アニメ・コミック

サブカルチャーだから

「アニメの殿堂」私は支持します、岸博幸(日経)。

要するに、世界で注目されるニッポンのコンテンツを、
公費で保護しないでどうするんだ、と。

この「アニメの殿堂」政策は、やくみつるら、当の漫画家からも
「漫画家は誰一人として歓迎していない」と批判されている。
(やくは漫画家のメインストリームからはほど遠い存在ではあるが)。

「いらないムード」になっている「アニメの殿堂」の
支持を表明することには感銘するし、
岸も指摘するように、「アニメの殿堂」は
マスコミが横並びで面白おかしく揶揄している面は否定できないが、
それにしたって、本当に必要な組織なのかどうか。

岸は「マンガもアニメも文化なのだ」と言うが、
映画や小説、絵画と一緒に「これは文化なり」と、
「国が保護する」ようなものなのだろうか。

「日本が手をこまぬいている間に、アメリカに人材流出している!」と、
大量の日本人が働いているというピクサー社を引き合いに出しているが、
バリバリ3次元のピクサー作品は、「アメリカ」だから成り立つのであって、
2次元ベースの日本産アニメとは違うと思う。

そもそも多くの日本人は、
電車の中でマンガを読むサラリーマンに眉をひそめ、
画面の中の萌えキャラと疑似恋愛するアニメヲタクを「キモい」とくさす。

所詮、アニメもマンガもそんなものであり、
だからこそ市場が成立するのではないか。

じめじめしたところで成長するいわば「陰」の存在なのであり、
それを国が保護したら、とたんに魅力は崩壊するはずだ。

マンガ雑誌に国が補助金を出してご覧なさい。
どんなつまらぬ雑誌ができあがるか。

あまたあるアニメを、国が「世界に誇れるコンテンツか否か」調べるため、
厳しく審査するようになったら…そういうスキーム自体が恐ろしい。

所詮メインではない「サブ」カルチャーなのだし、
マンガもアニメも「サブ」だからこそ、世界で支持されているのだ。

麻生首相が(最初)支持されたのも、
フツーの首相のように、経済だの安全保障だのばかりじゃなく、
そういう「陰」「サブ」の面にも目を配ってくれる、というところだったからではないか。
それを「メイン」に仕立てようとしている麻生首相が今、支持されているか。

記事の最後に記された、岸の経歴を見ると、
そんなことくらい分かっていそうな感じはするのだが。
あるいは、こういう説を振りかざさなければならない理由でもあるのか。

民主党やマスコミが使う「国営マンガ喫茶」は言い過ぎかつ的外れだと思うが、
やはり、117億円あったら他に使うべきだと思わざるを得ない。

一流大学の教授でもないし、大手音楽産業の役員でもないから、
偉そうなことはいえないが…。

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復活!コブラ

寺沢武一原作「コブラ」が30周年記念で、新作を製作。(サンスポ
DVDやテレビ(どの局?)で発表していくという。
記者会見が開かれ、原作者・寺沢武一が松崎しげるとケンドーコバヤシを従え登場した。

最近もパチンコ台になるなど、少しずつ「復活」の兆しを見せていたコブラ、
21世紀に突然の復活の報に、大喜びの向きも多いのでは。

ブラックマスター、松崎しげるはエンディングテーマを担当。
なんといっても初代コブラは我らがマツだ。1982年の映画版でコブラ役を演じ、
メインテーマ「Daydream Romance」も歌っている。
会見では寺沢先生を意識したか、グラサン姿で登場。
しかし、グラサンよりも顔のほうが黒い。

最近「隠れサブカルキング」化しつつあるケンドーコバヤシも、
応援団長として登場している。おそらく何らかの役で作品にも登場しそう。
たしか「アメトーーク」でもコブラを押してたような気が…。(→証拠

寺沢先生は記者会見で車いす姿。脳腫瘍で10年にわたり闘病中とのこと。
同郷(北海道)のモンキー・パンチ大先生とはアメコミ系作家として交流が深く、
またコンピュータを作画に導入した先駆け同士としても有名である。

