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「アッコにおまかせ!」を10倍楽しく見る方法

日曜昼の定番といえば、「NHKのど自慢」かTBS系列「アッコにおまかせ!」だろう。
最近は「ウチくる」「サンデースクランブル」の追い上げもあると聞くが。

「おまかせ」は調べたところ、来週で28年目に入るそうで
相当な長寿番組である。
古舘伊知郎と一緒にやっていた頃から記憶にあるが…。

10年くらい前までは、トークや中継を主体とした、ほのぼのした番組だったが、
和田アキ子のキャラを生かすため、現在はワイドショーで取り扱う話題や、
いわゆるB級ニュースを面白おかしく扱う、
やや刺激のある番組になっている。

和田と言えば「歯に衣着せぬ発言」で物議を醸すことが少なくないが、
実際には、筋も通っているし、納得させられることも多い。

和田を「カラいばり」「根拠のない毒舌」と片付ける人もいる。

でもね、和田アキ子は60年代から芸能界にいて、
生き馬の目を抜く世界をくぐり抜けてきた人なのよ。

真偽のほどは知らないが、大阪では何十人もの舎弟を従えていた
「ホンモノのヤンキー」だったのに、
東京に来たら逆に梓みちよにイジめられて涙を飲んだりもしているのだ。

だから、あのくらい威張るのは、ちゃんと根拠があるわけだよ。

ただ、和田は「仲良しには優しく、でも人見知り」という欠点がある。
ニュースのVTRで画面の隅にワイプ(小窓)が出るだろう。

仲のよい後輩や芸人のときはどんなニュースでも和田はニコニコしているのに、
小林幸子とか、よく知らない若手俳優のスキャンダルになると、
急にムスッとして、「鉄仮面」になってしまう。あの落差はこの番組の名物だろう。

まあ和田としては、変にリアクションをとって
物議を醸したくないのかもしれない。
そのあたりも考えながら見れば、和田の鉄仮面にも、味わいが出てくる。

カラいばりと書いたが、確かに和田の態度は横柄だ。
「ますおか、何か面白いことやってぇや」。
で、岡田がひとしきりすべると「お前、何がおもろいねん」。

スリムクラブにシュールな奴をひとネタさせれば、
引きつった笑顔で「…何がおもろいんか、意味わからん」。

そう、ヴェテランといっても中身はただのオバサンだから、
最新の笑いには、ついていけないのだ。

安東アナがニュースを紹介するコーナーでも、
コメント一つとっても、自分の交友範囲など「いまそれを言わなくたっていいだろう」的な、
ムダなコメントをしたりするときもあるし、
「一般視聴者のオバサンの方が、もっとマシなコメントできまっせ」
と言いたくなるようなコメントに終始するときもある。

あの和田アキ子だって、「普通のオバサン」なのだ。
常に「"芸能界のドン"らしい、ビシッとキメたコメント」をするわけじゃない。
どうです、親しみやすくなるでしょう。

いつも歯に衣着せぬわけじゃない。
ナベプロやジャニーズ、バーニングといった「恐怖事務所」には
一定の配慮を示しているのが分かる。
ナベプロの前社長、井澤健のニュースのときは、
誰が見ても分かるほどビビっていたし。

そんな和田の「裸の王様」ぶりを示す最大のキーワード。
「キャメラ」。

彼女はテレビカメラのことを、かたくなに「キャメラ」と言って、
はばからない。
もう芸能界広しといえども、
テレビカメラのことを「キャメラ」と言う人はそう多くないだろう。
(あとは藤岡弘、くらいだろう)

彼女が「キャメラ」と言った途端、共演者たちに広がる
「ツッコミたい雰囲気」。客席の若い女性たちも皆言いたいはずだ。

「アッコさん、キャメラじゃないよ、カメラだよ」。
それをぐっとこらえて、共演者たちは自宅に帰り、
庭に穴を掘って「カメラー!」と叫ぶのだ。

…アッコのキャメラはロバの耳。

そんなアッコ王も、本業は歌手。
まあ、70年代の全盛期と比べれば声量も格段に落ちたし、
ヒット曲も出ないのであるが…

それでも今も、スポーツイベントなどで国歌斉唱するときもあり、
その時は抜け目なく「おまかせ」の取材班が撮影してくる。

その時の、和田の萎縮ぶりったらない。
何度も何度も深呼吸をしてから本番に臨み、
ひどいときは、本番の歌い出しに失敗するときすらある。

ああ見えて、気がとても小さいのだ。

峰竜太たち共演者も、
そんな和田の「ツッコミどころ」を常に探していて、
ここぞ、というところで軽めにツッコんでいく。

そして和田のリアクションを楽しむのだ。
半笑いするのか、軽めにキレるか。
視聴者も、和田の出方を予想して楽しめるわけだ。

扱い、と言うかあしらいが一番上手いのは勝俣州和で、
和田をほどよくバカにするのだが、その絶妙さは他の追随を許さない。
おそらく「キャメラ」を一番最初に本人にツッコむのは勝俣だろう。

真っ正面から切り込むのは出川哲朗。
その愚直さ加減が、視聴者の笑いを誘う。
そして和田からツッコまれて笑いが増幅するのだが
出川はそこまで計算している。

計算できているか怪しいのは松村邦洋。
生来のトーク下手と、
「持っている知識はとりあえず披露しておきたい」という悪い癖で、
いつも妙な間を生んでしまい、和田から鉄拳制裁を受けてしまう。
そのときの松村の苦り切った顔のおかしさも天下一品である。

このように、和田アキ子を中心とした
「鉄壁の城砦か、砂上の楼閣か分からない」ピラミッドで繰り広げられる、
秩序と混沌のブレンドされた空間が、
この番組の魅力なのだ。

和田本人も、威張ってはいるけれどその統治能力には疑問符がつき、
それは共演者も本人も分かっている。
だからこそ、下克上的ギャグなどの「お約束」が成立する。

そんなところを考えながら見れば、
「アッコにおまかせ!」はもっと楽しめるのだ。

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