パクり
東京オリンピックのエンブレムでベルギーのデザイナーから
「パクり」を指摘された佐野研二郎氏。
その後、これまでの数々の作品におけるパクり疑惑が
ネット上で持ち上がり、
その中で、サントリーの景品バッグの図柄については
事実上模倣を認めた。
ネットでの指摘の中には「言いがかり」のようなものも
あったが、景品バッグについては、
ネット上の写真をそのまま無断借用したとしか思えないものもあり、
申し開きは困難な状況であった。
佐野氏が自ら進んで模倣をしたとは思いにくい。
本人が言うように、部下の行為だったのだろう。
ただしチェック不足は間違いない事実であり、
本人の責任も逃れられまい。
ベルギーのデザイナーに話を戻せば、
あれはベルギーのほうの言いがかりだろう。
そもそも商標登録もしていない美術館のロゴマークまで
事前調査するのは無理な話。
最初は同情を集めた佐野氏だったが、
「日本のネット上の有志」が、今度はよってたかって
佐野氏の「過去の行状」をほじくり出し、
世界に恥をさらす手助けをする。
日本人は佐野氏の見方をすべきなのだが…
なぜこんなことになるのか。
ネット上の有志は「人脈図」まで持ち出している。
有名デザイナー仲間同士の「賞の与え合い」とか。
そして佐野氏の兄が、経産省のエリート官僚であることまで判明している。
佐野氏自身も、博報堂を飛び出し、
デザイン事務所を立ち上げ、
有名企業のクライアントとの仕事をいくつもやり遂げている
「成功者」である。
こういう人間はあこがれを持たれる一方、
ねたまれやすい。
ネットにいる連中には「大好物」なのだ。
水に落ちた犬を棒で叩くように、
針のむしろに追い込まれる。
いつかどこかで見た光景がまた、繰り広げられる。
本来なら日本人は、
ベルギーのデザイナーに対し反論を行って、
佐野氏を守るべきなのだが。
偉大な亀倉雄策デザインに比べ、ありゃなんだ、と
佐野氏のデザインを笑いものにする者も当初から多かったし、
そもそも「オリンピックなんかどうでもいい」という人も少なくない。
しょうがないか。
ベルギーの人々はこの「日本人の醜態」をどう見ているのか。
「ニポン人は、我が国が好きなようだ。
チョコ、ビール、ワッフルだけじゃなく
デザインも好物なのか」…と、
嗤われているのではなかろうか。
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