テーマ曲はやっぱり、我らが御大・大野雄二の「コブラ」だといいなぁ…。

(追加)毎日新聞も記事を掲載。
コブラ役は「スペースコブラ」に引き続き、野沢那智が26年ぶりにコブラ役を再演。
会見にも出席しており「(コブラ役は)ずっこけたようなジーパンで来るような
最近の声優にはやらせたくない」と
負けん気を見せ、ダメージジーンズもこきおろしてみせた。
(でも姪っ子の野沢直子は、ずっこけたようなジーパン履いてそうだけど…。)
監督も、「天才」出崎統が「スペースコブラ」と同じく担当する。

マツは記者会見中サングラスを取らなかったようだ。
普段はそんなキャラじゃないんだが…ものもらいでもできたのかもしれない。
「まぶたが赤く腫れておりまして…」と言っても、「黒いじゃないですか」と言われるだろうし。

(追加2 09/4/26)
上記から約10ヶ月経過。公式サイトによると
DVDがリリースされており(エンディングテーマを松崎しげるが担当。劇伴は「相棒」の池頼広)、
7月からはBS11(日本BS放送)でレギュラーシリーズを放送するとのこと。

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ルパンが盗んでいったクルマとは?


イタリア・フィアット社が名車「フィアット500」(チンクエチェント)の
ニューモデルをリリース。
このほど日本向けにローカライズされたモデルの発表会が行われた。(日経TRENDY

「車はスポーツ」と考えられているヨーロッパでは、
自家用車も未だにマニュアルシフト(MT)が主流。
当然この車も本国ではMTであるが、
AT化が進んだ日本ではセミオートマ※にモデルチェンジ。
※機構上はMTだがギアチェンジ操作を自動化した疑似AT。
 クラッチペダルがないので、AT限定免許でも運転可能。
 なお、シーケンシャルと呼ばれるギアチェンジ機能もある。

で、この車の発表会のあと行われた記者会見に
「ルパン三世の産みの親」モンキー・パンチ氏が呼ばれたそうだ。
氏はこの席で「俺、関係ないのにな」的発言をしたはずだ。

フィアット500とルパンをくっつけたのは、
今や天下の宮崎駿と、作画監督の大塚康生。
「大人向けアニメ」の打算が外れ、アニメ「ルパン三世」は視聴率が悪かった。
てこ入れのために番組スタッフ入りした宮崎は
ルパンの設定を、原作通りの「大金持ちのキザな泥棒」から、
「お間抜けズッコケ泥棒」に変えてしまう。

その際、没落ゆえに、(初期に乗っていた)ベンツSSKというド派手な超高級車を手放して、
フィアット500という丸っこい大衆車に乗り換えた
という設定が施されたのだ(チンクは当時大塚が愛用していたことからのチョイスである)。

つまり、「凋落した大泥棒」のイメージでこの車を登場させたのであり、
この車とルパンを結びつけられるのは、
むしろモンパ先生には不本意なくらいのはず。
(それと、モンパ先生は車のことはたぶん詳しくない)

つまり、モンパ先生とフィアット500は皆が思っているほど縁のあるものではない。
だからチンクの記者会見にモンパ先生が現れるのは違和感バリバリなのだ。

そんな事情を知らない自動車会社側(広告代理店か?)が
「フィアット500→ルパン三世→モンキー・パンチ」という図式でモンパ先生を招聘。

人のいいモンパ先生は断るわけにも行かず
佐倉からわざわざ会場のある九段のイタリア文化会館までやってきたというわけ。

それでも先生は、旧型チンクに乗るルパンが登場するビデオ上映のあと、
なぜルパンは新型に乗ってないの、と記者に聞かれ
「ルパンはもう新型を盗んでしまったかもしれませんね」と
ナイスなジョークを飛ばしていったという。恐るべし!
※実際の発言はちょっとスベった感じになってました^^;

