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2015年4月

テレビ画面が汚れていく

一時、テレビ番組でテロップが増えた。
以前は紙で出力する手間があって職人もいたのだが、
その後コンピュータで電子的にテロップを入れられるようになり
バラエティ番組の演出から、
ニュース番組のいわゆる「あおり」まで
「安易」に使われるようになった。

そしてここ数年は「モザイク」「ぼかし」である。
アダルトビデオでしか使われなかった技術が
今では毎日どこかの番組で使われる。

「映ってはまずいもの」を「隠蔽」するために
使われるものであるが、
その映ってはまずいものの基準、しきい値が
下がっているのだ。

まず「スポンサーがらみ」。
以前はこんなにモザイクを使わなかったと記憶するが、
近年は「番組スポンサーの競合のロゴ」がカメラに写っていると、
すべからくモザイクをかけるようになっている。

気になってしまってもはや「逆宣伝」になっている
ケースも少なくないと思うのだが。

たとえばコカコーラの自動販売機。
モザイクをかけても、真っ赤な色に白い文字。
これはコカコーラです、と言っているようなもの。
モザイクをかければ逆に気になると思うのだが。

最近では、いわゆる「提供クレジット」が
画面に表示される際、画面に映っているほかの「文字情報」にも
モザイクをかけるようになっている。
スタジオの中にある小道具や、出演者の衣装に書かれた文字にも、
「提供」のテロップが出るタイミングになると
ぼやっとぼかしがかけられてしまう。
ここまでする必要あるのだろうか?

そしてもう一つのモザイク要員が「肖像権がらみ」。
いわゆる外ロケ、屋外での撮影ともなれば
モザイクのオンパレードである。

これもここ数年で激しくなってきている。
要は「撮影許諾を取っていない人物の顔は放送しない」
という基準ができているのだろう。

ただ、それが画面の半分以上を埋め尽くすことも少なくない。
見苦しいことこの上ない。

そもそも、テレビカメラがあれば「映ってしまう」ことは
常識なわけで、モザイクをかけるほどのことなのか、
と思うのだが…

確かに、偶然撮影現場を通りかかった人の中には、
映りたくない人もいるだろう。
そうなれば「肖像権」を盾に、
訴えることも不可能ではない。

まあ実際には、放送局は係争のデパートだろうし
優秀な弁護士を何人も雇っているだろうから
個人が勝負を挑んだって勝てるはずもないのだが。

とはいえ経費のかかる話。
クレーマーみたいな人物にまきこまれれば面倒この上ない。
放送局側としてはそういう「リスク」を負いたくなくて
わざわざ画面を見苦しくしているのだろう。

しかし、ニュース番組なんかでは
こういうモザイクはほとんど見かけなかったりして、
基準がよくわからない。

昔のテレビ画面は、テロップもモザイクも少なくて
美しかったのに。
ハイビジョンだの4Kだの言っている割には、
テレビ画面がどんどん汚くなっていく気がする。

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待ってました

演芸好きなもので、東京に行くとついつい寄席へ行ってしまう。
寄席には落語家だけではなく「色物」、落語以外の芸を披露する芸人も登場する。
また色物はテレビ・ラジオの演芸番組にもよく登場する。

三味線漫談の三遊亭小圓歌は、その美貌もあり、メディアにはよく登場する色物のひとり。
また寄席でも何度も拝見させていただいた。

…ただ。見るネタがいつも大体同じなのだ。
「師匠の圓歌はちっちゃすぎてポケットに入る」とか、
小噺も毎回同じ。歌う小唄・端唄も、「これ前も聴いたな」というものばかり。

で、「ワンパターンだ」みたいなことをTwitterに書いたのだが…
こう諭された。「あの人たちは、落語家を引き立てる『華』なんですよ」、と…。

そう、色物は落語家の合間に出てくる、「ショウタイム」。
落語家より笑いを取るのは通常御法度なのだ。それができる力量があったとしても。

だから、毎度毎度ネタを変えるのは漫才師くらいで、
あとは毎回同じようなネタを繰る。

ギター漫談の「ぺぺ桜井」も、やるのは毎回一緒。
「カエルの歌」を短調で歌い、ヨナ抜き音階で歌い、沖縄音階で歌い、
ギターで「禁じられた遊び」を弾きながら「浪花節だよ人生は」を歌う。
最後は「『サヨナラ』という曲をお聴き下さい。サヨナラ!」で締めくくる。

テレビでもラジオでも寄席でも全部同じ流れでやる。
正直「またか」とは思いつつも、やはりこれがこの芸人の在るべき位置なのだ。

落語家だって、もはや一つのネタしかやらない大御所もいる。
小圓歌の師匠の三遊亭圓歌とか、軍歌と口ラッパの川柳川柳とか。

色物が一つのネタを極めたって何の不思議もないのである。そして実際に笑いを取るわけだし。
しかも「適度」な笑いを、だ。

だから、これらの芸人のネタをテレビ・ラジオで見る、聞くときは、
「またか」と言わず、「待ってました」と言うべきなのであろう。

まあ、「またか」と思う心も、それはそれで大事なんでしょうけど…

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