映画・テレビ

ハンサム紳士の落とし穴

フジテレビの新ニュース番組のキャスターに内定していた
経営コンサルタントのK氏が、「学歴詐称」を週刊誌に指摘され、
出演中の番組含めすべて自粛を発表した。
ハーバードでMBAを取得、などとしていたが
「WEBに載せていた経歴はβ版だった」とK氏は言い訳している。

K氏はハーフで、いわゆる「イケメン」。
バリトンボイスで声までイケメン。
「報道ステーション」など、テレビ・ラジオに引っ張りだこだった。

フジの新番組は、K氏とモデルの市川紗椰を番組の顔にする予定だった。
メインキャスターに、アナウンサーや報道記者でない人物を起用することで
親しみやすさを狙ったようだが、開始直前に出鼻をくじかれた格好だ。

疑惑を伝えたのはまたも「センテンススプリング」こと週刊文春。
K氏は前述の通り超売れっ子であり、
こういうスクープはいつ出てもおかしくないはずだが、
新番組のメインキャスター起用ということで
K氏に狙いを定め、「身辺調査」に及んだのであろう。
そして「ベストすぎるタイミング」でのスクープに至った、と。

本来であれば、「身辺調査」はフジテレビがすべきだった。
学歴詐称が分かっていれば絶対起用しなかっただろう。
しかし、低視聴率にあえぐフジテレビは「焦った」のかもしれない。

K氏は「経営コンサルタントに肩書きは本来不要」とも言っている。
確かに学歴よりも能力さえあれば活躍できるわけで、
おそらくマスコミ出演で「本業」はおろそかになっていただろうが
これで「本業」に戻れるわけだ。

しかしテレビとなれば、中身よりも見た目勝負。
知的でダンディなハンサム紳士は視聴率を稼ぐにはピッタリだったはず。
そこにあった「落とし穴」に見事にはまってしまったフジテレビ。

番組スタートまで2週間、もはや代役は充てられないだろうから
しばらくは内部人材(記者など)でやり過ごすのだろうが
当初の思惑は外れてしまうわけで。

しかしフジテレビ、ついてない。
経営コンサルタントに助言してもらったらいいよ。

(追記)
K氏はその後、学歴詐称のみならず、
整形疑惑、さらには「経営コンサルタントですらなかった」可能性も指摘されている。
「平成のクヒオ大佐」なるキャッチフレーズも…
この能力、どこかで生かしてあげられないか。
どうです、フジテレビ。

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不自由な12年間

テレビ朝日「報道ステーション」のキャスター・古舘伊知郎が
16年3月で番組を降板することを発表した。

年末最後の放送をつつがなく終えた翌日、
マスコミに向けて発表し、
さらに「記者懇談会」で古舘自ら降板を告げた。

普通ならばこんな大ごとは
視聴者に向けて言うのが普通だと思うが、
「あえて」そうしなかったのだろう。

古舘は「不自由な12年間だった」と語り、
降板後は「しゃべりの仕事に専念したい」と言う。

「ニュースステーション」終了後、
鳴り物入りで始まった当初は、
放送時間を前倒しして、当時人気絶頂のみのもんたと対談したり、
生放送クイズ番組の進行をしてから
報ステに臨むといった「離れ業」もやってのけた。

しかし最近の報ステはそういった「遊び」もなくなり、
「言葉の魔術師」の古舘とは思えぬような、
静かな口調で淡々と進行するのが普通になっていた。

久米宏との対比はされなくなった一方、
近年は保守マスコミや「ネトウヨ」からの攻撃も根強かった。

そんな中、昨年「トーキングブルース」を復活。
報ステ開始前まで続けていた、一人語りトークライブである。

テレビで見たが、「報ステ」への愚痴も散見され、
相当うっぷんがたまっていたことは誰の目にも明らかであった。

聞けば、一昨年には「番組開始10年」を期に、
降板したい意向を伝えていたそうである。
しかし「あと2年間はやってほしい」と言われ、しぶしぶ続けたんだとか。

そう、「しぶしぶ」のキャスターだったわけだ。
いやいややっていた番組を、我々は見させられていたわけで。
まあそれでも古舘もプロだから、
そんなそぶりは見せずに高視聴率を維持してきた。

