(テレビ東京系、BSジャパンで2010年12月31日17時~21時30分放送)
さあ、今年も始まった「民族の祭典」。
五反田ゆうぽうとは今宵、“食べるラー油”よりも
トゥーホットでカロリーオーヴァーな空間に変貌する。
六本木に池上彰が7千人いたとしても、全員が五反田にかしずく一夜の始まりだ。
おとぎ話のようなセットに、色とりどりのスポットライトが浴びせられる中、
ファーストインパクトは故・星野哲郎作詞、水前寺清子「365歩のマーチ」。
カメラはステージ上からチータを映し、チータは客にケツを向けて歌う。
こまどり姉妹や畠山みどりといった「現代のディーヴァ」がステージ上で後光をきらめかす。
渋谷組(つまりNHK紅白歌合戦の出場者。以下、(RW)で表示)も勢揃い。
司会は今年も徳光和夫、竹下景子、中山秀征。
この3名はすっかり定着してしまった感があるな。
2発目は島倉千代子「人生いろいろ」。フルコーラスで“熱唱”を期待するも、
きょうのお千代さんは元気なく、音程もテンポも合わず、声量もない。
化粧も心なしか厚め。体調が芳しくないのか。
来る2011年がどんな年になるのか、思いやられる…。
(RW)中村美律子「河内酒」。おとこ節ではありません。
イントロの最中、美律子がショウガにハマっているとか、
どうでもいい情報を伝えるヒデちゃんが余計で素敵。
ステージ奥のLEDパネルは何を考えているのか、「赤と白のちょうちん」の絵を表示している。
今年は曲名が右上に常時表示、助かります。
(RW)細川たかし「心のこり」。頭の上に碁石をのっけたようなヘアスタイルで、
「円天騒動」を反省するようにも聞こえる歌詞を歌いきる。
(RW)石川さゆり「風の盆恋歌」。渋谷組はさすがにあちらと違う歌をセレクトしているな。
(RW)森進一「冬のリヴィエラ」。
シワくちゃをメイクでごまかしているのが丸わかり。ハイビジョンの非情。
ウェディングドレスのような白い衣装を着たダンサーたちが華麗に舞い踊る。
アゴの突き出たダンサーもいる。
今年も「魅惑のモナムール」が喜ぶだろう。
(あ、あそこは広田三枝子が出ないと取り上げないのかな)
CM明け、徳さんがチリ落盤事故や衛星はやぶさの快挙を自慢げに紹介すると、
(RW)氷川きよし「きよしのズンドコ節」。
客席のババアが「キヨシー!」とペンライト片手に叫ぶ。
(RW)水森かおり「釧路湿原」。
徳さん、自分の番組で取り上げたこともあり思い入れたっぷりの紹介。
ご当地ソング女王であり、渋谷では「松島紀行」を歌うとのこと。
オファーが殺到しており、曲を書いてくるお節介もいるらしい。
(RW)坂本冬美「夜桜お七」。さすがに、また君に恋はしないようだ。
「しゃくら、しゃくら、ふぁ゛~なふぅ゛~ぶ~き~」とダイナミックな歌声を
五反田に残し、北西へ向かっていった。
(RW)小林幸子「おもいで酒」。幸子の最初のヒット曲。
今年は「舞台装置対決」の「呪縛」から逃れられた安息感を全身から漂わせる。
LED電球もよろしくね、と言いながら、舞台装置の動作確認で頭がいっぱいの幸子であった。
(RW)伍代夏子「恋ざんげ」。
加ト吉が消滅し、縁起の悪い年だった。
来年は杉良と愛を語って良い年にしてくれ。
(RW)川中美幸「ふたり酒」。ミセスウンカイが今日も吼える。
今年もいろんな人が捕まったが、夫はウズウズしてないだろうね。
(RW)天童よしみ「珍島物語」。マツコ・デラックスのハーフサイズ。
画面いっぱいにひろがるよしみの顔を見ながら、
明日からどうやって餅を食べようか考えるのも一興。
(RW)五木ひろし「凍て鶴」。着流しで登場のひろし。
こんなダンサブルなステージングは…もうできないだろうな。
渋谷組の在庫を整理したところで、ディープ・ゾーンへ突入。
今年も山本リンダがウララウララと「狙いうち」を、
信濃町方向に向けて熱唱。
ヒデちゃんが適当な司会ぶりを披露した後、
園まり「逢いたくて逢いたくて」青いドレスが年齢に合わず色っぽい。
