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2013年10月

食材で贖罪?

阪急阪神ホテルに端を発した「ホテルレストラン食材偽装」の連鎖。
連鎖と言うより、これはもう「どこでもやっている」ことなのだ、と思う方が自然だ。

報道番組で、「芝エビ」と「パナメイエビ」の食べ比べをしていたが、
記者が両者で作ったエビ料理を味見したところ、
言われなければまず差は分からない、という。

果物ジュースが生搾りか濃縮還元か、ならまだしも、
漬物が既製品か手作りか、なんて
内部の人間でも見分け(食べ分け?)がつかないだろう。

逆に言えば、そんなもの気にしてもしょうがない、
という話にもなるけれど。

でも、松阪牛のひとくちステーキと偽って、
オーストラリアビーフに牛脂を注入したひとくちステーキを出せば、
それは偽装、いわば詐欺である。

オーストラリアビーフが500円で、
松阪牛が5000円なら、単純計算で売上は10倍になるわけだ。

ただ、原材料なんでもかんでも産地を気にしてもしょうがないだろう。
ステーキに振りかける胡椒の産地まで気になるか?
マレーシアかインドネシアかフィリピンか…

産地を気にする消費者と、
それに応えようとした店。
そして嘘をついてしまう店。

食の安全、とはいうけど、
なんでもかんでも気にしすぎるのは、
それはそれで不健康な話である。

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えげつな~

カーポートマルゼン」のCMが頻繁に流れている。
タイヤ専門店。
スタッドレスタイヤの導入シーズンに合わせたものである。

以前はゴールデンタイムの全国ネットCMだけだったが、
ここへきて、岩手のTV局で直接CMを流しているようだ。

この会社は大阪の堺が本拠地で、
店舗は多くが関西地方にあり、あとは埼玉に1店あるのみ。

それがなぜ岩手でCMを流すかというと
「全国送料無料」だからである。

WEBサイトで商品を品定めし、
あとはポチッとすれば、大阪からタイヤやホイールが届くという仕組み。

確かに、タイヤやホイールなんて、
多くのカーユーザーにしてみれば、
生でじっくり品定めすることはあまりなくて、
スペックやメーカーの評判なんかで決めることが多いだろう。

タイヤは重くてでかく、送料はかかりそうだが、
店側とすれば大量仕入れ、大量販売ならばペイするというわけだ。

岩手県内にも、タイヤ店なり、カー用品店、
ガソリンスタンドなどタイヤを売る店は多いが、
それと真っ向から正面衝突、というか「側撃」的な対決となる。

これら実店舗で品定めし、
実際の買物はネット…まさに「ショールーミング」である。

ビジネスはビジネス、文句は言えないけれど、
なんともえげつない商売、という気もする。

カーポートマルゼンのCMは単純。

「タイーヤマルゼン、タイヤーマルゼン、
ホイールマルゼン、ホイルーマルゼン」。

関西弁の節回しで歌いながら、
たくさんの店員が倉庫の中でタイヤを転がす。
そして「全国送料無料」をアピールする。

これが"なにわ流"や!買わんとナンコ沈めたろか!
…と言わんばかりのCMには、
ついつい「えげつな~」と思わされる。

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あまちゃんオリジナルサウンドトラック



「あまロス」の諸兄。
常日頃より録画した映像を見ては
ハンカチをかむ日々を送っていることと思うが、
テレビ番組から流れてくる「あまちゃん」のBGMに、
懐かしさがこみ上げる人も少なくないだろう。

「あまちゃん」の音楽を余すところなく(実際はかなり余しているそうだが…)
収録したサントラ集が、ビクターから2枚リリースされている。

まだ郷里編を放送中だった6月リリースの
「オリジナルサウンドトラック(以下便宜上「1」と表記)」、
最終回の近づいていた9月中旬リリースの
「オリジナルサウンドトラック2」である。

聴くと、「あぁ、こんな曲あったな」とか
「あの場面でかかっていたな」と、
ドラマが放送されていた頃にタイムスリップしたかのような、
錯覚に襲われる(大袈裟ですかね)。