しかし「うっぷん」を晴らしてやる、とばかりに、
降板をサプライズ発表してみせた。
しかもマスコミを通して、だ。

視聴者を裏切りたかったのだろう。
「古舘節」の一環なんだろうか。
まあ、重ねて言うが「視聴者に向けて」語りかけて欲しかったけれど…。

いずれ、4月から古舘はまた「しゃべり」の世界に戻る意向。
「無理とは思うがオリンピックの実況もしたい」と夢も語っている。
もちろん、「プロレス」の世界も彼を待っているだろう。

また、「クイズ悪魔のささやき」に代表されるような
「毒舌」「お調子者」的キャラクターも古舘の魅力だった。
報ステでは一切隠していたキャラだ。

自分を攻撃し続けてきたネトウヨや産経新聞あたりにも
一発ぶちかましてもらいたいもの。

もう「自由」になるのだから。

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選挙特番は必要か

テレビ東京の選挙開票特番「総選挙ライブ」が人気だ。

司会の池上彰が、立候補者や政党代表とつないだ生中継で
政党や出馬した政治家の不祥事にズバズバ切り込み、
「公明党と創価学会」などのタブーワードも連発。

また池上自ら注目立候補者に密着取材したり、
開票速報で表示される立候補者の「一口メモ」も密かに人気。
わかりにくい政治の世界を一気にエンターテインメント化しつつも、
政治の世界の本質に迫る「本分」も果たしている。

他局の選挙特番とは一線を画すやり方で、
一気に選挙特番で視聴率民放トップに躍り出て、
NHKに迫りつつある。NHKは池上の古巣でもある。

テレ東は資金力・取材力に乏しく、系列局も遙かに少ないため、
他局のような『データ主義』『人海戦術』が使えず、
『政治家をいじり倒す』手法でのし上がってきた。
過去に久米宏がやったこととよく似ている。

いっぽう他局はといえば、武田真一、古舘伊知郎、安藤優子、
村尾信尚、膳場貴子といった看板キャスターを引っ張り出しているが、
どれも内容は似たり寄ったりで、面白みもない。

各局とも、投票締め切りの8時になると
出口調査結果を発表するが、
だいたい数字はどこも同じ。

どの番組を見ても内容は一緒。
なら、よりわかりやすくて面白い方が良い、
ということで、池上彰が選ばれているのだろう。

しかし1年前の選挙では、
古舘伊知郎の『選挙ステーション』が池上特番と並んだという。
ところがこれは羽生結弦が出場するスケート大会を絡ませての番組だったそうで、
それがなければ古舘が池上に大惨敗していたことは間違いない。

で、思ったのだが。
もはや開票特番って横並びでやる必要ないんじゃないの?
ということ。

各局似たり寄ったりの番組で数字の取り合いをして、
勝つのは最も低コストなテレビ東京。
バカバカしいではないか。

報道機関の矜持とか、系列局の突き上げとか
あるんだろうが、実績が出ないんじゃ意味がない。

普通にスポーツ中継やバラエティ番組を
放送した方が数字がとれるのなら、
そっちのほうが視聴者ニーズにかなっているのではないか。

いまはデータ放送というものもあるのだし、
開票速報についてはそちらでフォローすれば良い。
民放ではいまのところ普及していないが、
サブチャンネルを使うというのも考えられる。

次回の選挙も池上彰に負けるおつもりですか?
スポンサーだってそれは望んでいないと思うけど…

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テレビ東京地獄

岩手県にはテレビ東京系列局がない。
テレ東系列は大都市圏の6社しかないので
(他系列は24~30社)、地方においては
他系列に属する放送局が、テレビ東京から番組を買って、
系列のシバリがない時間帯に放送する。

その時間帯は、深夜だったり、土・日の午後が中心だ。
だから地方では週末の午後が
一気に「テレビ東京地獄」に変貌するのである。

我が岩手県も同様。
12月12日の午後はこうだ。

Tvt

赤く塗りつぶした番組が、テレビ東京、
またはテレビ大阪(テレビ東京系列)の番組である。

岩手めんこいテレビ(フジテレビ系列)に関しては
5時間まるごとテレビ東京の番組。

IBC岩手放送(TBS系列)のほうが普段はテレビ東京の番組が多いのだが、
この日はローカル番組(「じゃじゃじゃTV」)や、
系列の再放送(「マツコの知らない世界」)があるため控えめ。

