
「駕籠や捕物帳」「新・遠い国近い国 世界のどこかで」
「夫婦善哉」「わんぱく砦」「日曜お楽しみ劇場」…。

しかし「やりくりアパート」「お荷物小荷物」「部長刑事」など、
タイトルだけは知っている作品もちらほら。

当時のエピソードとともに思い入れを持って記述している「必殺シリーズ」は、
書家の糸見溪南が書いた番組タイトル文字原案のレタッチを行うほか、
サブタイトル(「○○して候」「主水、○○をする」の類)はほぼすべてを書いたという。

竹内の仕事は、日本のテレビの歩みとともにあった。

しかし、本にも少なからず書いてあるが、
現在、テレビの世界はコンピュータテロップが主流となっている。

アホほどテロップを使うようになったが、
それはディレクターが、VTR編集と並行し、
シコシコとキーボードで入力して表示しているものである。

先述通り、現在竹内は、テレビタイトルデザインのほか、
本来のホームグラウンドであった「舞台装置」のデザイナーとして活躍中。
今も休みはないというが、若い頃の激務経験と比べればなんてことはないようである。
御年77歳、意気軒昂。

自費出版ということもあり、文体は聞き書き調でとりとめがない。
内容も系統立てて書かれておらず、
話があっちゃこっちゃ飛んでいる印象もあるが、
それが逆にリアルな「タイトルさんの生の声」の雰囲気を伝えている。

「業界人」ならではの記述もある。
「ABCフラッシュニュース」の、
円盤がクルクル回るオープニングの制作秘話は、
とくに関西の“テレビマニア”にはたまらないだろう。

いっぽうで、「これからは太い書体が流行りまっせ、開発しまへんか」と
モリサワ」に提案したが「そんなんあきまへん」と蹴られたのに、
いつの間にか「写研」が太い書体をリリースしててそれがバカ売れした、という
当時の写研とモリサワの立場を如実に表したような、
“フォントマニア”にもたまらない逸話も載っている。

竹内が書いたテロップは、知人の計算によると230万枚程度になるのでは、という。
しかしそのほとんどは廃棄され、手もとにあるものはごくわずかだそうだ。
この本では、「綺羅星」のごとく、さまざまな番組のタイトル文字が掲載されている。
その多くは、「再現」して書いたものだそうだ。

テロップが残っていないことについては「それでいい」のだという。
画面に表示されては消えていく、「流れ星」のようなテロップたち。

いまは味気ない「フォント」になってしまったが、
手書きの時代があったことも伝えたい、という。

テレビの世界に、手書きのテロップが戻ることはあり得ないが、
「職人気質」だけは、どこかに残していって欲しいものである。

※なお、舞台装置について記述している、
 後半の“芝居編”はこれから読むところである。

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夏の落語会~残暑お笑い申し上げます

本日、花巻市文化会館にて。

1100人のキャパ、入りは7~8割ほど。後ろには空席多し。
まあ、落語だからね…動きがないから遠くから見るのは辛いものがあるし。

一昨年、「笑いの忘年会」に行って以来である。
忘年会は今年も開催するようだ。

開演ブザーが鳴ってからもしばし待たされて開演。

前座は柳亭市也。その名の通り市馬のお弟子。
「牛ほめ」でご機嫌を伺い、そこそこの笑いを取り客を温める。グッジョブ。

続いては柳家花緑。いきなりのビッグネーム、めくりで名前が出ると拍手が。
いつもの笑顔で登場の花緑、「おじいちゃん」ネタのマクラで客の心をがっちりつかむ。

晩年、先代小さんが携帯電話を持たされたときのエピソード、
鈴々舎馬風から電話がかかってきて「どうして俺の居場所が分かるんだ」。
たたずまいも言動も、落語の登場人物そのもののような人だった、と。

そんな長めのマクラで笑いをかっさらいつつ、噺は「蜘蛛駕籠」。
やはり知名度のある噺家は客のリアクションも違う。

そして、柳家さん喬。ご存じ、喬太郎の師匠である。
爆笑派の喬太郎と比べると本格派のフンイキで、地味なイメージがあったが、
いやいやなかなかどうして。
マクラではワインのテイスティングの滑稽な模写で大爆笑を巻き起こした。