音楽を担当した大友良英は、
「ノイズミュージック」という即興性音楽の演奏で知られている。
映画の劇伴の仕事も多く手掛けるが、
テレビでの仕事はもっぱらNHKが多いようである。

自分もこの番組で初めて聞いた名前であったが、
いやはやこの大友という作曲家、凄い人だと心底思う。

若き日には海外でバンド活動にもいそしんでいたとのことで、
音楽的素養の豊かな人物のようであるが、
かなり広いジャンルの音楽に精通しているようだ。

サントラの曲タイトルからもうかがえる。
「ブルース」「マーチ」「ワルツ」「スカ」
「デキシー」「サンバ」はまだなんとかわかるが、
「クレッツマー」「ラグタイム」は「なんじゃそりゃ」である
(クレッツマー=クレズマーはなんとなくわかってはいたが)。

「あまちゃん」の面白さは、雑多なジャンルの音楽要素を
身にまとった劇伴によって、彩られていたのだろう。

大友が作曲していない曲が、含まれている。
それが「いつでも夢を」と、「星めぐりの歌」。

「星めぐり」はライナーノーツに書かれている通り、
宮沢賢治が作曲したものである。
ドラマの中では、祖父・忠兵衛のシーンで印象的に使われた。
郷愁を帯びた独特のメロディ。
これを採用した大友の慧眼にも恐れ入るところである。

ほかにも、「探偵物語」へのオマージュなどもあって、
ホホーと感心させられたり。

CDに収められている曲は、
ほとんどがアコースティック、楽器演奏による曲である。
打ち込みなどの電子楽器音はあまり使われていない。
しいて言えば電子ピアノ、エレキギター程度。

打ち込みでは難しい「変拍子」の曲もあって、
ドラマに緊張感を与えていたのかな、とも思う。

そうそう、エレキと言えば、脚本を書いたクドカン、
宮藤官九郎も、エレキで演奏に参加している曲がある。

宮藤も音楽についての知識は人並み外れたものがあることは
脚本家らも伺い知れた。
そりゃ、音楽でも楽しめるドラマになるはずである。

CD全体を通して聴いていくと、
おなじみのテーマ曲を主題にしたものが多く、
同じようなメロディが続けて使われているので、
2の後半にもなってくると
「またそれか」と思ってしまうところはあるが、
そこは目をつぶって、1・2通して聴いてみてもらいたい。

「あまちゃん」がいかに楽しく、切なく、
滋味深い作品であったか、実感できると思うのである。

「あまロス」解消、というより、
これを聴いて「あまロス」をこじらせてほしい…、
番組ファンの切なる願いである。

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地元を食べよう

スーパーに立ち寄る。
全国から集められた食材の数々。
中国産もありますが…。

地元岩手県で生産されたものといえば
野菜、肉、魚の「生鮮三品」。

いっぽう、岩手県内で生産された加工食品は
ごくわずかしか見られない。

地元紙に「食品コンクール」の受賞品が
広告の形で掲載されていたが、
大体こういうものは「スーパー」ではなく、
道の駅とかデパートなどに
並べられることが多い。

というのも、食品スーパーは、
仕入の際「買い叩いてくる」からだ。

全国レベル=大量生産=激安、の商品を
多く取り扱っている以上、
そういう価格帯のものを並べていくことになる。

いっぽう、岩手県内で細々と生産される商品は、
そう安くは出来ない。

業者は1000円で売りたくても、
スーパーは500円じゃないと売れない、という。
そんなことをしたら原価割れ、大赤字である。
そもそも、500円でも売れないかも知れないし。

だから、スーパーに並ばないのである。
そうして消費者の日の目を見ないまま、生産が打ち切られる。

「食品コンクール」を受賞した商品のうち、
生き残るのはごくわずかだったりする。

コンクール受賞という冠があればまだいいけど、
世の中、いや岩手県内でも「新製品」は常に生まれていく。

味は美味しいのに、消費者の目に触れないまま、
高い値札をつけられ、売り場の肥やしとなっていく。

我々消費者も、
大量生産されたものばかりを買い求めるのでなく、
地元のおいしいものを意図して買い求めるよう、
努力していかないと、
地元で美味しいものを生み出そうとする人が
いなくなってしまうかもしれない。