テレビ岩手(日本テレビ系列)は「開運なんでも鑑定団」を
再放送との2本立てにするのが得意技だ。
「日本イチバン売れてるモノ図鑑」(テレビ大阪)を加え
4時間をテレ東系列に費やす。

岩手朝日テレビ(テレビ朝日系列)は、
素直にキー局のテレ朝番組を流すことが多いのだが、
この日はなぜか「家、ついて行ってイイですか」を2本立て、
さらに「MY BEST SHOW」という特番でさらに2本立てである。

…とまあ、テレビ東京系列にジャックされたかのような状態である。
とくに1時台、3時台はどの民放チャンネルを回しても
テレビ東京系列の番組しか映らない、という「テレビ東京地獄」の様相だ。

いくら最近のテレビ東京番組は評判が良い、といっても
これはちょっとやり過ぎではないだろうか。

テレビ東京と言えば日本経済新聞社グループ。
「ワールドビジネスサテライト」に代表されるように、
経済ニュースでもおなじみである。

…まあその経済ニュースが岩手で流れることはないのだが、
それはそれとして。

「カニバリ」という経済用語がある。
カニバリゼーション、つまり「共食い」である。
同じグループに属する者が、互いの事業領域(ドメイン)を侵食し合う状態のことを言う。

切磋琢磨を狙い、あえて競わせることもあるが、
通常は他社と争ったほうが得なので避けられる傾向にある。

テレビ東京地獄もまさにカニバリ。
河岸を岩手に移し、同じテレビ東京の番組同士で戦っている。
これってどうなんだろうか?

テレビ東京としては、番組が地方局に売れれば
それでビジネス成立しているのだろうが、
遠い岩手に送り出された番組達は、
互いに戦わなければならない。

これって非効率だと思うのだが、
テレビ東京はそこまで計算して…いるわけがない。

少なくとも以前はこういうケースはまれだった。
だいたい、各地方局は系列の番組(キー局から遅れて放送するもの)だったり、
なんらかのローカル番組を放送していたものだが、
それらがだんだん減り、テレビ東京の番組で埋められるようになってきた。

逆にテレビ東京がそこを突いて、番組を売り込みだしたのかもしれない。
番組同士が争ったところで、そんなことは知ったことじゃない。
岩手では装置を使った正規の視聴率調査は行われていないし、
あとは岩手の局同士が好きにすれば良い、
CM枠が売れなきゃそれはその局の責任だ、ということなのだろう。

しかし、番組の送り主、いや、「親」はテレビ東京ではないか。
「子」である番組同士が戦うことは望ましいことだろうか?
いや、別にテレビ番組に人格を求めろ、と言っているのでなく。
長期的に見てどうなのかな、ということだ。

たとえば上記では「なんでも鑑定団」と「和風総本家」が真裏だが
これは毎週レギュラーである。
テレビ東京系列の番組同士で、毎週争っているのだ。
今のところ両者均衡のままこの状態が続いているが、
本来なら雌雄を決しているはずなのだ。「カニバリ」である。

テレビ東京、それで本当にいいのか?

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BPOって何なの

BPO放送倫理・番組向上機構のWEBサイトに寄せられた
視聴者の意見」が、言いがかりばかりで正直あきれてしまった。

特に「番組全般・その他」のカテゴリー。

27時間テレビで、平成ノブシコブシの吉村が
自分の高級車を壊すシーン。
「一般人が買うにはどれだけ働かなければならないか分かるか」だって。
…あの人達は、あんたみたいな貧乏人と違うんだってば。

同じく、バンジージャンプギネス記録に挑戦させられた
たんぽぽ白鳥に「パワーハラスメントだ」。
…パワハラだって言ってたら仕事なんかできませんよ。
有吉弘行なんか、日テレ相手に裁判起こしたら勝てるよ。

「男気じゃんけん」は芸能人がバカみたいに金を使いまくる。
不愉快だ。新幹線に火をつけて死のうとした貧乏人がいるのに。
…もう、一緒に論ずる話題じゃないでしょ、それ。

スポーツ中継を民放が独占して、
我が県にはその系列局がないから、見ることが出来ない。
だからWEBで中継しろ、と。
…じゃあ、あなたがお金出してよ。

この番組には「スタッフが美味しくいただきました」という
テロップが出てこない。廃棄しているのか。
…美味しくいただくわけないだろ。
テロップ出してても実際は廃棄してるんだよ。

前科者のタレントや元IT企業社長(ホリエモンか?)は
テレビに出すな。視聴者をバカにするな。
…じゃあ前科者は一生家にこもってろ、と?