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MoJoスーパー・ベスト ~ 星雲仮面マシンマン

ふとしたきっかけでYOUTUBEで「スーパー戦隊シリーズ」のオープニング集を発見。
ささきいさおの「ジャッカー電撃隊」にシビれ、「銀河航海誌」を購入(これは後で紹介)。

功兄ィの「ジャッカー」の次、「バトルフィーバーJ」を歌ったのが「MoJo」。
「せがた三四郎」「アースジェット」のコマソン歌手・富田伊知郎としてもおなじみである。
後に「ゴーグルファイブ」「ダイナマン」も歌っているMoJoであるが、
同時期に、日テレがテレ朝の二番煎じを狙ったヒーローもの「星雲仮面マシンマン」の
主題歌も歌っている。

ご存じの方も多いだろうが、「マシンマン」の音楽担当があの大野雄二である。
当然「マシンマン」のオープニング、エンディングもYOUTUBEで発見。
これがあの噂の「マシンマン」か…と感動にひたってしまった。

特撮マニアには「伝説の低予算作品」とされる「星雲仮面マシンマン」。
制作者側は音楽担当に渡辺宙明ではなく、『日テレ音楽の顔』大野御大を連れてきた。
ヒーローものと大野雄二。奇跡の出会いが実現しているのだ。

そんな「マシンマン」の音楽をやっぱり聴きたい!と思い検索。
「マシンマン」が聴けるCDはいくつかあるが、
とりあえずMoJoの入門として、「MoJoスーパー・ベスト」を購入。
プロデュースはやっぱり?「サントラの鬼」高島幹雄である。

主題歌「星雲仮面マシンマン」は、アップテンポな旋律と、
コロムビアゆりかご会の健気なコーラスとかけ声(「あれはっ!?」)で
一見、大野作品か?と思ってしまうが、いやいや。
音程が上下に激しく揺れる、超A級難易度の主旋律はやっぱり御大らしいし、
間奏のアルトサックスソロは誰が聞いても「大野節」だ。
伴奏に耳を澄ませば、ストリングス・ブラス・電子音という「大野雄二・三種の神器」が鳴り響いている。

エンディングテーマ「おれの名はマシンマン」はイントロからド直球に大野節が炸裂。
自由に音を奏でるクラリネット、
ピーヨロロロと合いの手を入れるフルート。
その裏で吹き渡る風のような音色のシンセサイザー(おそらく御大自らの演奏か)。
旋律はあくまでやさしく、叙情的。途中でキーが変わるあたりは「ラヴ・スコール」を思わせる。
包み込むようなMoJoの歌声も心地よい(さすがのMoJoも、やや手に余している感はあるが)。
曲の終わり「チャン、チャンチャン」はルパンの「MAGNUM DANCE」を想起させる(ディープすぎますね)。

このCDで不満なのは、「バトルフィーバー」などのメジャーどころが
『オープニング・挿入歌・エンディング』と3曲入りなのに対し、
「マシンマン」はオープニングとエンディングの2曲のみというところ。

教科書別学習ドリルでいつもページ数が少ない、
「開隆堂」の教科書を使っている生徒の気持ちが
今になってよくわかった(わかりづらいたとえっスね)。

くやしんでばかりもいられないので、
「バトルフィーバーJ」「ダイナマン」などもじっくり堪能。
さすがに「リングにかけろ・イメージアルバム」や
「LONELY~ザ・ブッチャーのテーマ」まで来ると「?」マークだったが、
「俺とおまえの大五郎」から「ガオレンジャー」までMoJoの幅の広さを感じさせる。
そして30年近く変わらぬ歌声も、「さすが」の一言に尽きる。
なぜ「MoJo」という芸名なのか、謎は尽きないが…。

★ ちなみに、「星雲仮面マシンマン」のDVDが近々リリースとのこと。

(追記)
後になって地味に「光速電神アルベガス」のほうにハマりつつある…。
渡辺宙明&武市昌久(いちひさし)の魅力を再発見。

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5800分のルパン

ルパン・ザ・ボックス TV & the Movie-」リリース。
TVシリーズの旧作(緑)、新作(赤)、PART3(ピンク)、
映画3作(複製人間、カリオストロ、バビロン)をコンプリート。
DVD42枚組、収録時間計5800分(約96時間)。