岩手に限ったことではなく全国どこでも同じ事が言えると思う。

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タモリ伝説

「笑っていいとも!」が来年3月での終了を番組中に発表した。

もうここ10年ほどは、散発的に「番組終了」のうわさが立っては消えていた。
とくにここ数年は視聴率が低迷、リニューアルを繰り返していた。

テーマ曲を変更してまた元に戻したりしたのは記憶に新しい。

さらに今年春には、主役の「森田一義」ことタモリの出番をグッと減らしていた。
タモリの体調が悪いという説も出たが、リニューアルの一環でしかなかった。
しかしこれも奏功せず。

ドラマ出身の亀山社長が、背水の陣で「聖域なき改革」を求め、
この「世界的長寿番組の終了」を決断したようである。

もとより、人を食ったような「森田一義アワー」なる副題からして、
ジョークで始まったような番組だった。
「怪しいタレント」だったタモリを、お昼の顔に据えた実験的番組だった。

その怪しいタレントが、足掛け32年間のロングラン。
ギネスブックにも載った。
タモリは「国民の皆様に感謝です」と語っている。

最近の低迷は、時代の流れもあるだろう。
星の数ほど裏番組を蹴散らしてきたが、
最近では情報系の「ワイド!スクランブル」「ひるおび」が安定。
情報とバラエティのゆるい折衷「ヒルナンデス!」も支持を集め、
いいともの牙城は切り崩されていった。

そしてマンネリ。
レギュラーもコーナーも間断なく変えていったが、
最近トンと見なくなった「公開放送」というスタイル自体に限度があった。

番組終了に至る原因について、
32年間のどこかがターニングポイントだったのでは、
というのを探す向きもあるようだが、おそらくどこにもない。

個人的にはジャニタレの重用が気に入らなかったが、
放送歴の半分くらいは頼っていたから、それを悪役にはできない。

時代の流れとマンネリ、それに尽きるだろう。

さて、タモリ。その今後だ。
このブログのアクセス数の半分以上は「タモリ伝説」に集まっているので
当然気にはなる。

「タモリ倶楽部」「ミュージックステーション」も
降板し、一気に引退へ…ということも考えられる。

早稲田の先輩である大橋巨泉も、老境に差し掛かるころ、
「セミリタイア」と称し、段階的に引退していった
(いきなり国会議員になってすぐやめたりしたが)。

タモリも、仕事を減らしていく方向を考えているのだろうか。
好きなもの…電車、坂道、ジャズ、料理、酒をたしなむ生活へ
スライドしていくのだろうか…。

いやいや、ソバ打ちみたいな地味な暮らしは、
タモリ自身が求めていないのではないか。

老いぼれながらもふざけるタモリも見てみたい。

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「あまちゃん」より「あめちゃん」!?

「あまちゃん」の記憶が薄れつつあるなか、
ツイート検索してみると、
「あまちゃん見てへんからわからへん」「あまちゃん嫌いやねん
といった書き込みが妙に目立った。

「関西では『あまちゃん』は不人気」なんて言ってたしなぁ。
やっぱりそうなのか…

…と思ったのだけど。
視聴率で見る限り、日本人の半分以上は見てないはずだし
(録画やBSで半分は見てたという説もあるが)、
関西に限ったことではないのかな、という結論。

おそらく、その「関西弁ツイート」が目についただけだった。
っていうか、方言でツイートしてるのって関西人だけじゃね?とも。
普段から関西弁使ってる…というか、つこてるし、
電脳空間上で同じ口調になるのは当たり前なのだ。