ゲイタレントやオネエタレントが多い。差別はすべきではないと思うが、
テレビに出まくっていて不愉快だ。
…あんたが差別してるじゃないの。

レポーターがジャマイカのスラム街に行って麻薬や拳銃の
密売を取材している(「クレイジージャーニー」か)。
公共の電波だぞ。
…公共の電波だからやるんですよ。

タレントにはギャラが出ている上にさらに賞金が出るゲーム番組。
芸能人の賞金をかけたゲームを見ても面白くもなんともない。
…視聴者参加は数字が取れないんです(苦笑)

いや~、テレビごときに感化されやすい方々なんでしょうか。

最近はこういうBPOなんか出てきて、
風当たりが強くなっているので、
テレビの性的表現がだいぶ自粛されてきているが、
性犯罪が減ったという客観的な数字はどこにもないんですよね。

もっと言えば、アメリカなんか表現の規制が日本よりも厳しいんだけど、
治安がいい悪いでいえば、間違いなくアメリカの方が悪い。
(まあ日本とは環境も違いすぎるけれども)

そんな中、一つの意見に目が離せなかった。
「バラエティーが面白くない。人権に配慮しすぎている。
テレビで心の底から笑いたい。高齢者だけでなく、若い人の意見も聞いてほしい」。

人権に配慮しろ、という意見「だけ」が並ぶ中で、
この意見がひとつだけ異彩を放つ。
BPOによる自己批判みたいなものだ。

…果たして、テレビの健全性を真に憂えているのはどっちだろうか?

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さんまのお笑い向上委員会

なんともやっかいな番組である。

26年ぶりに、土曜夜に明石家さんまが帰ってきた…
と言うキャッチフレーズ。

言わずと知れた「ひょうきん族」のことである。
といっても、若い視聴者は
タイトルを聞いたことがあるくらいだと思うが。

準深夜帯ということで、
作り込んだコントとは対照的な「トーク」主体である。

笑い声が常に響き渡る映像からするに、
スタジオの中は大いに盛り上がっていることは
容易に想像できる。

ただ、出演者陣からは、ピリピリと張り詰めた空気感も感じられる。

初回から3回にわたってのゲストは「流れ星」であったが、
第1回目はスタジオに呼ばれず、
2・3回目は居並ぶ先輩の前で
オロオロした表情でギャグを披露するのが精一杯。

良くも悪くも、「お笑いモンスター」明石家さんまが
「太陽」として、スタジオ内のすべてをコントロール。
有無は言わせない。

ベテランの今田耕司、太田光、堀内健が
それなりに暴れはするが、
モンスター・さんまの鋭い目は常に笑っていない。
少しの隙間さえあれば自分も割って入ろうとする。

ほかの中堅~若手芸人は
「話すことを許されて」初めて口を開く程度。

一応は「ゲストの悩みに答え、お笑い文化を向上させる」
というお題目はあり、進行上の台本もあるのだが、
それらはほぼ無視され、
ただただその場その場で盛り上がったギャグを数珠つなぎしていくだけ。

いずれ、すべてはさんまが取り仕切る。

先述通り、ギャグが速射砲のように繰り出され、
スタジオは笑いに包まれている。

ただそれが視聴者に伝わっているかと言えば
必ずしもYesとは言えないだろう。
スタジオの盛り上がりを「整理」して伝えていないからだ。

というか整理することさえできないだろう。
やりたいようにやっているだけなんだから。

そして、出演者陣に張り詰める「緊張感」だけは
ビシビシと伝わってくる。
もしさんまに振られたらどう返せばいいか、
芸人達は常に考え続けているに違いない。

それに当意即妙に返せる頭脳を持つベテランはまだいいが、
若手などはパニクってしかたないだろう。

初回ゲストの流れ星がまさにそれだったはず。
その証拠に、いつもはウケるちゅうえいのギャグが見事にスベり続けていた。

もはや何が面白いのだか、
よくわからないまま、画面からは笑い声だけが聞こえ続けるという
カオス状態の番組である。

はっきり言ってしまえば「視聴者を突き放す番組」だ。
自分たち、いやさんまが自分だけ面白ければいい。
そういう雰囲気で作られている番組である。

なんとかついてこれる視聴者はいいが、
おそらく大方の視聴者は10分とついていけないだろう。
3分、いや1分で脱落する者も少なくなかろう。

この番組、そう長くは持たないような気もする。
見るなら今のうちだろう。

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テレビ画面が汚れていく

一時、テレビ番組でテロップが増えた。
以前は紙で出力する手間があって職人もいたのだが、
その後コンピュータで電子的にテロップを入れられるようになり
バラエティ番組の演出から、
ニュース番組のいわゆる「あおり」まで
「安易」に使われるようになった。