さあ、今年一般社団法人化した「日本歌手協会」の
初代代表理事であらせられる田辺靖雄御大が登場。
「二人の星をさがそうよ」を、ピンクのドレスのダンサーを従えて歌う。
残念ながら、番組エンディング恒例の日本歌手協会幹部コーナーは廃止された模様。
なんとこのタイミングで(RW)北島三郎が
原田悠里、北山たけし、和田せいじを引き連れて堂々の登場。
今年も「まつり」から、「サブ・ベスト・ソングス・4」。
まずは北山たけし「薩摩の女」。パパがすぐそばで見守りながら歌うたけしの姿のさらに背後には、
進行表のことばかり考えている徳さんが映ってた。
和田青児「兄弟仁義」。
間奏中サブちゃん「徳光さんが『セイジ』って呼んでるよ」。
原田悠里は「歩」。案外ハマっている。
最後はサヴィが自ら「夫婦一生」を歌う。
妻に感謝する内容。八王子市民歌にすべき。
北島が北に向かったあと、徳さんヒデちゃん2ショットで
「ムード歌謡コーナー」突入宣言。
純白のスーツと、派手すぎるネクタイでめかし込んだ面々が登場、
これがあの敏いとうとハッピー&ブルー。歌うは「星降る街角」。
リードヴォーカルが変わっており、手もとにある音源とはだいぶ印象が異なる。
っていうかジイさんだな。(笑)
このグループの最大の魅力は、敏いとうが声を張らないことであろう。
引き続き「わたし祈ってます」。
敏いとうは失踪することもなく、2曲の間、ドスをきかせ続けた。
マヒナスターズ「泣かないで」。
魅惑のファルセット、哀愁のスティールギターが、
ゆうぽうとを60年代のビアガーデンに変貌させる。
長保有紀をヴォーカルに迎え、ハマクラの名曲
「愛して愛して愛しちゃったのよ」。
爺さんが集まって歌う歌かねこれは。(笑)
カメラに映った徳さん、今度は軽く口ずさんでみせるパフォーマンス。
ヒデと「おい映ってるぞ」と軽く打ち合わせる場面も。
永山こうじとロス・プリモス「ラブユー東京」。
新リーダーの永山がゴルフ焼けの顔で存在感。
さらに岡ゆう子を加え「たそがれの銀座」。
ロス・インディオス「コモエスタ赤坂」。
暮れゆく年を「スナック色」に染め上げる。
ちなみに現在のロス・プリモスの永山こうじは元ロス・インディオスである。
「別れても好きな人」アリシア(誰?)を加え。
ああ、追いつかなくなってきた…。
「笑ってはいけない」が録れていないことがわかり、
あせってDVDをセットし直していたからだ。
鶴岡雅義と東京ロマンチカ「小樽のひとよ」「君は心の妻だから」
ムード歌謡を演歌の方程式で解いてみせる。
怒濤のムード歌謡コーナーの後はしっとりと「三味線姉妹」、こまどり姉妹。
もう声も顔も婆さんなのだが、いつまでこまどれるのかが楽しみなところ。
「姿三四郎」姿憲子…はじめて聞く名前だが、ものすごい声で応援する観衆が一人。
低音は怪しいが、堂々とした歌いっぷりが印象に残るオバさんである。
さあ今夜も登場! 畠山みどり。おなじみ「恋は神代の昔から」で
ショッキングピンクの着流しに身を包み、金色の扇子を振り回しながら、
「♪恋はニキビのようなもの」…もう出ないでしょう(笑)
続いてもう一人のみどり、五月みどり「おひまなら来てね」。
相も変わらぬ美しさ、熟女Bは今夜もフェロモンムンムンである。
なお、本名は「面高フサ子」であるから注意されたし。
ザ・ビッグネーム平尾昌晃のオンステージ。一夜だけ、五反田に日劇が復活だ。
「二人でお酒を」を小柳ルミ子とともに。
竹下が平尾を紹介したあと、ルミ子「わたしの城下町」。
あぁ、高音が苦しそうだなぁ…。光陰矢のごとし。見てるか、賢也。
平尾昌晃ヒット曲メドレー。各曲ワンコーラス。
自身が歌い、MCも務める。
「グッド・バイ・マイ・ラブ」アン・ルイスが元歌。
松崎しげるも歌ってたね。
「アメリカ橋」元歌は山川豊。シャレた雰囲気でヒットした。
トランペットが「必殺」のテーマを奏でると、
「旅愁」元歌は西崎みどり。
そういえば「必殺」のトランペット、