根多は「幾代餅」。「紺屋高尾」のバリエーション。
独特の間で客をぐいっと引き込ませた。
この師匠にしてあの弟子あり。

仲入り。トイレから戻ると、
市也と、女性の前座が出てきて、サイン色紙の抽選会を進行。
「忘年会」のチケットを併せて買った人に権利があったようだ。
女性の前座は花緑の弟子、柳家まめ緑。後半の高座返しを務めた。

後半はまず色物、三遊亭小円歌。おなじみ三味線漫談。
のどの調子がよくなかったようで頻繁に咳をするが、
演じる最中は一切それに触れないプロ根性で。

「圓歌に触られた」「楽屋はみんなおじいちゃん」など、
おなじみのつかみの後、出囃子メドレー、両国風景。
ラストは美麗なるかっぽれで魅了。投げキッスで退場、可憐なお姉様であった。

主任は大御所、三遊亭圓丈
狛犬の紋の入った裃で堂々の登場。

公式ブログにもあるとおり、昨日には都内でネタ卸しを敢行したとのこと。
ムービー落語「タイタニック」。
しかし年で覚えられずカンペ5枚を広げた…ってほんとかね?

最近の犯罪史「86歳が59歳を刺す」、
86歳といえば林家彦六、
もしこの犯人が彦六師匠だったら…ということで
「おンまえを~刺すよ~ん」。

このマクラどこかで聞いたような…。
でももちろん客席は大ウケである。

途中名古屋弁の話をするので「名古屋版金明竹」かと思ったが
やはり新作で「遙かなるたぬきうどん」。
題名だけは知っていたが、圓丈らしい荒唐無稽なストーリーであった。
ガシッ、ガシッとマッターホルンを登攀し、
頂上で待つ常連客にたぬきうどんを振る舞う足立区のうどん屋。
結局その常連客と共に、雪崩に巻き込まれ、
自分も不帰の“客”となるが…というメチャクチャな噺。

後半にヴォルテージを上げ、
マイクに大声を叩き付けるアグレッシブな高座はうるさいほど。

ピッケルを突き立てる仕草は扇子2本を使用。
扇子2本の使用は通常あり得ないが「新作40年もやっていると許されるのです」。

「でも本当は…」懐にもう2本扇子を隠し持ち、計4本の扇子を取り出して
「これで占いもできるんです」といって扇子の1本を広げ、
「瀧川鯉昇…ハズレ」。不覚にも笑ってしまった。

奇想天外なオチで最後まで客を自分の世界に引きずり込んだまま、
太鼓の音色と共に緞帳が下りる。
最後まで頭を下げ続ける圓丈の姿を目に焼き付けつつ、会場を後にした。
これで2000円なんだから、つくづく、素晴らしい会である。

※もっと詳細にレポートされている方がいますのでそちらを参考に…
なんとなくはじめました(つれづれなるままに)

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画面に振り回される

画面のついた携帯デバイスがいくつもあることに気づく。
携帯電話、iPod、ワンセグテレビ(2種類)…。

みんな一緒になったらいいのになぁ、と思うのだが、
テレビ機能やビデオ機能(PCでキャプチャした映像が見れるかどうか)で、
できるものと、できないものがあって
どれも一長一短なので、結局いろいろ買いそろえてしまう。

携帯電話…ワンセグ◎、ビデオ×
iPod…ワンセグ×、ビデオ△
ワンセグテレビA…ワンセグ○、ビデオ×
ワンセグテレビB…ワンセグ△、ビデオ◎

携帯電話はワンセグ受信は最高だけど、ビデオ機能はほぼ不可。
(マイクロSDカード経由でできなくはないようだが、やりかたが煩雑)
iPodはワンセグは当然不可。ビデオ機能はあるけど、
itunesでの管理はこれまた面倒。
また、単体では音が出ない。

ワンセグテレビは2台あるが、1台(A)は単なるワンセグ視聴のみ。
データ放送なども見られないが、感度はよい。
もう1台(B)はワンセグテレビと銘打ちながら、ワンセグ受信感度は最悪。
その代わり、ミニSD経由でビデオを見られる。
なお、両方ともジップロックに入れればお風呂テレビに変身する。
ただしBは受信感度悪く、風呂の中では使い物にならないので、
結局Aが活躍することになる(それでも局によっては受信できなかったりする)。