東北人は東北弁でツイートしないし、
九州人は九州弁を使ってつぶやかない。
例外もいるけど、関西人ほどじゃないでしょう。

東京でも、関西弁は妙に目立つ。
方言を隠そうとしない。

いかに関西弁、近畿方言が「地位を得た方言」であるかの証左だろう。
本来の「都」であるわけだし、
いまもテレビで関西方言を聞かない日はまずないし。

やっぱり東京行ったら、東北弁、ズーズー弁は隠そうとするもの。

最近、東北弁を使う若い方言タレントが出てきているけど、
隠そうとしてきたことの反動なんだろうな、と。

ただあれもレアケースで、
いま高校生とか子供から方言を聞くことはまずないし。

「あまちゃん」では「GMT」という地方出身者が
アイドルグループを結成する、という設定があったけれど
若い女の子が「なまり丸出し」で話し合う、なんて、
現実にはまあありえない。
ありえないから、面白いわけだね。

GMTには関西出身者はいなかった。
だって、視聴者は関西弁を聞き飽きてるんだもんね。
宮藤官九郎はそこをよくわかっていたのだろう。

主演含め、キャストにかなり関西出身者がいたが、
ほとんど聞かれることはなかった。

唯一、古田新太演じる太巻が、
関西弁を「恫喝」するときに使い、
「悪のアイコン」になっていた。

だから関西の視聴者に嫌われた…わけではないんだろうけど。

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「ごちそうさん」ならぬ「ごっつぁん」!?

「あまちゃん」について、
自分なりに総括しようと思っていたが、
そうそうたるお歴々が様々な総括を行っているので、
オツムの弱い自分なんぞおこがましいと思い、やめた。

で、「ごちそうさん」は計2秒しか見ていない自分が
書くのもなんなのだが。

早々に、「ごちそうさん」が「天城越え」ならぬ「あま越え」。
視聴率27.3%をたたき出し、「あまちゃん」の最高である27.0%を抜いたという。(日刊スポーツ

しかしこれには「からくり」がある。
「お膝元」である関西が21.4%という凡庸な数字(でもないが)だったことに秘密があり、
実際は「台風情報」を得ようとした視聴者が、
そのまま「ごちそうさん」に流れたようなのだ。(スポニチ

ただし。
それがなくても、「ごちそうさん」は好発進中で、
連日高視聴率御礼なのだ。
「あまちゃん」が当初は低空飛行だったことに比べると…。

「朝ドラの歴史を変えた!」と散々持ち上げられた「あまちゃん」の後なら、
絶対視聴率は下がると思われていたのに、ふたを開けてみれば、である。

しかし、この高視聴率は「あまちゃん」が支えている、という側面もあると思う。

(1)「あまちゃん」で朝ドラ視聴の習慣がついた

朝の連続テレビ小説、通称朝ドラは、伝説の「おしん」をピークに、
どんどん視聴率は下がる傾向にあった。

そんな中で、宮藤官九郎という「飛び道具」を起用した「あまちゃん」は、
社会現象とまで言われたヒットドラマになった。

8時になったら「朝ドラ」を見る、という習慣をつけた視聴者が、
そのまま「ごちそうさん」を見続けているのであろう。

(2)「あまちゃん」は見ない、と決めていた人々の「反動」

「飛び道具」的なドラマだった「あまちゃん」に反目していた視聴者が、
「朝ドラの王道」的作品である、という前評判で始まった「ごちそうさん」で、
朝ドラに帰ってきた、というパターン。

または、「あまちゃん」が終わったから、
次回作がどんな作品かは知らないけど、まあ見てやろう…という、
"あまノジャク"な人もいるかもしれない。

(3)「あまちゃん」が評判だったから、朝ドラを見てみた

朝ドラを見るという習慣は「あまちゃん」放送期間中もなかったが、
みんな盛り上がっていたから、じゃあ、朝ドラってやつを、見てみよう。
で、「ごちそうさん」で朝ドラデビューを果たした視聴者もいると思われる。

問題は、(4)「あまちゃん」が終わったから朝ドラ視聴はやめる、という人。

自分もこのパターンであるが、こういう人が多い、と思っていたら、
実は案外、みんな(1)だった。

さらに(5)「あまちゃん」は見ていたが、「ごちそうさん」はつまらない、と感じ視聴をやめる
という人も、あまりいない。
Twitterでは好意的な感想が大半のようである。