「あのメロディは僕が考えたんですよ」と京本政樹が自慢げに言ってたけど、どうなんだろうね。
もし政樹がオシロイはたきながら考えたメロディだったとしても、
言わないほうがかっこよかったかもね。
「よこはま・たそがれ」元歌は五木ひろし。
山口洋子との初コンビだったとのこと。
独特の色気のある歌い方。
「霧の摩周湖」元歌は布施明。
必死に歌いこなそうとする昌晃。
それくらい難しい歌を明のために書いたんだなぁ。
しかし最後は自ら見事に歌いきった。
ロカビリー三人男の称号は伊達じゃない。
昌晃自身の呼び込みで、プロデュースする「葵と楓」「イブニング・ダンディーズ」が登場。
全員で「カナダからの手紙」を歌う。
葵と楓は子供だな…。元歌の畑中葉子はこんな歌を歌ってるんだが。
色とりどりの極彩色のスーツを着こなしたイブニング・ダンディーズは歌わないで踊るのみ。
おやじダンサーズをさらに色物っぽくしたような感じである。
ヒデが似てない長さんのモノマネで登場すると、
「8時ちょっと前だよ!」と書かれたヘンなハッピを着て、加トちゃん登場し
“加藤茶オンステージ”がスタート。
ヒデが志村役になり「ヒゲダンス」。
おなじみ「リンゴをサーベルに刺す」芸を、コント仕立てで披露。
ナベプロに伝わる“かくし芸イズム”はかくしてテレビ東京に継承された。
ヒゲダンス用のレンガ模様の壁が上がっていくと、
ステージ上にはおなじみ「ドリフ模様」の描かれたパネルが。
そろそろ時刻は7時半、渋谷で「もう一つの国民の祭典」が始まった頃、
ヒデと加藤はのんきに「加トちゃんペ」の秘密を語り合っていた。
そして渋谷で「嵐」が石川遼をステージに呼び込んでいる時刻、
五反田では加藤とヒデがハゲヅラかぶって「あんたも好きねぇ」コントを繰り広げていた。
ドリフメドレー。「ドリフのズンドコ節」「誰かさんと誰かさん」「ミヨちゃん」
「ドリフのほんとにほんとにご苦労さん」…
いずれも加藤がリードヴォーカルを取っていた曲ばかりだが、
何度も歌詞を間違える大サービスも。
ヒデに突っ込まれ、加トちゃん「いや、きょうはNHKに行こうと思った」
「TBSは(全員集合の総集編を)DVD(ビデオ?)でやってる、バカだねぇ」。
ここでデュークエイセス登場し、元祖「いい湯だな」を歌った後、
デュークと加トちゃんのコラボでドリフ版の「いい湯だな(ビバノン・ロック)」を。
「風邪ひくなよ!」「お風呂入れよ!」「また来年!」ここでやはり1回言い間違え。
お疲れなのか、ろくにリハーサルもしなかったのか…
気まずそうな顔の加トちゃんを映し出し、CMに入った。
渋谷ではEXILEが早くも歌っている。
五反田は流行に流されることなく、村田英雄大特集。
過去のVTRで村田大先生をしのぶ。「王将」を流した後、
ステージには山田太郎登場。「俺のボルトを出せ」の逸話を。
まさか「デカ頭コーナー」がここで聴けるとは。
来年引退を決めている二葉百合子御大登場、「花と竜」を朗々と。
渋谷ではAKB48が歌っているが、
二葉御大は48どころかすでに79である。
山田太郎「男の土俵」を堂々歌唱。そういえば五月みどりとは親戚ですな。
ラストは「無法松の一生(度胸千両入り)」のVTR。
続いて、小林旭が登場し、
ここからはプロゴルファー・アキラのワンマンショー。
「さすらい」熱唱の後、徳さんとしばしトーク。
原点は民謡にありますね、という予定調和なトークから、
尺八奏者登場し、「刈干切唄」をアキラひと節うなる。
渋谷では、中村美律子が五反田と全く同じ「赤白ちょうちん」の絵を表示させたLEDパネルをバックに
「河内おとこ節」を飽きずに歌っている。
いっぽう五反田は、アキラが「昔の名前で出ています」。
徳さん「昔のキーで歌ってます」とアキラをほめる。
「熱き心に」フルコーラスで。歌詞を一部間違えるものの、朗らかに歌いきる。
「冬のリヴィエラ」といい、きょうは大滝詠一づいてるなぁ。
過ぎし時代への憧憬、今の時代への皮肉をこめたメッセージを口にしたあと、