全部ひとまとめになって、かつ「使える」スーパーデバイスがあれば…と
いつも思うが、それは夢のまた夢か。
しかし、似たような機械を買いそろえる無駄もまたあるわけで。

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寒さに弱いiPod

毎年冬になると、iPod(第5世代後期)が誤作動を起こすようになる。
「寒さに弱い」「低温が苦手」なのだ。

どうも電池だけが寒さに耐えられないらしい。
家の外に持ち出して、コートのポケットに入れておくだけでは
すぐに電池が冷えてしまい、あっという間に電池残量が真っ赤っか。
そして「プツッ」といって画面が消えてしまう。

決定ボタンを押すと、画面に一瞬アップルマークが表示されるが、
よーく見ると画面の下半分は表示されていない。
で、すぐに画面が消える。当然操作なんかできないから、曲も聴けない。

大体、0℃くらいで音を上げてしまうようだ。
人間だって平気なのに。

だいたい、iPodの本場たるアメリカだって、
ニューヨークなんか冬はクソ寒いと言うではないか。

iPhoneやiPodの最新機種はどうだか知らないが、
寒さに強い電池の研究もお願いしたいところである。

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タモリ倶楽部「知られざる書体の世界 フォントにあった怖い話」

11/13深夜、テレビ朝日系で放送。
多くの地域では後日放送されるのでネタバレ注意。

「フォント」「書体」に焦点を当てた回。
普段、ほとんど注目されることのない世界だけに、
モノホンの書体デザイナーも注目。

ハウフルス社内からのお手軽収録。
進行役は松尾貴史。そのほか、パソコンに強そう、
ということで劇団ひとりと眞鍋かをりが登場。

松尾が「業界の代表的企業」と紹介して
登場したのは「イワタ」の水野技術部長。
シェア的には、代表的企業ではないが…^^;
ただ、歴史は確かにある企業である。

番組中も、普段は使わない、
イワタ特太ゴシック体オールド」がテロップに使われていた。

まずはイワタとはあまり関係のない「公団ゴシック」の話。
高速道路や自動車専用道路で見かける例のアレ。

水野部長によると「鷹」などの込み入った文字は、
正確に書いてしまうと、高速度で走行する車内から読みづらくなり、
文字を読むことに気をとられて運転がおろそかになるので、
文字のだいたいを判読できる程度に略されているのだという。

※とはいえあまりにも時代にそぐわない不格好さから、
 最近は「写研」の「ゴナ」に置き換えられつつある。
 また一般道の青い標識に採用されているのは
 同じく「写研」の「ナール」である。

続いては「幽霊文字」。
地名や珍しい姓を集める中で、
制作者や担当者の勘違い、ミスによって生まれてしまった
どこにも使われていない文字が、こともあろうに
標準規格である「JIS」に制定されてしまったもの。

その代表格である「妛」(通称やまいちおんな。
Akebi」(あけび)に余計な棒が入ったもの)や
「彁」「暃」「挧」「閠」「蟐」を紹介。
いずれも、ありそうだがどこにも存在しない文字とされる。

あけびの話に関連し、博覧強記なタモリは
「山のアケビは何見て開く、下のマツタケ見て開く」とヒワイな歌を披露。

眞鍋はキリンを…まあ、よそうか。(低音で笑)

いよいよイワタ製品の紹介
(その前に何かを紹介したようだがカットされていた)。
一押しの「イワタUDゴシック」を、旧来のゴシック体と比較し、
その視認性の高さなどを実感してもらう。

野菜ジュースのパッケージなど、けっこう採用されているそうだ。
いやぁ、そうはいってもやっぱり「新ゴ」だろう、と思ったら、
手元にあった「VIERA」のリモコンに使われていた。イワタあなどれん。

そして「フォントの作り方」。
イワタの場合だとは思うが、
「東永国室道機識闘愛警鷹酬」の12文字に、
漢字のエレメントや構成のエッセンスが詰め込まれており、
フォント制作者はまずこの12文字から作り始めるのだそうだ。

そしてイワタのPRビデオ?「一文字に賭ける情熱」を少しだけ放映。
習字でもよく書かれる「永」の文字の制作作業シーンを流す。
タモリや松尾は内容そっちのけで「永六輔」のモノマネで盛り上がる。

