音楽

両国橋

由紀さおりのシングル集のことについて先日アップしたが、
「両国橋」についてはカヴァー曲である、と書いた。

そのオリジナル版である、松平純子の「両国橋」を入手した。
1975年リリースであり、どんなコンピアルバムにも入っていない
レアナンバーである。

入手するには「MEG-CD」というサービスしかない。
レトロコンピCDなどでも取り上げられる例の少ないレコードを
オンデマンドで販売するというもの。
1枚1080円、『サークルKサンクス』受け取りでは送料無料である。
注文から10日ほど待たされ、先ほど受け取ってきた。

Ryogoku
なるほど、オンデマンドらしく、
ジャケットはプリンターで印刷したのが分かる。
CDデザインはレコードのデザインを模したものになっている。
Ryogokub

カラオケは入っていない。カップリングと合わせ、1曲500円。
由紀さおりはダウンロードなら1曲250円だから、単純に倍の値段。
まあ、それくらいのレアナンバーですから…。

で、聞いてみる。
ライトなポップスである由紀さおり版と比較すると、
サビ以降でブラスとベースがガツンと効いた、
言ってみれば「ファンキー」なアレンジである。
ウェットな世界観の歌詞とは明らかにミスマッチなのだが、
そこがある意味、心地よい。

正直、松平の歌声は由紀と比べるべくもなく、
ファンキーな伴奏には負けてしまっている。
なにしろ本業は女優だからしかたないのだが。

か弱い歌い方を、アレンジでカヴァーしたんだろうか、
だからこそ伴奏が印象に残るのだろう。

アウトロで軽快に鳴らされるエレピもシビれる感じで
(誰かが指摘してたことのウケウリだが)、
なかなか、癖になる味わいである。

両者のリリース時期は6年しか離れていないのだが、
聴き比べると全く味わいは異なる。

あからさまにファンキーな松平版に対し、
由紀版は電子ピアノ(エレピではなく)も使われ、軽快な印象。
由紀の歌唱力からすれば、伴奏を重厚にする必要はないのだ。

さて…。
由紀さおりについてはitunesで気軽にダウンロードできるが、
松平純子はそう簡単に聴くことはできない
(実際はとある…まあそういうことだけど、試聴程度に考えてね)。
でも聴き比べると、当時の音楽のトレンドなんかも見えてきて、
非常に興味深い。ちょっとお高いけど、買ってみてね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

由紀さおり Complete Single Box

スカパーの「ファミリー劇場」に加入し、
「ドリフ大爆笑」ばかりを見ている。
加入したときには1979年ごろのものを放送していて、
「バカ殿様」も、もとはこの番組のコントの一つであったことも分かった。

そのバカ殿コントで、志村扮するバカ殿からいつも
年増呼ばわりされる腰元が「由紀さおり」。
ところが調べると当時はまだ32歳ごろ。
なのにどう見ても40代の落ち着きをかもし出している。

毎回、番組後半には本業の歌も披露している。
何度も見ている内に気になってきて、
iTunesでダウンロードしてしまったのが表題のアルバム。

AMAZON(試聴可)

実際は数年前にリリースされた3枚組CDボックスである。
60年代から00年代までのシングルA面作だけが収められている
(ただし最後の1曲だけ、ボーナストラックとしてB面曲)。

解説付きのライナーノーツ(=歌詞ブック)同梱とのことで、
今となっては「やっぱりCDで買えばよかったかな」と少し後悔。

このボックスを聞いて、由紀さおりのイメージがかなり変わった。
それまでは「女優も出来る小器用なオバさん歌手」のイメージしかなかったが、
知られざる(?)「スーパーシンガー」だったのだ。

知っている曲は初期の「夜明けのスキャット」「手紙」くらいしかなく、
それ以外は、大野雄二作の「故郷」を聞いたことがある程度で
このボックス収録作の大半は初めて聴いたものばかり。
ヒット作にはあまり恵まれていない人なのだ
(だからこそバラエティやドラマに精力的に出演できたのかもしれないが)。

通しで聴けば3時間は超えるボックスをずーっと聴いてみた。
なんとも聴き応えのある曲ばかりなのだ。

購入以後、気に入った曲を繰り返し繰り返し再生しているが、
「夜明けのスキャット」も「手紙」も聴かないくらいだ。
(「故郷」は聴きますよ、大野雄二ファンだから)

「ドリフ大爆笑」で80年前後に披露していた曲が個人的にはお気に入り。
「男ともだち」「悲しい悪魔」「両国橋」「ストレート」あたり。

「両国橋」は松平純子のカバー曲で、
吉田拓郎の曲が心地よいライトなポップス。
情景が浮かぶ喜多條忠の詞も良い。

「悲しい悪魔」もフリオ・イグレシアスのカバー曲。
ハイトーンに至るメロディは歌唱力を求められるが、さらりと歌いこなしている。
「ストレート」は一転して寂しげなフォークで、
ビブラートを一切効かせていないところに技量の高さを感じる。

時代はさかのぼるが、
70年代は(単純にリリース数も多いというのもあるが)より充実したラインナップ。

これまた吉田拓郎による、CMソングのような
キャッチーなフレーズの連続で引きつける「ルームライト」、
叙情的なメロディが印象的な「みち潮」、
都会的なアレンジが聴かせる「トーキョー・バビロン」…。

「かたちばかりの幸福」は、由紀本人の私生活を投影しているような歌詞でこれも印象的。

由紀は20歳で年上のディレクターと結婚したが、早々にすれ違いを起こし、
7年で別居、さらに7年後に離婚している。
30代前半で容貌に貫禄をたたえるようになったのは
そういう苦労もあったからだろうが、
アルバムを聴く限り、歌手としてはより脂が乗っていく。皮肉なものである。