なるほど、こりゃ「あま越え」するわな。

「ごちそうさん」はその「王道」的内容からみて、
「朝ドラを変える」ほどの存在にはどうやらならないだろうが、
人々の記憶には、残りそうな雰囲気。

「あまちゃん」の後番組、という重圧を軽く「食べて」しまったわけだ。

まあ、2秒しか見てないからよく知らないんですけどね・・・。

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落語家の通信簿

三遊亭円丈著。祥伝社新書。
「落語家が落語家を評論する」、著者曰く「世界初」の書。

評価を下す同業者(本人含む)は53名。
鬼籍に入った大師匠から、長老、笑点メンバー、
立川流、円楽党、若手ホープ、上方人気落語家まで…。

にわか落語ブームで「落語評論家」が書いた本を幅を利かせる中、
こういう人々が書く本は、
うさんくさいんだよな…とこの本を著したという。

自分じゃ落語もできないくせに、
「この落語家が一位!」なんてぬかすな、と。
ああ、こりゃ堀井憲一郎だな、と。

異常な数の落語会を鑑賞し、いつ仕事してるの?と思うような
「落語依存症」もいると。これは広瀬和生。

こういう評論家を標榜する人たちと比べ、
円丈自身は、常日頃から他の落語家の口演を
いつも聴いているわけではないという。

ろくに聴きもしないで同業者を批評するな、
という声もTwitterで聞いたが、
序章で円丈ははっきり、
「落語家が、人の落語ばかり聞いてるわけにもいかない」と言っている。

広瀬みたいに、異常な回数の落語鑑賞をした上での評論、
というのも常軌を逸しているが、かといって
あんまり落語に触れていない人の評論は、
あまり信用はできない。

だったら、プロがプロについて語ってやろうじゃないか。
そして円丈はこの危険な賭けに出た。

序章で円丈は「落語の楽しみ方」を提案していく。
よくあるガイド本にもこんな一節はあるが、
プロ中のプロは、ジョークを交えながらレクチャーしていく。

「落語なんて娯楽なんだから、楽しめばいいのだ」
という見方には全面同意する。
それこそ広瀬のように、過去の誰それの口演を引き合いに出して
比較したりなど、現実味に乏しい。

落語は高尚な芸術なんかじゃない。娯楽なんだから。
その「たかが娯楽」に落語家が身を削って腐心する。
それを客は高みの見物としゃれ込む。それがいい。

何も予備知識をため込んで理論武装して、
落語家に対峙する必要はない。
そんな考え方を、円丈は序章で教えてくれる。

そして実際に落語家を評価していくのだが、
もちろんこれは見てのお楽しみ。

評論する53名のうち、
知り合いの落語家が多いのはしょうがないが、
あまり接触がない落語家で、人気落語家とされる人たちも、
俎上にあげている。

通して読んでみたが、本気だかどうだかわからないところもいい。
自らを採点してみせるところなんかは、円丈節の真骨頂だ。
先述の堀井や広瀬、福田和也あたりの
「落語評論家を気取る落語の素人」へのイヤミも痛快である。

中でも談志以下、立川流の人気落語家を論じる章は
ネット上で話題になっている
(それでこの本を買ったのだが)。

立川談志に対しては、辛口ながら思い入れも感じさせる一方、
「談志イズムの継承者」立川志らくへの書きぶりは辛辣で、
「おすすめ演目」欄に至っては「おすすめしない!」。

確かに、師匠譲りの「高慢」「傲岸」が気になる人には快哉…なんだろうが、
いいのこれ?と思ってしまう。
読んだ志らく本人は「私はあんな書き方しません」とさすがに少し腹を立てている。

円丈としては、くぎを刺したつもりなんだろう。
「お前、それでいいと思うなよ」、と。
志らくやそのファンが反応することを分かっていて、あえて書いている。

近年の円丈は老いもそろそろ隠せなくなっているが、
やはり牙は磨いているのだ。

そう、若き日の円丈がその牙をむいた、兄弟子の三遊亭円楽についても、
相変わらず辛辣な評価を与えている。
弟子は促成栽培で甘やかしだから大した落語家もおらず…と一門にも冷酷だ。