そしてここ数年は「モザイク」「ぼかし」である。
アダルトビデオでしか使われなかった技術が
今では毎日どこかの番組で使われる。

「映ってはまずいもの」を「隠蔽」するために
使われるものであるが、
その映ってはまずいものの基準、しきい値が
下がっているのだ。

まず「スポンサーがらみ」。
以前はこんなにモザイクを使わなかったと記憶するが、
近年は「番組スポンサーの競合のロゴ」がカメラに写っていると、
すべからくモザイクをかけるようになっている。

気になってしまってもはや「逆宣伝」になっている
ケースも少なくないと思うのだが。

たとえばコカコーラの自動販売機。
モザイクをかけても、真っ赤な色に白い文字。
これはコカコーラです、と言っているようなもの。
モザイクをかければ逆に気になると思うのだが。

最近では、いわゆる「提供クレジット」が
画面に表示される際、画面に映っているほかの「文字情報」にも
モザイクをかけるようになっている。
スタジオの中にある小道具や、出演者の衣装に書かれた文字にも、
「提供」のテロップが出るタイミングになると
ぼやっとぼかしがかけられてしまう。
ここまでする必要あるのだろうか?

そしてもう一つのモザイク要員が「肖像権がらみ」。
いわゆる外ロケ、屋外での撮影ともなれば
モザイクのオンパレードである。

これもここ数年で激しくなってきている。
要は「撮影許諾を取っていない人物の顔は放送しない」
という基準ができているのだろう。

ただ、それが画面の半分以上を埋め尽くすことも少なくない。
見苦しいことこの上ない。

そもそも、テレビカメラがあれば「映ってしまう」ことは
常識なわけで、モザイクをかけるほどのことなのか、
と思うのだが…

確かに、偶然撮影現場を通りかかった人の中には、
映りたくない人もいるだろう。
そうなれば「肖像権」を盾に、
訴えることも不可能ではない。

まあ実際には、放送局は係争のデパートだろうし
優秀な弁護士を何人も雇っているだろうから
個人が勝負を挑んだって勝てるはずもないのだが。

とはいえ経費のかかる話。
クレーマーみたいな人物にまきこまれれば面倒この上ない。
放送局側としてはそういう「リスク」を負いたくなくて
わざわざ画面を見苦しくしているのだろう。

しかし、ニュース番組なんかでは
こういうモザイクはほとんど見かけなかったりして、
基準がよくわからない。

昔のテレビ画面は、テロップもモザイクも少なくて
美しかったのに。
ハイビジョンだの4Kだの言っている割には、
テレビ画面がどんどん汚くなっていく気がする。

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待ってました

演芸好きなもので、東京に行くとついつい寄席へ行ってしまう。
寄席には落語家だけではなく「色物」、落語以外の芸を披露する芸人も登場する。
また色物はテレビ・ラジオの演芸番組にもよく登場する。

三味線漫談の三遊亭小圓歌は、その美貌もあり、メディアにはよく登場する色物のひとり。
また寄席でも何度も拝見させていただいた。

…ただ。見るネタがいつも大体同じなのだ。
「師匠の圓歌はちっちゃすぎてポケットに入る」とか、
小噺も毎回同じ。歌う小唄・端唄も、「これ前も聴いたな」というものばかり。

で、「ワンパターンだ」みたいなことをTwitterに書いたのだが…
こう諭された。「あの人たちは、落語家を引き立てる『華』なんですよ」、と…。

そう、色物は落語家の合間に出てくる、「ショウタイム」。
落語家より笑いを取るのは通常御法度なのだ。それができる力量があったとしても。

だから、毎度毎度ネタを変えるのは漫才師くらいで、
あとは毎回同じようなネタを繰る。

ギター漫談の「ぺぺ桜井」も、やるのは毎回一緒。
「カエルの歌」を短調で歌い、ヨナ抜き音階で歌い、沖縄音階で歌い、
ギターで「禁じられた遊び」を弾きながら「浪花節だよ人生は」を歌う。
最後は「『サヨナラ』という曲をお聴き下さい。サヨナラ!」で締めくくる。