芸の幅の広さを感じさせるものとして、
小唄・端唄調、はたまた演歌調のヨナ抜き曲も少なくない。
70年代の「恋文」、80年代「木遣り育ち」、00年代「酔って膝まくら」などなど。
なかでも「矢車草~夢二のおんな」は疑いようのない演歌だ。

ポップス歌手のイメージが強いが、
日舞のBGMとして使われるような舞踊歌謡については
(このCDには入っていないが)70年代からすでに取り組んでいたようである。
近年も「お江戸でござる」のレギュラーを務めていた関係で、
演歌調の曲をリリースしているが、「お手のもの」といった印象だ。

「渥美地方の子守唄」「赤い星・青い星」は「みんなのうた」採用曲。
後者は竜崎孝路のアレンジも素晴らしく、
ある夜にほろ酔い加減で聴いていたら、
不覚にも涙が出てきてしまった(年だね…)。

作家陣は実に豊富。
吉田拓郎、谷村新司、南こうせつ、伊勢正三、
玉置浩二、宇崎竜童といった有名ミュージシャンが提供しているし、
作曲家・作詞家を見ても、岩谷時子、なかにし礼、
山上路夫、久世光彦(小谷夏/市川睦月名義)、すぎやまこういち、
平尾昌晃、阿久悠、秋元康、船村徹とそうそうたる面々が揃う。

吉田正に至っては、「彼女の曲を作りたい」と
東芝EMI(現在のユニバーサル)所属の由紀に、
ビクター所属の吉田御大からオファーをかけ、
特例として「お先にどうぞ」をビクターからリリースしたのだそうな
(そのため、iTunesでは「お先にどうぞ」がアルバムに含まれていないが、
単独ではダウンロード可能)。

多岐にわたるジャンルを縦横無尽に歌いこなす
由紀さおりのスーパーシンガーとしての実力を、
これでもかと思い知らされるボックスであった。

先日、テレビのインタビューで話していたが、
「紅白に落選したことが、姉(声楽家・安田祥子)との
活動に取り組むきっかけとなった」という。
以後は姉と童謡コンサートに力を入れるようになり、今に至るのだが、
本来の「流行歌手」としても、まだまだ忘れられてはならない存在だと思う。

「夜明けのスキャット」で一発屋的扱いをされることもあるが、
非常にもったいない。

近年、アメリカのジャズバンド「ピンク・マルティーニ」との共演アルバムが
iTunesで配信され、海外で話題を呼んだことは記憶に新しい。
世界で認められる歌声なのだ。

少しでも多くの人に彼女の曲を聴いて欲しいと願う次第である。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

小林亜星CMソング・アンソロジー

ほしいほしいと思っていたCDがようやく手に入った。
12年前のCDなので、年代ものといえば年代ものだが。

小林は、俳優活動もしていたこともあり、
作曲家としてはあまり評価が高くない。

近年は(このCDにも収録されているが)「どこまでも行こう」での係争や、
実子が逮捕されてしまったり、いい話題はなく、
また本業でも(俳優としても)目立った活動はない。

ただ、60~70年代を中心に、商業音楽で多くの業績を残しているのは確かで、
その時期の作品が、このCDには多く収録されている。

1番目に収録されているのがレナウンの「ワンサカ娘」で、'64と銘打たれており、
実に50年前の作品である。キャリアは長い。

歌謡曲では都はるみ「北の国から」というヒット曲もあるが
(個人的には「警視庁殺人課」のテーマは大好き)、
このCDでも、弘田三枝子や朱里エイコ、デューク・エイセス、ハニー・ナイツといった
メジャーな歌手・グループを起用した作品が多い。

インストでは、「ホンダ」「サントリー」「ダーバン」などが収録されているが、
(時代もあるが)ジャズの要素がふんだんに織り込まれている。
一方で、「日立企業編」などはクラシック音楽の素養が生かされた作風だ。

そして近年の作品「さいでりあ」「ファミリーマート」などは
時代に合わせたポップスの作りとなっており、
小林の幅の広さを感じさせる。

(ファンなもので)どうしても、同じ慶大の大野雄二と比較してしまうのだが、
職人肌の大野と比べると、小林は手数の豊富さが目立つ。

たとえば「ダーバン'77・ジタンの香り」などは大野作品かと間違えてしまいそうだが、
シンセの使い方に微妙な差異が見られる。
後年になると電子楽器の使い方にも巧みさが見られ、
時代に敏感にあわせる柔軟性がうかがえる。

「不二家」は不祥事の末に他企業の傘下となり、
「レナウン」は中国企業傘下になった。
「カメラのさくらや」に至っては会社もなくなってしまった。
「さいでりあ」も(現在は別企業が商標を引き継いだが)倒産している。
50年もキャリアがあれば、クライアントも変わろう。

ただ、「ファミリーマート」「積水ハウス」「クラシアン」は今でも使われているし、
日本生命」などはリバイバルして再びCMに採用されたりもしている。

ほかにも加藤登紀子が演歌調メロディにトライしている「大関」、
長らくCMに使われた「日立の樹」など、
今は耳にしないものの、人々の心に残り続けている曲も小林は創作してきた。

先述通り、近年は目立った活動はないが
小林には元気なうちにまたユニークなCMソングを書いてもらいたいと思う。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

あまちゃんオリジナルサウンドトラック



「あまロス」の諸兄。
常日頃より録画した映像を見ては
ハンカチをかむ日々を送っていることと思うが、
テレビ番組から流れてくる「あまちゃん」のBGMに、
懐かしさがこみ上げる人も少なくないだろう。