しかし実際、円楽会で客が呼べる落語家というと、
六代目円楽くらいしかいないのも事実であり…。

口跡…いや筆跡は過激だが、はたと膝を打つ一冊であったと思う。


落語家の通信簿(祥伝社新書)

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蝶よ花よ

交通事故で亡くなった「桜塚やっくん」。
「スケバン恐子」のネタで有名な芸人だった。

地方イベント出演のため、自ら自動車を運転していたところ、
高速道路で中央分離帯に衝突、
車外に出たところをはねられ、
マネージャーとともに死亡した。

一時、やっくんは「エンタの神様」で「スケバン恐子」を披露、
その容貌とあいまって売れに売れた。
しかし「キャラを消費する」と言われる「エンタ芸人」の凋落は早い。

しかもやっくんの場合はスキャンダルがふってかかり、
芸能マスコミに書き立てられて、
一気に露出がなくなる。

最近は女装バンドを組み、地方を回り活動をしていた。
言葉は悪いが「ドサ回り」的なものだが。

やっくんはメンバーやマネージャーを連れて、
自分で車を運転していた。
それがあだとなってしまった。

亡くなった後、芸能マスコミは「桜塚やっくん一色」。
芸人仲間の「いい奴だった」というコメントから、葬儀の内容まで。
スターの最期…。

しかし、マスコミも勝手なものだ。

持ち上げておいて、一気にスキャンダルで突き落とし、
無視を続けていたくせに、
死んだら蝶よ花よの扱い。

タレントなんてしょせん「商品」なのは分かっているけど。
マスコミのこの勝手さ…

「戻らぬあの笑顔」、なんて気持ち悪い。
泣き顔ばかり追いかけているくせに。

逆に言えば、それだけの扱いを受けることを
覚悟していないと、タレントなんて勤まらないのかもしれない。

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なくて七癖

ああいう年寄にはなりたくね~な~、と思うような
オッサン、というかジジイ、いるよね…

食堂で、ずーっと舌先でチュッチュと音を出してるジジイ。
歯に挟まった食べカスをいじっているんだろう。
あれって口を閉じれば音は出ないはず。

音と言えば。以前も書いたけど、
足音を立てて歩くオッサン。若者もいるけど。
これでもかと靴やサンダルを引きずって歩くけど、
なんでそんな歩き方なの? 自分ではうるさいと思わないのかね?
病気とかなら仕方ないけど、どう見ても健康そうなんだよな。

トイレも縮図。
おち○ちんをむんずとつかんだ手で
お○ん○んをしまいこんだら、
手を洗わないで悠然と出ていく。

見た目が田舎臭いオッサンは、
まあ5割以上が手を洗わない。
俺のは汚くない、ってか? 困ったもんだ。

ひどいのは、大のトイレに入って、
「発射音」を大音響で響かせる連中。
田舎のオッサンでなく、
ジェントルマンでもそういう人がいる。
志村けんのコントか?

少し下品な内容になったことはお詫びするが、
男だからガサツでも許される、と思ったら、
大間違いだからね。
見せられる聞かせられるほうが不快になる行為は
しないようになりたい。
まあ、いなくなりはしないだろうが…

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旧やじうま

テレビ朝日「やじうまテレビ!」が終わり、
10月から「グッド!モーニング」が始まった。
ファンはお分かりと思うが、
もうほとんど番組内容は「同じ」である。

わが県の系列局は5時50分のニュースからしかネットしていないので
4時55分からの前半部分は未見だが、
仄聞するところによるとやはり「やじうまテレビ」と変わっていないという。

出演者はほとんど同じで、
司会は坪井、松尾、久富の各アナウンサー。
コメンテーターも、中尾彬の曜日が変わったことくらいで
メンバーはさほど変わらず。
スタジオセットも、テーブルのデザインを変えただけで
「スーパーJチャンネル」と共用のセットは同じ。