ボックスジャケットは伝説のアニメーター・大塚康生(元・麻薬Gメン!)が書き下ろし、
映像はすべてリマスタリング済み。

大昔のレンタルビデオでないと見れなかったパイロット版フィルム、
映画の予告編などが特典として収録される。

80~90年代のテレビスペシャル、映画をのぞけば「山田康雄ルパン」を完全フォロー。
大野雄二御大のサウンドを味わい、ヤマタケ(山下毅雄)メロディでシビれる。
ルパンファンには素敵すぎるプレゼントだ。

その価格は…10万円也。
大人買いの誘惑。

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千夜一夜物語

モンキー・パンチ「千夜一夜物語」(嶋中書店)を読む。
漫画はふだん一切読まないが、「ルパン三世」でおなじみ
天下のモンキーパンチ先生なら別。

「アラビアンナイト」をモチーフにした漫画を執筆しているという話は
10年くらい前から聞いていたが、じつはもう形になっていたのだ。
帯には「構想20年」とあり、
雑誌に連載したのは1998年から1999年。単行本化は2004年。
まさに「千夜一夜」である。

画風は20年前の「アニメチック」な絵のまま、
40年前のルパン初期のような精緻な筆致で描かれている。
あまりの多忙さにコマが真っ白だった
「アニメチック」時代のモンパ作品を知る身としては隔世の思い。

というか、モンパ先生の「絵が描きたかった」思いが爆発している。
コマ割りも独特で、大きな絵の上に、
ポツポツとコマが浮かんでいるようなページが続き、
話の筋が分かりにくいほど。
それくらい、「絵」が主役の漫画になっている。

モンパ作品ではおなじみの淫靡なシーンも登場するが、
「♂」マークと「♀」マークの輪っかがからみあって…みたいな
あからさまな描写はなく、女性の美しい裸体だけが印象に残る。

またモンパ御大お得意の「Mac」を存分に使用したと思われる部分もあり、
モンキーパンチエキスがプンプン。
ただひとつ難を言えば、「擬音」が「変形した勘亭流」で表現されているのが
お間抜けに見えるところくらいか。

話の展開は最初はややぬるいが、
だんだん重苦しくなっていく。
正義に満ちあふれた二人の兄弟王だが、女たちの不貞に触れ、
さらに怪物に匿われた美女を半ば強制的に抱いたことをきっかけに心がすさみ始めていく。

ところがだ。
単行本の後半は動物と農夫の寓話にページ数が割かれ、
結局本筋が面白くなりそうなところで、
一巻の終わりとなってしまうのだ。
間違いなくこの後もお話は続くのである。

本の最後には「続刊鋭意執筆中」とあるが、連載終了から7年。
今もなお、あれこれ仕事を抱える上に勉学にも励むモンパ先生、
筆を執っているのかどうか…。

そんな「モンキーパンチ多忙物語」のお話でした…
って、それじゃ許しませんよ、先生!
(でもそういえば「モンキー・パンチ」ってもともとは加藤兄弟のペンネームだった気もするけど…)

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非常に興味深い

テレ東のアニメ「練馬大根ブラザーズ」が気になる。
むろん岩手では放送されていないが(笑)
なんたって主題歌、主演が「松崎しげる」、
脚本が「浦沢義雄」と来れば、
アニヲタじゃなくても見たくなるというもの。
マツは声優と歌った主題歌で28年ぶりにオリコン50位以内に入ったんだとか。

ああ、見たい。

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ルパン三世の世界とは

 「ルパン三世」は、68年より漫画の連載が開始され、71年に初めてアニメ化。世に出て40年近く経ったいまも、新作が作られている。息の長い作品である。そのため、世間にはいろいろな顔のルパンがいて、性格も微妙に異なる。