「あまちゃん」の音楽を余すところなく(実際はかなり余しているそうだが…)
収録したサントラ集が、ビクターから2枚リリースされている。

まだ郷里編を放送中だった6月リリースの
「オリジナルサウンドトラック(以下便宜上「1」と表記)」、
最終回の近づいていた9月中旬リリースの
「オリジナルサウンドトラック2」である。

聴くと、「あぁ、こんな曲あったな」とか
「あの場面でかかっていたな」と、
ドラマが放送されていた頃にタイムスリップしたかのような、
錯覚に襲われる(大袈裟ですかね)。

音楽を担当した大友良英は、
「ノイズミュージック」という即興性音楽の演奏で知られている。
映画の劇伴の仕事も多く手掛けるが、
テレビでの仕事はもっぱらNHKが多いようである。

自分もこの番組で初めて聞いた名前であったが、
いやはやこの大友という作曲家、凄い人だと心底思う。

若き日には海外でバンド活動にもいそしんでいたとのことで、
音楽的素養の豊かな人物のようであるが、
かなり広いジャンルの音楽に精通しているようだ。

サントラの曲タイトルからもうかがえる。
「ブルース」「マーチ」「ワルツ」「スカ」
「デキシー」「サンバ」はまだなんとかわかるが、
「クレッツマー」「ラグタイム」は「なんじゃそりゃ」である
(クレッツマー=クレズマーはなんとなくわかってはいたが)。

「あまちゃん」の面白さは、雑多なジャンルの音楽要素を
身にまとった劇伴によって、彩られていたのだろう。

大友が作曲していない曲が、含まれている。
それが「いつでも夢を」と、「星めぐりの歌」。

「星めぐり」はライナーノーツに書かれている通り、
宮沢賢治が作曲したものである。
ドラマの中では、祖父・忠兵衛のシーンで印象的に使われた。
郷愁を帯びた独特のメロディ。
これを採用した大友の慧眼にも恐れ入るところである。

ほかにも、「探偵物語」へのオマージュなどもあって、
ホホーと感心させられたり。

CDに収められている曲は、
ほとんどがアコースティック、楽器演奏による曲である。
打ち込みなどの電子楽器音はあまり使われていない。
しいて言えば電子ピアノ、エレキギター程度。

打ち込みでは難しい「変拍子」の曲もあって、
ドラマに緊張感を与えていたのかな、とも思う。

そうそう、エレキと言えば、脚本を書いたクドカン、
宮藤官九郎も、エレキで演奏に参加している曲がある。

宮藤も音楽についての知識は人並み外れたものがあることは
脚本家らも伺い知れた。
そりゃ、音楽でも楽しめるドラマになるはずである。

CD全体を通して聴いていくと、
おなじみのテーマ曲を主題にしたものが多く、
同じようなメロディが続けて使われているので、
2の後半にもなってくると
「またそれか」と思ってしまうところはあるが、
そこは目をつぶって、1・2通して聴いてみてもらいたい。

「あまちゃん」がいかに楽しく、切なく、
滋味深い作品であったか、実感できると思うのである。

「あまロス」解消、というより、
これを聴いて「あまロス」をこじらせてほしい…、
番組ファンの切なる願いである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

布施明に見る「演歌フュージョン」

先日、森川由加里と高齢結婚をこなして話題になった布施明。
歌唱力に定評のあるシンガーである。

以前、廉価版のアルバムを買ったのだが、
全部、後年録りなおした曲ばかりで少しがっかりしたことがあった。
まあそれでも布施の歌唱力を堪能するに不満はなかったのだが。

今般の「ご成婚記念」に、やはり廉価版だったが
ベストアルバムを買い求めたところ、
今回は「当たり」。全曲オリジナル版であった。

布施がデビューしたのは60年代。
ということで、「恋」「霧の摩周湖」あたりは
かなりイントロも曲調もそれなりに時代めいている。

…というか、「演歌っぽい」。
今でいえば演歌のセンスなのだな。

当時の五木ひろしや森進一も、たしかこんな感じの曲を
歌っていたはずである。

思うに当時の歌謡曲市場は「ポップス」「演歌」に
明確に分かれていなかったはずだ。

欧米の音楽からもろに影響されているグループサウンズですら、
ムード歌謡との境目があいまいだったのだ。

それが、徐々に「演歌」「ポップス」に、それぞれ「進化」していった。
生き物が爬虫類や哺乳類に分化していったように。

布施はその後「これが青春だ」以降、「愛の園」「積木の部屋」「シクラメンのかほり」と、
演歌色を失っていく。

逆に五木や森は、演歌に「純化」していくのだ。
この演歌とポップスの分化は、のちの演歌の「退潮」を呼んでもいる。
そして勝ち組の「ポップス」でさえも…。

80年代の歌番組では、普通に演歌歌手が混じって
歌を歌っていた。「国民的ヒット曲」も、
演歌からも普通に出ていた。
いまや、ポップスからもヒット曲は出ないが…

別に、布施明に「演歌っぽい曲」を歌ってほしいわけではないが、
また以前のように「ボーダレス」化された
「演歌フュージョン」が歌われるようになると、
業界の活性化にもなっていいのかな、と思う。

ポップスから演歌に近づくのはいきなりは難しいと思うので、
演歌からポップスに歩み寄ってみたり、とか…。

ジェロとかAKBの岩佐未咲とか、まだまだクロスオーバーは生ぬるい。

65歳で布施明が再婚したように、
演歌とポップスももう一度よりを戻してみてほしい、と思うのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アニソンワールド2012inえさし

すでに1週間経過しているが、備忘録として…。
11月25日、奥州市江刺区「ささらホール」にて観覧。
チケットはもうだいぶ前に確保してあった。

ささきいさお、水木一郎、堀江美都子のアニソンの大御所3名がそろい踏み、という
なんとも豪華なステージである。

会場となる奥州市江刺区(以前の江刺市)といえば
「ド田舎」「田んぼ」のイメージ。
盛岡市も似たようなもんだがね。
岩手県南部にあたるが、盛岡市からは意外に近く、車で90分で到着。