番組内容も、若干時間帯を入れ替えたりしている程度。
「ネット情報との融合」をうたっているが
Twitterの検索ランキングを紹介したりするのは、改題前も同じ。
あげく、ケツメイシの番組テーマ曲まで変えない始末。
そもそも「グッドモーニング!」というありきたりなタイトルだって、
テーマ曲のタイトルそのままだし。

要するに「やじうま」というタイトルを捨てたかっただけなのだろう。
「やじうま」は、29年前に「やじうまワイド」として始まり、
以後「やじうまプラス」「やじうまテレビ!」と改題して長く続いた。

当初は新聞紙を「野次馬根性で紹介する」というコンセプトで、
「おはようテレビ朝日」という関東ローカルの情報番組のワンコーナー
「ヤジウマ新聞」が開祖である。

確かに「やじうまワイド」時代までは
新聞論評…とまではいかないまでも、
新聞を基にした世情論評はあった。
なかでも、三宅久之がゆでダコみたいになって
怒るのが名物だった。

「新聞紙面紹介」を他局の裏番組が模倣するようになり、
番組の独自性が薄れてしまうと、
「やじうま」も徐々に新聞以外に活路を見出すようになり、
「やじうまプラス」と改題、番組開始以来の顔だった吉澤一彦アナが降板。

しかし番組内容は「迷走」を続け、
「やじうまテレビ!」では「天気予報」を番組のコアにする、
という英断が下される(これはすぐ終わるのだが)。

今年9月末の時点ではTwitterの検索ランキングなどの
「ネット情報」を積極的に紹介するなど、
「やじうまワイド」時代とは似ても似つかぬ内容に変貌していたが
「やじうま」というタイトルは捨てられなかった。

「グッド!モーニング」でようやく番組タイトルから、
「過去の遺産」だった「やじうま」が外されたが、
新聞紙面紹介コーナーの「ブランド」として、
「やじうま新聞」の名称が残された。

ただ、改題後にやや比重が置かれるようになった、Twitter検索ランキングなどの
「ネット情報」のほうがよっぽど「野次馬」的なのは、皮肉なものである。

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タケダスポーツ

盛岡市に本社を置くスポーツ用品チェーン、タケダスポーツが
民事再生法を申請。負債54億円。(河北)

青森・岩手・秋田・山形の各県に店舗網を拡大、
一時は北海道にも進出していた。

当該地域に住んだことのある人なら、
「タケダスポーーーツ!」という雄叫びCMは、
聞いたこともあるだろう。

敗因はいくつかある。
まず大手資本との競争。

同じ東北地盤のゼビオや、
イオン系のスポーツオーソリティ。

一度岩手を撤退したアルペンも
先日、再び盛岡に進出するなど、
戦いは激化していた。

その中でタケダスポーツは、
店舗年齢の過ぎた、中規模な店舗が多かった。

「時代遅れ」。
古色蒼然としたロゴマークが
タケダスポーツの現状を反映していた。

一時はスキー用品で大きく売り上げを伸ばしたようだが、
御存知の通り、スキー人口は大きく減少。

危なくて面倒で金のかかるスキーに
若者はそっぽを向いて、
スマホの小さい画面でお金を使っている。

スキー華やかなりし頃はタケダスポーツも
釈由美子や眞鍋かをり、佐藤江梨子といった
売れっ子タレントを起用していた。

それが「りんご娘」という、
青森県限定のアイドルに変わった時、
タケダスポーツの退潮を感じた人も多かったことだろう。

同社の売り上げ減は、
東日本大震災も少なからず影響していたと思う。

全国資本のヴィクトリアを買収するなど
上手に会社を大きくしたゼビオが、
「同じ東北の企業のよしみ」で、支援するという。

同情される哀しさはあるし、
いつか看板が「XEBIO」に変わる懸念もある。
小規模な店舗を中心に、
店舗網の整理も必須であろう。

東北に明るい話題が続いた中で、
また少し、暗くなるような話であった。

倒産といっても破産ではなく民事再生なので、
タケダスポーツは変わらず営業中である。
明日、行ってみようかな。

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