テレビでもラジオでも寄席でも全部同じ流れでやる。
正直「またか」とは思いつつも、やはりこれがこの芸人の在るべき位置なのだ。

落語家だって、もはや一つのネタしかやらない大御所もいる。
小圓歌の師匠の三遊亭圓歌とか、軍歌と口ラッパの川柳川柳とか。

色物が一つのネタを極めたって何の不思議もないのである。そして実際に笑いを取るわけだし。
しかも「適度」な笑いを、だ。

だから、これらの芸人のネタをテレビ・ラジオで見る、聞くときは、
「またか」と言わず、「待ってました」と言うべきなのであろう。

まあ、「またか」と思う心も、それはそれで大事なんでしょうけど…

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5きげんじゃない日々

岩手を代表する情報番組「5きげんテレビ」の司会者が代わった。
勤め人だとなかなか見る機会に恵まれないので
なかなか動向を知ることが出来ないのだが…

番組開始は97年。そろそろ20年の声を聞こうという長寿番組。
初回から司会を務めてきたのが、
当時気鋭の若手だった平井雅幸アナウンサー。

「岩手を代表する」存在にまで番組が成長、
平井アナはアナウンサーの身分のままアナウンス部を転出、
「5きげんテレビ部部長」に就任していた。
番組は、テレビ局の一部署にまで「のし上がった」のだった。

ライバル番組が生まれては消えたが、
現在は独走状態。
そんな快調の中、今年の2月頃、
「岩手のミヤネ屋」平井アナウンサーは画面から消える。

体調不良、との告知がなされ、
代役として中堅の岩瀬アナウンサーが司会に就く。
しかし平井アナはいっこうに復帰しなかった。

入院説がささやかれるようになった3月、
平井アナはVTR出演、正式に「番組降板」のアナウンスがなされた。

やはり体調不良であること、
そしてその不調はだいぶ前からであることも告白したが、
病名は何であるかは伏せたまま。

長寿番組を長らく引っ張ってきた「偉大なる存在」にしては、
あっけない幕切れだが、
言えないこともあるのだろう。

心労もたまっていたのではないだろうか。

本番は平日の90分間のみ。
準備やリハーサル、打ち合わせなどを含めても、
激務というほどではないだろう。

しかしオフや空き時間も、
平井アナは「雅さん」であることを求められる。

たとえば、どんなに疲れていても無愛想にはできない。
人の噂はあっという間に広がる。
特に、「視聴者とのキャッチボール」を謳う番組で
それは致命傷だ。

そうなると、嘘でも笑っていなくてはいけない。
腹の中が煮えくりかえっていても、だ。

どれだけ強靱な肉体をもってしても、
それでは精神をすりへらしやがては体力も奪う。
現に平井アナは50代を迎え、
ただでさえ衰えてくる時期だった。

平井アナの場合は、ときおり「本音トーク」みたいな
おしゃべりをする場面もあったが、
さすがに「本当の腹の中」まで吐露することはしなかっただろう
(そういうトークは求められる番組ではないし)。

たまったものが爆発してしまったのだろうか。
思ったより状況が深刻なのかどうかは、
アナウンスされていないので知るよしもない。
とりあえず休養が第一だろう。

平井アナは引き続き番組に携わる意向のようだが、
局のサイトのアナウンサー一覧から消えている。
司会は正式に岩瀬アナに引き継がれ、春を迎える。

岩手の夕方を変えた「マサさん」。
お疲れさまでした。

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女性の心理

冬場なのに「素足の角質ケア」をする商品のCMが
バンバン流れていて、違和感を感じていた。

女性がかかとのガサガサをいやがるのは知ってるけど、
素足を露出することが多い夏ならまだしも、
冬は関係ないでしょう…と。

これがあさはかな男の考え方で。

夏になってからこんなCMやっても、遅いんですよね。
1日2日やったくらいじゃガサガサした足は治りゃしない。
寒いうちからケアする習慣をつけたほうがいい。

それに、冬でもストッキングなり靴下なり
着用するときにガサガサっとなるのも防ぎたい。

女性の心理は春夏秋冬、繊細なんですよ。

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