ささらホールは後方座席のみ据え付けで、
チケットを取った前方座席はフラットフロアにイスを置いた形であった。
座席に座ると、前の列3名が絵に描いたようなデブのヲタク。
しかも体デケーし、アタマもデケーし…
ただ、イスの配置の絶妙さか、ステージ上の歌手はなんとか見えた。

ロックライブのように照明ビカビカ、音響ガンガン、
なのに歌うのはアニメソング…ということで、
独特の空気感と高揚感が会場を包み込む。

E.YAZAWAのライブよろしく、
曲に合いの手を入れたり、拳を突き上げたりするのを
強要される感じなのかな…と思っていたが、
確かに「お約束」をやるファンもいた。

ただ場所柄か、それとも空席埋め動員か、
年齢的にちょっと上に見える奥さま方や、
どう見ても場違いな爺さんとかもちらほら見かけたので、
「お約束」をやらなければいけないような感じはなかった。

「アニキ」水木一郎はテレビでも何度もお見かけするが、
おしゃべりは確かにあのまんまのC調な感じ。
しかし歌に入るとこれが凄い。
「マジンガーZ」「コン・バトラーV」なんて、
何十年も前の歌なのに、声質が変わってない。
しかもそんなアップテンポな曲をバンバン歌うんだから。

「ミッチ」堀江美都子も凄かった。
高校生(だったかな?)のときに歌った「アクビちゃん」、
つまり「ハクション大魔王」、恐ろしいほど昔のアニメだ。
そこから今の年齢をある程度類推できるわけだが、
ティンカーベルのような衣装を着こなし、
弾けるような高音を響かせる。
「動」の水木アニキに対し「静」で見せていた。

「動」というより「堂々」だった、ささきいさお。
すでに70歳というが、
腰回りキレッキレのダンスがすさまじかった。
やはりゆったりした曲を中心に選んでおり、
期待していた「ジャッカー電撃隊」はさすがに歌ってくれなかったが、
「新造人間キャシャーン」は、納谷吾朗のナレーションまでやってくれた。

「プロゴルファー猿」(水木)は、
岩手だと放送当時はやってなかったな…とか、
そんなことも思い出しながら。

♪ま~どをあけ~ましょ、ルルール、
「サザエさん・火曜版」(堀江)については
岩手県ではフジ系が開局するまで本放送版をやっていなかったので、
非常に耳なじみがあった。

デュエットコーナーでも楽しませた。
もちろん功兄&ミッチは「ゴレンジャー」であった。

最後はお約束のアンコールで3人が勢揃いして
「宇宙戦艦ヤマト」を歌って幕。

「東北合神ミライガー」を披露した水木アニキ、
秋田のヒーローもの「超神ネイガー」の主題歌も歌っており、
東北地方への思い入れはひとしおのようで、
トークでも震災のことについて触れていた。

いさお兄は何度も歌詞を間違え(これもお約束だそうだ)、
水木アニキにやんわりツッコまれ
「水木はプロンプターを見てるから間違えないんだ」と逆襲されるなど、
楽しい楽しい2時間であった。
また来てほしいねぇ。

(補足)1週間経過したのでほとんどうろ覚え。
細かい構成は、神戸でのコンサートの様子を紹介している
天下御免のすっとこどっこい」を参照のこと。
桜 稲垣早希が出ている以外は構成は大体同じである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

愛のメモリー35th Anniversary Edition

Aino1

松崎しげるのシングル。
価格はシングルなので1000円。なのに14曲入りとは、これいかに…

実は、このCDに入っている曲は全部「愛のメモリー」である。
正確に言うと、1曲だけタイトルが「愛の微笑」となっているのだが、
これは「愛のメモリー」の原曲で、
歌詞が一部入れ替わっているだけで、実質同じ曲である。

1曲目が新録「愛のメモリー2012ver.」、
2曲目も新録の「愛のメモリーBossa ver.」。
そこからずーっと、「愛のメモリー」だけが続く、という、
聞く人によっては「地獄」そのもののCDである。

聴き比べて楽しもうと思っても、
「愛の~♪」を聴くと、「またか」と思ってしまう構成。

しかもたちが悪いことに、マツの歌唱力はあまり「衰え」がない。
35年前(「愛の微笑」は37年前)にはすでに歌い方は完成されていて、
編曲のアレンジを手を変え品を変えしているだけに聞こえなくもない。

まあグダグダ言ってはみたものの、
よくもまあこれほどアレンジを変えられるもんだ、と感心もする。
そしてそれにイチイチ応えていくマツの表現力。

マツは衰えてない、と書いたが、
その衰えなさっぷりにも、ただただ感嘆するのみだ。

「芸能界・夜の帝王」の座を火野正平と争っていた頃の、
みなぎるシゲルツリーのブラックエキスが、
スピーカーからあふれ出さんばかりである(何を言っているんだ)。

圧巻なのは9曲目の2003年のライヴ版。
生歌だと、普通は音程がズレたりするものだが、
マツの場合はそれがない。
とにかく「シゲル・マツザキ」の歌唱力に、圧倒されるのみ。

しかしこのジャケットのダサさはなんとかならなかったのか(笑)。
35年前の「愛のメモリー」シングルのデザインを元にしたものだが、
とってつけたような東京スカイツリーの前にたたずむ
真っ黒けのジイサン…なんとも申し上げにくい悪ノリである。
まあ、35周年も今だけ、スカイツリーも今年初物、と来れば、
今やらずしていつやるのか、ということならしょうがないか。