水野氏によるとフォントのワンセット完成までに1.5~2万文字制作し、
2年から5年を費やすとのこと。

5年かけても売れなかった書体「弘道軒清朝体」が登場。
岩田母型製造所とイワタエンジニアリングの合併記念で制作されたものとのこと。
努力は認めるが、楷書代わりに使うには重々しく、確かに使いづらそう。

先に紹介したタイプラボ代表・佐藤氏は
数年かけても売れない商品なんて、どこの業界にもあるもんだゾ」と一蹴している。
いくつもの険しい山を登ったからこそ言える言葉であろう。

フォントの原価の話題。最近は1文字1~2円にまで急落。
ダイナやアーフィックだともっと安いだろう。
「写植書体」時代と比べると劇的に安くなってしまったようである。

個性的フォントの紹介。
「やまびこ」「ヨーグルト」「ドンマイ」「新井篆書R」。
これらはイワタ製品ではなく、
新井篆書Rは『JTCウィン』でおなじみ「ニィス」、それ以外は「FONT1000」の製品。

空耳アワー。
安斎肇はてっきりデザイン事務所勤務経験から、
フォントのうんちくを語るかと思いきや、
本編が盛り上がったのかバッサリカット。

エンディング。
「有名人の作ったフォントってないですよね」、とひとり。
ウーン、「ノリール」なんて有名な写植書体があったんだけどね…。
ただし本人が作ったわけではなく、参考にした程度らしい

タモリは「俺も作ってみようかな」。
「グラサーン」とか「トモE」「トリッダイ」みたいな名前をつけて売り出せば、
好事家には売れそうな気がする。

ちなみに「写植」という言葉は放送中使われなかった。
「書体」と言わず「フォント」と英語で言うようになったし、
時代は流れているのですな…。

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サブカルチャーだから

「アニメの殿堂」私は支持します、岸博幸(日経)。

要するに、世界で注目されるニッポンのコンテンツを、
公費で保護しないでどうするんだ、と。

この「アニメの殿堂」政策は、やくみつるら、当の漫画家からも
「漫画家は誰一人として歓迎していない」と批判されている。
(やくは漫画家のメインストリームからはほど遠い存在ではあるが)。

「いらないムード」になっている「アニメの殿堂」の
支持を表明することには感銘するし、
岸も指摘するように、「アニメの殿堂」は
マスコミが横並びで面白おかしく揶揄している面は否定できないが、
それにしたって、本当に必要な組織なのかどうか。

岸は「マンガもアニメも文化なのだ」と言うが、
映画や小説、絵画と一緒に「これは文化なり」と、
「国が保護する」ようなものなのだろうか。

「日本が手をこまぬいている間に、アメリカに人材流出している!」と、
大量の日本人が働いているというピクサー社を引き合いに出しているが、
バリバリ3次元のピクサー作品は、「アメリカ」だから成り立つのであって、
2次元ベースの日本産アニメとは違うと思う。

そもそも多くの日本人は、
電車の中でマンガを読むサラリーマンに眉をひそめ、
画面の中の萌えキャラと疑似恋愛するアニメヲタクを「キモい」とくさす。

所詮、アニメもマンガもそんなものであり、
だからこそ市場が成立するのではないか。

じめじめしたところで成長するいわば「陰」の存在なのであり、
それを国が保護したら、とたんに魅力は崩壊するはずだ。

マンガ雑誌に国が補助金を出してご覧なさい。
どんなつまらぬ雑誌ができあがるか。

あまたあるアニメを、国が「世界に誇れるコンテンツか否か」調べるため、
厳しく審査するようになったら…そういうスキーム自体が恐ろしい。

所詮メインではない「サブ」カルチャーなのだし、
マンガもアニメも「サブ」だからこそ、世界で支持されているのだ。

麻生首相が(最初)支持されたのも、
フツーの首相のように、経済だの安全保障だのばかりじゃなく、
そういう「陰」「サブ」の面にも目を配ってくれる、というところだったからではないか。
それを「メイン」に仕立てようとしている麻生首相が今、支持されているか。