 「ルパン三世」の世界観については、原作者モンキー・パンチも精緻な設定をしていない。そのうえ、アニメという世界に入った「ルパン三世」は、制作環境、制約、あるいは制作者の趣味などによってかなり設定をいじられてきた。
 長くシリーズが続いた結果、設定をするに及ばなかった(あるいはあえて設定しなかった)部分について、描かざるをえない場面が出てくる。
 するとさまざまな解釈が生まれ、「ルパンはタコが苦手だ」「次元は帽子のつばで照準を合わせる」「斬鉄剣はコンニャクが切れない」「銭形にはとし子という娘がいる」など、演出家や脚本家によって勝手に設定が創作されてきた。

 むろん、それ以降に作品を制作する者がそれらの設定すべてを把握できるはずもない。ゆえに矛盾も生まれる。

 よくある「ルパン三世の謎」的な書物がいくつか著されているが、「ルパン三世」においては、これらの設定をあげていったらきりがない。「無意味」と言ってもよいだろう(トリビア的価値はあるが)。

 「ルパン三世」に「決定版」の設定は存在しない。要は「なんでもあり」なのだ。

 最たるは「カリオストロの城」だ。悪党のルパンが、ニセ札強奪というショボい仕事をきっかけに、一味そろって少女のために一肌脱ぐ…もはや天下の大泥棒ルパン三世のやることではない。
 それをあえてやった「カリ城」は(公開当時はヒットしなかったが)後に評価されることとなる。いい意味でも悪い意味でも、ルパン三世の作品群の幅を広げたとも言えよう。

 それくらい「ルパン三世」はふところの広い作品なのである。だからこそ40年も支持されているのだろう。あいまいな設定ゆえに長くシリーズが続く…「007」など昔の映画やマンガなどと同様だ。

 その「007」同様、「飽きた。いいかげん終わらせたらどうだ」という御仁もいることは知っている。自分自身も一昨年までテレビスペシャルから離れていた(作品自体がアニメオタクに迎合していたからだが)。
 だが個人的にはまだまだ続けてほしいシリーズであるし、続くことを確信している。

 原作者自身が本業以外で忙しすぎて、「ルパン三世」どころではない状況にあることは残念であるが。

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ルパン三世

 ルパン三世のビデオにハマっている。赤ジャケの「新ルパン」だ。

 いい年をこいて…と思うのだが、そのいい年だからこそおもしろい。旧ルパン前期などと比べても、子供向けと言われる作品だけれど、エンターテインメントとしては出色のものだと思う。
 大野雄二(しつこくてスマン)の軽快な音楽にマッチした、アクション&コメディ。子供向けのくせに、お色気たっぷりの描写もあるし、物語に伏線をはってあったり。数回分見た後は、良質の映画を見たようなカタルシスに襲われる。

 確かに、とくに初期は稚拙な脚本や作画が目立ち、ツッコミどころも満載なのだが、おもしろさを前にすると、それも許せてしまう。いやむしろ、その成長期あってこその新ルパンだったりするのだ。

 子供の頃から慣れ親しんだ作品という下駄は確かに履いているし、先述の通り稚拙な作品が混じっているけれども、それを差し引いても、すばらしい作品群だと思うのだ。

 モンキー・パンチ作の原作は、妙にダーティだったり(ルパンが簡単に人殺しをしている!)、過度にエロティック(♂マークと♀マークが汗をかいてます)だったりする。傑作といわれるアニメ旧作は、前期は大人向けを意識しすぎて今見ると稚拙に見える。子供向けにシフトした後期はいわずもがな。
 珍作呼ばわりされる「PARTIII」は、エンターテインメントとしてはよくできているが、絵柄のクドさ(前期)や軽さ(後期)もあって今ひとつ深みがない。