Aino2

なお、CDのデザインもレコードそのもので、
「タイムカプセル」っぷりは徹底している。

歌唱力は変わってはいないけれども、
37年前の「愛の微笑」は、さすがに技巧も甘めで、声も若々しい。

これからも変わらぬ「褐色の肌」と「暑苦しいほどの歌唱力」で、
元気のないニッポンに、「愛」を注入し続けていってほしい。
ビバ! しげる!


| | コメント (0) | トラックバック (0)

ケーシー高峰ゴールデンベスト

ゴールデンウィークに放送された、
NHK-FM「今日は一日爆笑コミックソング三昧」。

お里が知れる趣味の人間ゆえ、
半分程度は既知の曲であったが、
コミックソングの範疇に入れるのはどうか、という曲も含め
収穫のある番組であった。

その中で一番の収穫が、
ケーシー高峰「そりゃあないぜセニョリータ」。

当時36歳、脂ののりきったケーシーが、
自信過剰っぷりな芸風そのままの世界観で、
「自称モテ男」の哀感をハツラツに表現した佳曲であった。

ケーシーの歌の世界に俄然興味が湧き、
速攻でこの「ケーシー高峰ゴールデンベスト」をネット購入した次第である。
Kc1

昨年11月末に発売された比較的新しいもの。
Wikipediaのディスコグラフィを見たところ、
70年代リリースされた「替え歌」のアルバムの曲と、
その後のシングルの曲を集めているようである。

というわけで、トラックの前半は替え歌中心。
藤圭子(「夢は夜ひらく」「新宿の女」)、
ドリフターズ(「ズンドコ節」「いい湯だな」)などのナンバーを、
ケーシー流に料理している。

基本的には助平男、サラリーマン、世相などが題材である。
正直言って、歌詞の完成度はさほど高くない。(笑)
ケーシーの歌のうまさと、
歌詞の合間の合いの手のいかがわしさを堪能するものと心得たい(?)。

歌詞の中に織り込まれた「スモッグ」「黒い霧」、
現在「ソープランド」と呼ばれる施設を示す某国名など、
時代を感じるキーワードには、ノスタルジーを感じる。

やや拍子抜けしたのは、このアルバムに収められた
「そりゃあないぜセニョリータ」も替え歌、という点。
元歌もヒットしたわけでもないのに…。
しかも替え歌のほうの歌詞の完成度もイマイチだし。

まあそれはおいとくとして、
「そりゃあないぜセニョリータ」でも頻出する「ズージャー語」が
「ナオン」「グンバツ」など複数の曲で出てきて、
ケーシーのいかがわしさは、十分堪能できる。

いっぽう、CD後半に収められているオリジナル曲に関しては、
静かな曲調の歌謡曲・フォーク系統が中心。
CD前半の替え歌でビンビン感じられた、
ケーシーのいかがわしさは一転してなりをひそめる。

そんな中でもケーシー色の強いものもあり、
出色の作品が「いこうぜセニョール」。

作詞はあの富永一朗。
いかがわしさの二大巨頭が個性をぶつけ合った結果、
ものすごい作品に仕上がった、と言えよう。

曲調は「セニョール」だけにスペイン音楽風で進行し、
ケーシーの「いこうぜセニョール!」のかけ声とともにマーチに変貌、
女声コーラスの「ベッカンコー!」の合唱とともに
またフラメンコ調に戻っていく巧みな構成にはただただ唸るのみ。
なお作・編曲は「ハニー・ナイツ」のリーダーであった葵まさひこである。

「太郎と花子(サラポニタン)」もなかなかの曲。
アフリカのシャーマンの呪文のような一節をリフレインしながら、
男女が子どもの頃に出会い、結婚するまでを陽気に描く。

こういういかがわしい空気感を持つ芸人というのは最近見ない。

アディオスだのグラッチェだの言いながら
「いかがわしい医者まがい」の空気感をビンビン出しまくりつつ、
エロ漫談を繰り広げたケーシーの世界観にどっぷり浸かれる、
ナイスなCDである。

Amazonや楽天などには在庫がふんだんにあるようなので、
ご興味ある方はご家庭に一枚どうぞ。
Kc2


| | コメント (0) | トラックバック (0)

恥ずかしい趣味

美容室で髪を切ってもらう
(髪を切ってもらうなんて表現がオッサンであるが)。

美容師の店長(♀)に「普段どんな曲を聴いているんですか」と訊かれた。
めんどくさくて「音楽は聴かないね~」なんて答えてしまった。

「ちょっと恥ずかしいけど、『ゆず』がいいよね」とか、
「EXILEってパフォーマンスもいいけどやっぱサウンドなんだよ~」とか…
言ってみてぇー!(古いっ)

テレビのサントラしか聴かない、とくに刑事ものが、とか、
「ルパン三世」の大野雄二がいいとか、
三遊亭円丈や春風亭昇太の新作噺がiPodにしこたま入っているとか、
アマン」「池上線」「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」が
同じプレイリストに入ってるとか、
もう説明したくもないじゃないですか。

あぁ、つくづく恥ずかしい趣味だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第43回年忘れにっぽんの歌

(テレビ東京系、BSジャパンで2010年12月31日17時~21時30分放送)

さあ、今年も始まった「民族の祭典」。

五反田ゆうぽうとは今宵、“食べるラー油”よりも
トゥーホットでカロリーオーヴァーな空間に変貌する。
六本木に池上彰が7千人いたとしても、全員が五反田にかしずく一夜の始まりだ。

おとぎ話のようなセットに、色とりどりのスポットライトが浴びせられる中、
ファーストインパクトは故・星野哲郎作詞、水前寺清子「365歩のマーチ」。
カメラはステージ上からチータを映し、チータは客にケツを向けて歌う。