「遠き昭和の…」で、2010年のアキラ活動はジ・エンド。
CM明け、二葉百合子御大再度登場。
新曲「百年桜」。御大の見た目にピッタリの曲であるが、
79歳の声とは思えない。サブちゃんだってこんなには…おっとまた口が…。
まさに御大、神々しいステージである。
徳さん「おやめになる決心は…」御大「固いです!!」
歌謡浪曲の後進育成に力を入れるとのこと。
そんな御大に捧げる後輩のステージ、
神野美伽「潔さを見せて頂きました」と「人生一路」をカラッと歌う。
そして大月みやこ「川の流れのように」をしっとりと。
なぜか美空お嬢の唄ばかり続いたが、
最後はビシッと二葉御大。
万感をこめて徳さん「お名残惜しゅう御座いますが『岸壁の母』お願い致します」。
御大、60余年の『集大成』というべき見事な歌唱、そして語りで聴衆を魅せた。
老醜をさらすことなく、有終の美を飾ったわけだ。
普段から大物ぶって、大事なときにカマ掘られたどこかの歌手に聞かせてやりたいものだ。
まあ渋谷で緊張しまくっているところだろうが。
番組は終盤。渋谷では西野カナがキュートに歌う中、
五反田はのんびりと小唄コーナーへ。
城之内早苗「お座敷小唄」。
おなじみ「まつのき小唄」を歌うはなんとチェウニ。日本髪もお似合い。
「三味線ブギ」は西尾夕紀。
次々と衣装を替えながら華麗に踊る花柳社中にも注目である。
最後は香田晋、そっくり仲間のヒデから「マグロ解体免許取得」について紹介されつつ
粋に着流し姿で「皆の衆」。唐揚げ唱法で。提クレでは“してやったり”の表情。
永遠の青年・新沼謙治「嫁に来ないか」。スタ誕から30年、円熟味は増す一方。
ステージにしつらえられたピンク色に輝く豪奢なシャンデリアも、
謙治の背中越しではハト小屋にしか見えないのであった。
タニシみたいなヘアスタイルとデンデラのスパンコールに身を包んだ瀬川瑛子は
「命くれない」。あんなに地デジに貢献したのに、NHKはなぜ瑛子を大晦日に呼ばないのか。
続いては田川寿美「女…ひとり旅」。70年代歌謡の色を残したデビュー曲。
きょうもみりん風味で。
世間的には一発屋扱いの高山厳、今夜も「心凍らせて」。
黒いドレスのダンサーがなまめかしく厳を取り囲む。
しかしきょうの厳は五反田にいる場合ではなく、
このまま六本木に移動して「池上線」を歌うべきであると思ったが…。
三沢あけみ「島のブルース」。指笛の裏で怒声のような応援が…。
あけみファンの根強さよ。
渋谷では徳永英明が「時の流れに身をまかせ」を歌う中、
デビュー35周年、渥美二郎が登場し、「夢追い酒」。
昔のおにぎりはこうやって海苔を巻いたもんだ…と二郎ヘアを見てしみじみ。
二郎フェアなのか、今度は冠二郎「旅の終りに」。
「炎」「バイキング」のラインは歌わないのかなぁ、もう。
せめて「ブラボー酔虎伝」でも…。
私の大事な…三船和子「だんな様」。
容貌がどんどんパワーアップしていく和子。
口の開け方が尋常でない。
たたみかけるように山川豊登場、「函館本線」。
渋谷の放送局は、L'Arc~en~Ciel「BLESS」とともに、
冬季五輪の熱闘の様子を映し出している。
ユタカだってボクシングのプロライセンス持ってんぞ。
さあ、アダルトポップスの真打ち、堀内孝雄「ガキの頃のように」。
今夜も「さんっきゅう!」「ありがとぅー!」でヒゲ年忘れ。
来年の株価は1万3千9百円くらいになればいいなぁ。
徳さん「“ミスター”堀内孝雄!」と声をかける。
ベーヤンと長嶋茂雄と堀内恒夫をごっちゃにしている気が…。
ここ数年は渋谷を離れ、「にっぽんの歌」トリ格の八代亜紀が
「おんな港町」をダンサブルに歌う。磯のにおいで“8”ビート。
ラストは全員で「明日があるさ」(坂本九)。
来年こそは良い年になりますよう…。
AKBもEXILEもいきものがかりも出ないが、
”大人の歌まつり”は今年も健在だった。
最後に畠山みどりがドピンクの衣装に衣替えしたのは、
見逃さなかったぞ…。
いまから来年が楽しみだぜ!