 それらに比べ、ギラついた高度成長の70年代から、安定の80年代へ移り変わる時期に生まれた「新ルパン」は、いま見ても魅力にあふれている。

 「旧ルパン」後期のスタッフであった宮崎駿は、娯楽性の強い新ルパンが大嫌いだったそうだが、まあ個人的には宮崎駿のほうが大嫌いなので(カリ城もあまり好きではない)、意に介さない(ようにしている)。
 アニメ「ルパン三世」の地位を高め、声優・山田康雄、作曲家・大野雄二、脚本家・浦沢義雄、アニメ作家・こだま兼嗣(児玉兼嗣)や青木雄三(青木悠三)などさまざまな逸材の地位を高めた作品としても、評価されるべきであろう。

 優秀な演者やスタッフによって、宝石のようなきらめきを見せる「新ルパン」。
 ちょっぴりエッチで間抜けで、でもカッコイイルパン三世。アルコールともよく合うんだな、これが。

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ルパン三世TVスペシャル

 「ルパン三世」のテレビスペシャルを数年ぶりに見た。林原めぐみあたりを起用してアニメファン向けになっていった頃から興味を失っていたのだが、やはり大野雄二が自分の中でキていることもあり、「ファン復活」と相成った。

 キャラクターデザインやストーリー展開を見るに、かなり「原点回帰」を意識しているようだ。変装、カーチェイス、発信器といったギミックも懐かしい(それでもパソコンや着メロ、ユーロ札が出てくるのは時代かな)。
 不二子の裏切り、とっつぁんの活躍と失敗ももちろんあり。次元・五右ェ門の見せ場もある。そして舞台はルパンの祖国?フランスだ。
 サブタイトルの出し方もテレビ第2シリーズのままだったし、ルパンが乗っているクルマが、ヒトラーが愛した名車・ベンツSSKというのも嬉しい(フィアット500は、個人的にNG!)。

 大野雄二によるメインテーマは、77年に生まれた「ルパン三世のテーマ」のアレンジに準拠した新版となっていた(実際は02年から使ってたらしいけど、見てないので不明)。テレビ新シリーズでおなじみのBGMの復刻版も随時織り込まれ、名曲「サンバ・テンペラード」に至っては、大野雄二自らのピアノ(クレジットされていたわけではないが間違いナイ!)によるジャズヴァージョンでよみがえった。

 脚本は「あぶない刑事」の大川俊道。テレビスペシャルの初期は「脚本:柏原寛司」がおなじみだったが…大川脚本は(スタッフ側の意向もあろうが)かなり基本に忠実であった。
 テレビ新シリーズを意識した懐かしさいっぱいのキャラデザインも嬉しかったが、多少デッサン狂いが見られたのは残念だった。

 とまれ、近年「なにか変わった要素を取り入れる」ことでアイデンティティを保とうとしていた(過去に押井守はそれでルパンを殺そうとしたのだから!)テレビスペシャルにくさびを打ち込む意味でも、いい作品になったのではないかと思う。(最近のスペシャルは、見てないからなんとも言えませんが)

 「ルパン」と言えば、豪華な声優陣。しかし、銭形役の納谷悟朗の老けっぷりは許せても、不二子役の増山江威子が、かなり「おばあちゃん声」になってしまった。そろそろ鶴ひろみあたりが担当してもよさそうな気も(…禁句でしょうね)。ふぬけた声のナレーションでおなじみの井上真樹夫の声優仕事が楽しめるのももう「ルパン」だけ。
 「次元声」の小林清志と、クリカンルパンには言及するものナシ。それでいい。
 青野武や八奈見乗児といったベテラン声優も年1回の「ルパンまつり」に花を添えていた。しかし、ベテラン揃いのこの伝統の番組でも、やはり線がヒョロヒョロ動いている下書きアニメで当てレコしているのだろうか…

 エンディングテーマはサリナ・ジョーンズ(有名ジャズ歌手らしい)。作詞はあの奈良橋陽子(ゴダイゴでおなじみ。ルパンでの仕事は言うまでもなし)。

 とにかく豪華、豪華、豪華。楽しめる2時間であった。こりゃもう子供の見るものじゃないな、と思いましたがね。

ちゃんとこんな公式サイトも用意してあったのね。
http://www.lupin-3rd.net/tvsp2004

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