こまどり姉妹や畠山みどりといった「現代のディーヴァ」がステージ上で後光をきらめかす。
渋谷組(つまりNHK紅白歌合戦の出場者。以下、(RW)で表示)も勢揃い。

司会は今年も徳光和夫、竹下景子、中山秀征。
この3名はすっかり定着してしまった感があるな。

2発目は島倉千代子「人生いろいろ」。フルコーラスで“熱唱”を期待するも、
きょうのお千代さんは元気なく、音程もテンポも合わず、声量もない。
化粧も心なしか厚め。体調が芳しくないのか。
来る2011年がどんな年になるのか、思いやられる…。

(RW)中村美律子「河内酒」。おとこ節ではありません。
イントロの最中、美律子がショウガにハマっているとか、
どうでもいい情報を伝えるヒデちゃんが余計で素敵。
ステージ奥のLEDパネルは何を考えているのか、「赤と白のちょうちん」の絵を表示している。

今年は曲名が右上に常時表示、助かります。

(RW)細川たかし「心のこり」。頭の上に碁石をのっけたようなヘアスタイルで、
「円天騒動」を反省するようにも聞こえる歌詞を歌いきる。

(RW)石川さゆり「風の盆恋歌」。渋谷組はさすがにあちらと違う歌をセレクトしているな。

(RW)森進一「冬のリヴィエラ」。
シワくちゃをメイクでごまかしているのが丸わかり。ハイビジョンの非情。
ウェディングドレスのような白い衣装を着たダンサーたちが華麗に舞い踊る。

アゴの突き出たダンサーもいる。
今年も「魅惑のモナムール」が喜ぶだろう。
(あ、あそこは広田三枝子が出ないと取り上げないのかな)

CM明け、徳さんがチリ落盤事故や衛星はやぶさの快挙を自慢げに紹介すると、
(RW)氷川きよし「きよしのズンドコ節」。
客席のババアが「キヨシー!」とペンライト片手に叫ぶ。

(RW)水森かおり「釧路湿原」。
徳さん、自分の番組で取り上げたこともあり思い入れたっぷりの紹介。
ご当地ソング女王であり、渋谷では「松島紀行」を歌うとのこと。
オファーが殺到しており、曲を書いてくるお節介もいるらしい。

(RW)坂本冬美「夜桜お七」。さすがに、また君に恋はしないようだ。
「しゃくら、しゃくら、ふぁ゛~なふぅ゛~ぶ~き~」とダイナミックな歌声を
五反田に残し、北西へ向かっていった。

(RW)小林幸子「おもいで酒」。幸子の最初のヒット曲。
今年は「舞台装置対決」の「呪縛」から逃れられた安息感を全身から漂わせる。
LED電球もよろしくね、と言いながら、舞台装置の動作確認で頭がいっぱいの幸子であった。

(RW)伍代夏子「恋ざんげ」。
加ト吉が消滅し、縁起の悪い年だった。
来年は杉良と愛を語って良い年にしてくれ。

(RW)川中美幸「ふたり酒」。ミセスウンカイが今日も吼える。
今年もいろんな人が捕まったが、夫はウズウズしてないだろうね。

(RW)天童よしみ「珍島物語」。マツコ・デラックスのハーフサイズ。
画面いっぱいにひろがるよしみの顔を見ながら、
明日からどうやって餅を食べようか考えるのも一興。

(RW)五木ひろし「凍て鶴」。着流しで登場のひろし。
こんなダンサブルなステージングは…もうできないだろうな。

渋谷組の在庫を整理したところで、ディープ・ゾーンへ突入。
今年も山本リンダがウララウララと「狙いうち」を、
信濃町方向に向けて熱唱。

ヒデちゃんが適当な司会ぶりを披露した後、
園まり「逢いたくて逢いたくて」青いドレスが年齢に合わず色っぽい。

さあ、今年一般社団法人化した「日本歌手協会」の
初代代表理事であらせられる田辺靖雄御大が登場。
「二人の星をさがそうよ」を、ピンクのドレスのダンサーを従えて歌う。
残念ながら、番組エンディング恒例の日本歌手協会幹部コーナーは廃止された模様。

なんとこのタイミングで(RW)北島三郎が
原田悠里、北山たけし、和田せいじを引き連れて堂々の登場。
今年も「まつり」から、「サブ・ベスト・ソングス・4」。

まずは北山たけし「薩摩の女」。パパがすぐそばで見守りながら歌うたけしの姿のさらに背後には、
進行表のことばかり考えている徳さんが映ってた。

和田青児「兄弟仁義」。
間奏中サブちゃん「徳光さんが『セイジ』って呼んでるよ」。

原田悠里は「歩」。案外ハマっている。

最後はサヴィが自ら「夫婦一生」を歌う。
妻に感謝する内容。八王子市民歌にすべき。

北島が北に向かったあと、徳さんヒデちゃん2ショットで
「ムード歌謡コーナー」突入宣言。

純白のスーツと、派手すぎるネクタイでめかし込んだ面々が登場、
これがあの敏いとうとハッピー&ブルー。歌うは「星降る街角」。
リードヴォーカルが変わっており、手もとにある音源とはだいぶ印象が異なる。
っていうかジイさんだな。(笑)
このグループの最大の魅力は、敏いとうが声を張らないことであろう。

引き続き「わたし祈ってます」。
敏いとうは失踪することもなく、2曲の間、ドスをきかせ続けた。

マヒナスターズ「泣かないで」。
魅惑のファルセット、哀愁のスティールギターが、
ゆうぽうとを60年代のビアガーデンに変貌させる。

長保有紀をヴォーカルに迎え、ハマクラの名曲
「愛して愛して愛しちゃったのよ」。
爺さんが集まって歌う歌かねこれは。(笑)