記事の最後に記された、岸の経歴を見ると、
そんなことくらい分かっていそうな感じはするのだが。
あるいは、こういう説を振りかざさなければならない理由でもあるのか。

民主党やマスコミが使う「国営マンガ喫茶」は言い過ぎかつ的外れだと思うが、
やはり、117億円あったら他に使うべきだと思わざるを得ない。

一流大学の教授でもないし、大手音楽産業の役員でもないから、
偉そうなことはいえないが…。

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元祖マジック

油性マーカー(フェルトペン)の元祖的ブランドとといえば「マジックインキ」。

「マジック」は今も、サインペンなどの油性ペンの、
文字通りの代名詞となっている。

競合商品にお株を奪われた感はあるものの
(現在のトップシェアと思われるゼブラの「マッキー」に至っては
ベッキーを起用したCMまで流している)、
「俺が元祖だ」的威厳を感じさせる、ずんぐりとしたビン状のボディ。
持つと言うよりつかむようにして書くという、
独特のスタイルを今も貫く。(注:細身の商品もあり)

マジックインキを発売しているのは大阪の「寺西化学工業」。
この社名を聞いてもピンと来ない人は多いだろう。
なぜなら、マジックインキには、パッケージにも商品のラベルにも、
社名が一切書かれていないからだ。

当初、商品開発には内田洋行(現在はオフィス家具販社)と共同で当たっており、
商標を内田洋行が取ってしまったため、
寺西化学は商品に社名を入れることができなかったらしい。
それが今に至るというわけだ。

絵の具やチョークといった「ギター」ブランドの商品も含め、
寺西化学の商品はロゴ、デザインにアナクロニズムが漂うものが多いが、
WEBサイトは洗練されたつくりになっている。
「みんなの画用紙」なんていうユーザの心をくすぐるコーナーもあったり。

知らなかったが、マジックインキはインクの補充ができるんだそうだ。
これはマッキーにはできない芸当。
55年前からエコを考えていました」と、寺西化学は胸を張る。

※そういえば「マッキー」って、「ジックイン」の略なのか?

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とうぎんお笑い寄席

「とうぎんお笑い寄席」を見に岩手県民会館へ。
客層は60代が中心。アダルトというよりシルバーな感じ。
しかし「お笑い寄席」ってタイトルはどうですかね。「危険が危ない」チックなものを感じる。

場内アナウンスと冒頭のMCは、テレビ岩手・鈴木直志報道局長。
観衆には関係ない、東北銀行の頭取が褒賞を受けた話題と、
テレビ岩手の40周年について説明したのち、芸人の紹介をしてはける。

ハナは三遊亭楽大「つる」。
まあ前座さんらしい感じかな、と。
「楽大」はその昔、今の伊集院光が名乗っていた名前であることを告げると客席がどよめく。
(いまじゃ伊集院も「知性派タレント」でおじいちゃんおばあちゃんにも認知されているらしい)

つづいて、本日一人目の主役、桂ざこば「子は鎹」。
マクラでは、自分が家庭でいかに「迫害」されているかを次々と語る。
その語り口のおかしさはさすが。
「私は自分を客観的に見れるんです」と某前首相のネタも入れつつ。

客の中に、師匠のマクラで出てきた「(ハイヒール)モモコ」「(やしき)たかじん」の
キーワードだけで、会場内の客がほとんどピンと来ない中、おもくそ笑う女がいた。
「関西アピール」すんなよと素直に思う。
(ちなみに師匠は明日大阪に帰り、
午後から「たかじん胸いっぱい」の年末~年始放送分の収録だそうである)

仲入り後、夫婦漫才、大空遊平・かほり。
鈴木アナによれば、遊平は金成出身で、岩手とも縁があるとのこと。
奥さんのかほりがスカシを決めるタイプの漫才。
妻が強い、というパターンはやはり鉄板。きっちりと笑いを持っていく。

トリは2人目の主役、三遊亭楽太郎。
やや風邪気味とのことで、冒頭すこし咳き込む。
ざこばが「妻と別れて、どうせなら楽太郎さんと結婚したい」というボケを受け、
「メトロポリタンホテルで部屋が隣同士なので今夜は気をつけないと」。

済州島でカジノに行くと、汚い関西弁のおやじ二人がいて、
それがざこば兄さんと円広志だった、という話。
「飲む、打つ、買う」は昔、男の素養だった、というところから「明烏」へ。
吉原遊郭を舞台にしたド定番の噺ながら、にやつかせてくれる。

客席にはポツポツとガキんちょも見られたが、
総じて退屈そうだった。
ガキには吉原は早いよなぁ、と思ったが終了は8時ジャストであった。

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