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君よ憤怒の河を渉れ

急遽訪れた、高倉健ブーム。
「健さんが死んだからって急にハマるにわかファン」と
罵られようが、見たいものは見たいんだから。

申し訳ないがオープニングをYoutubeで見て、
テーマ曲でやられてしまった。
「ダヤラ~ダヤララ~」と低い男性のスキャット。
ドラムスとともに小気味よくリズムを刻むベースギター。
シビれます…

で、BSで放送するというので、録画して見ました。
150分一本勝負。

タイトルで検索していただければ分かるように、
総じて評価は低い映画である。

大味なストーリーに、
まんべんなく散りばめられたご都合主義、
無意味なお色気シーン、
場面に合わない陽気なBGM…。

いやいや、70年代なんてこんなものでしょう。
高倉健ですよアータ。

東映を飛び出した健さんを見るための映画に、
整合性なんか要らなかったのでしょう。

大体ね、「熊が着ぐるみだ」ってみんな
ツッコんでるけど、ホンモノは使えないっしょ。

健さんと中野良子が愛し合うシーンも、
倍賞美津子の下着姿も、カットしたって何の問題もない。
でもエロが必要だったんですよ、この時代は。

セスナを気前よくくれてやる大滝秀治の豪快さ。
狂気をもてあそび死んでいく岡田英次のはかなさ。
悪の枢軸なのにあっけなく殺される西村晃の切なさ。
すべてが健さんを引き立てるアペリティフ。

池辺良は渋く、原田芳雄は野性的に、
健さんを追い詰めていく。

後半の廃人演技で魅せる田中邦衛、
角刈りさわやか大和田伸也、
必笑チョイ役・阿藤快(当時・海)…
もう、見どころありすぎ。

都合よく進行するストーリーに
突っ込みたくなるのは分かるけど、
不可能を可能に変えていく健さんが正しい。

夜の京王百貨店前を、馬が駆け回るなんて
今じゃできっこない(当時もかなりやばかったそうだが)

サスペンスシーンでかかる「第三の男」みたいな劇伴の
ミスマッチさは確かに気にはなる。
恐怖感を打ち消すように思えるが、
よく聞けば、徐々に危機感を煽る曲調でもある。

もう、それよりもメインテーマですよ。
健さんの「憤怒」(正しくは「ふんど」ではなく「ふんぬ」)が
煮えたぎるような曲じゃないですか。
たまりません。

健さんが超人的に全てを解決させたあとのエンディングも、
この曲が華々しく飾っている。
ダヤラ~ダヤララ~。

文革後の中国でこの映画は大ヒットし、
当時、中国人民の8割は見たそうで、
高倉健はかの国でも抜群の知名度を誇るという。

願わくば健さんにもう一本映画を撮って、
外交に一役買ってほしかったなぁ。

駄作の烙印を押されがちな映画ですが、
私は満足させて頂きました。

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