カメラに映った徳さん、今度は軽く口ずさんでみせるパフォーマンス。
ヒデと「おい映ってるぞ」と軽く打ち合わせる場面も。

永山こうじとロス・プリモス「ラブユー東京」。
新リーダーの永山がゴルフ焼けの顔で存在感。
さらに岡ゆう子を加え「たそがれの銀座」。

ロス・インディオス「コモエスタ赤坂」。
暮れゆく年を「スナック色」に染め上げる。
ちなみに現在のロス・プリモスの永山こうじは元ロス・インディオスである。

「別れても好きな人」アリシア(誰?)を加え。
ああ、追いつかなくなってきた…。
「笑ってはいけない」が録れていないことがわかり、
あせってDVDをセットし直していたからだ。

鶴岡雅義と東京ロマンチカ「小樽のひとよ」「君は心の妻だから」
ムード歌謡を演歌の方程式で解いてみせる。

怒濤のムード歌謡コーナーの後はしっとりと「三味線姉妹」、こまどり姉妹。
もう声も顔も婆さんなのだが、いつまでこまどれるのかが楽しみなところ。

「姿三四郎」姿憲子…はじめて聞く名前だが、ものすごい声で応援する観衆が一人。
低音は怪しいが、堂々とした歌いっぷりが印象に残るオバさんである。

さあ今夜も登場! 畠山みどり。おなじみ「恋は神代の昔から」で
ショッキングピンクの着流しに身を包み、金色の扇子を振り回しながら、
「♪恋はニキビのようなもの」…もう出ないでしょう(笑)

続いてもう一人のみどり、五月みどり「おひまなら来てね」。
相も変わらぬ美しさ、熟女Bは今夜もフェロモンムンムンである。
なお、本名は「面高フサ子」であるから注意されたし。

ザ・ビッグネーム平尾昌晃のオンステージ。一夜だけ、五反田に日劇が復活だ。
「二人でお酒を」を小柳ルミ子とともに。

竹下が平尾を紹介したあと、ルミ子「わたしの城下町」。
あぁ、高音が苦しそうだなぁ…。光陰矢のごとし。見てるか、賢也。

平尾昌晃ヒット曲メドレー。各曲ワンコーラス。
自身が歌い、MCも務める。
「グッド・バイ・マイ・ラブ」アン・ルイスが元歌。
松崎しげるも歌ってたね。

「アメリカ橋」元歌は山川豊。シャレた雰囲気でヒットした。

トランペットが「必殺」のテーマを奏でると、
「旅愁」元歌は西崎みどり。

そういえば「必殺」のトランペット、
「あのメロディは僕が考えたんですよ」と京本政樹が自慢げに言ってたけど、どうなんだろうね。
もし政樹がオシロイはたきながら考えたメロディだったとしても、
言わないほうがかっこよかったかもね。

「よこはま・たそがれ」元歌は五木ひろし。
山口洋子との初コンビだったとのこと。
独特の色気のある歌い方。

「霧の摩周湖」元歌は布施明。
必死に歌いこなそうとする昌晃。
それくらい難しい歌を明のために書いたんだなぁ。
しかし最後は自ら見事に歌いきった。
ロカビリー三人男の称号は伊達じゃない。

昌晃自身の呼び込みで、プロデュースする「葵と楓」「イブニング・ダンディーズ」が登場。
全員で「カナダからの手紙」を歌う。
葵と楓は子供だな…。元歌の畑中葉子はこんな歌を歌ってるんだが。

色とりどりの極彩色のスーツを着こなしたイブニング・ダンディーズは歌わないで踊るのみ。
おやじダンサーズをさらに色物っぽくしたような感じである。

ヒデが似てない長さんのモノマネで登場すると、
「8時ちょっと前だよ!」と書かれたヘンなハッピを着て、加トちゃん登場し
“加藤茶オンステージ”がスタート。

ヒデが志村役になり「ヒゲダンス」。
おなじみ「リンゴをサーベルに刺す」芸を、コント仕立てで披露。
ナベプロに伝わる“かくし芸イズム”はかくしてテレビ東京に継承された。

ヒゲダンス用のレンガ模様の壁が上がっていくと、
ステージ上にはおなじみ「ドリフ模様」の描かれたパネルが。

そろそろ時刻は7時半、渋谷で「もう一つの国民の祭典」が始まった頃、
ヒデと加藤はのんきに「加トちゃんペ」の秘密を語り合っていた。

そして渋谷で「嵐」が石川遼をステージに呼び込んでいる時刻、
五反田では加藤とヒデがハゲヅラかぶって「あんたも好きねぇ」コントを繰り広げていた。

ドリフメドレー。「ドリフのズンドコ節」「誰かさんと誰かさん」「ミヨちゃん」
「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」…
いずれも加藤がリードヴォーカルを取っていた曲ばかりだが、
何度も歌詞を間違える大サービスも。

ヒデに突っ込まれ、加トちゃん「いや、きょうはNHKに行こうと思った」
「TBSは(全員集合の総集編を)DVD(ビデオ?)でやってる、バカだねぇ」。

ここでデュークエイセス登場し、元祖「いい湯だな」を歌った後、
デュークと加トちゃんのコラボでドリフ版の「いい湯だな(ビバノン・ロック)」を。
「風邪ひくなよ!」「お風呂入れよ!」「また来年!」ここでやはり1回言い間違え。

お疲れなのか、ろくにリハーサルもしなかったのか…
気まずそうな顔の加トちゃんを映し出し、CMに入った。

渋谷ではEXILEが早くも歌っている。
五反田は流行に流されることなく、村田英雄大特集。

過去のVTRで村田大先生をしのぶ。「王将」を流した後、
ステージには山田太郎登場。「俺のボルトを出せ」の逸話を。
まさか「デカ頭コーナー」がここで聴けるとは。

来年引退を決めている二葉百合子御大登場、「花と竜」を朗々と。
渋谷ではAKB48が歌っているが、
二葉御大は48どころかすでに79である。

山田太郎「男の土俵」を堂々歌唱。そういえば五月みどりとは親戚ですな。
ラストは「無法松の一生(度胸千両入り)」のVTR。

続いて、小林旭が登場し、
ここからはプロゴルファー・アキラのワンマンショー。
「さすらい」熱唱の後、徳さんとしばしトーク。

原点は民謡にありますね、という予定調和なトークから、
尺八奏者登場し、「刈干切唄」をアキラひと節うなる。

渋谷では、中村美律子が五反田と全く同じ「赤白ちょうちん」の絵を表示させたLEDパネルをバックに
「河内おとこ節」を飽きずに歌っている。

いっぽう五反田は、アキラが「昔の名前で出ています」。
徳さん「昔のキーで歌ってます」とアキラをほめる。

「熱き心に」フルコーラスで。歌詞を一部間違えるものの、朗らかに歌いきる。
「冬のリヴィエラ」といい、きょうは大滝詠一づいてるなぁ。

過ぎし時代への憧憬、今の時代への皮肉をこめたメッセージを口にしたあと、
「遠き昭和の…」で、2010年のアキラ活動はジ・エンド。

CM明け、二葉百合子御大再度登場。
新曲「百年桜」。御大の見た目にピッタリの曲であるが、
79歳の声とは思えない。サブちゃんだってこんなには…おっとまた口が…。
まさに御大、神々しいステージである。

徳さん「おやめになる決心は…」御大「固いです!!」
歌謡浪曲の後進育成に力を入れるとのこと。

そんな御大に捧げる後輩のステージ、
神野美伽「潔さを見せて頂きました」と「人生一路」をカラッと歌う。
そして大月みやこ「川の流れのように」をしっとりと。

なぜか美空お嬢の唄ばかり続いたが、
最後はビシッと二葉御大。
万感をこめて徳さん「お名残惜しゅう御座いますが『岸壁の母』お願い致します」。

御大、60余年の『集大成』というべき見事な歌唱、そして語りで聴衆を魅せた。
老醜をさらすことなく、有終の美を飾ったわけだ。

普段から大物ぶって、大事なときにカマ掘られたどこかの歌手に聞かせてやりたいものだ。
まあ渋谷で緊張しまくっているところだろうが。

番組は終盤。渋谷では西野カナがキュートに歌う中、
五反田はのんびりと小唄コーナーへ。
城之内早苗「お座敷小唄」。
おなじみ「まつのき小唄」を歌うはなんとチェウニ。日本髪もお似合い。
「三味線ブギ」は西尾夕紀。
次々と衣装を替えながら華麗に踊る花柳社中にも注目である。

最後は香田晋、そっくり仲間のヒデから「マグロ解体免許取得」について紹介されつつ
粋に着流し姿で「皆の衆」。唐揚げ唱法で。提クレでは“してやったり”の表情。

永遠の青年・新沼謙治「嫁に来ないか」。スタ誕から30年、円熟味は増す一方。
ステージにしつらえられたピンク色に輝く豪奢なシャンデリアも、
謙治の背中越しではハト小屋にしか見えないのであった。

タニシみたいなヘアスタイルとデンデラのスパンコールに身を包んだ瀬川瑛子は
「命くれない」。あんなに地デジに貢献したのに、NHKはなぜ瑛子を大晦日に呼ばないのか。

続いては田川寿美「女…ひとり旅」。70年代歌謡の色を残したデビュー曲。
きょうもみりん風味で。

世間的には一発屋扱いの高山厳、今夜も「心凍らせて」。
黒いドレスのダンサーがなまめかしく厳を取り囲む。

しかしきょうの厳は五反田にいる場合ではなく、
このまま六本木に移動して「池上線」を歌うべきであると思ったが…。

三沢あけみ「島のブルース」。指笛の裏で怒声のような応援が…。
あけみファンの根強さよ。

渋谷では徳永英明が「時の流れに身をまかせ」を歌う中、
デビュー35周年、渥美二郎が登場し、「夢追い酒」。
昔のおにぎりはこうやって海苔を巻いたもんだ…と二郎ヘアを見てしみじみ。

二郎フェアなのか、今度は冠二郎「旅の終りに」。
「炎」「バイキング」のラインは歌わないのかなぁ、もう。
せめて「ブラボー酔虎伝」でも…。

私の大事な…三船和子「だんな様」。
容貌がどんどんパワーアップしていく和子。
口の開け方が尋常でない。

たたみかけるように山川豊登場、「函館本線」。
渋谷の放送局は、L'Arc~en~Ciel「BLESS」とともに、
冬季五輪の熱闘の様子を映し出している。
ユタカだってボクシングのプロライセンス持ってんぞ。

さあ、アダルトポップスの真打ち、堀内孝雄「ガキの頃のように」。
今夜も「さんっきゅう!」「ありがとぅー!」でヒゲ年忘れ。
来年の株価は1万3千9百円くらいになればいいなぁ。
徳さん「“ミスター”堀内孝雄!」と声をかける。
ベーヤンと長嶋茂雄と堀内恒夫をごっちゃにしている気が…。

ここ数年は渋谷を離れ、「にっぽんの歌」トリ格の八代亜紀が
「おんな港町」をダンサブルに歌う。磯のにおいで“8”ビート。

ラストは全員で「明日があるさ」(坂本九)。
来年こそは良い年になりますよう…。

AKBもEXILEもいきものがかりも出ないが、
”大人の歌まつり”は今年も健在だった。

最後に畠山みどりがドピンクの衣装に衣替えしたのは、
見逃さなかったぞ…。
いまから来年が楽しみだぜ!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