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落語インテリゲンチア

Twitterで書いたことだが、消えていくのでブログに記すこととした。

「噺の話」という落語愛好系ブログで、
「桂文枝襲名披露」の新潟公演を例に取り、
木戸銭(入場料)S席5000円は高い」と指摘している。

会場は新潟市郊外の音楽向けホールだそうだが、
立派なコンサート公演ならまだしも、「たかが落語会」で5000円は厳しい、
キャパ1500人は埋まらないのでは、と指摘している。

新潟市内では「桂文枝襲名披露」の前日に、
「五街道雲助・入船亭扇辰・入船亭辰じん」の落語会が
前売り3000円で開催されるそうで、「噺の話」管理人の「小言幸兵衛」氏は、
「私ならどちらを選ぶかは明白だ」とドヤ顔で文をまとめている。

なんというか…
この「私は正論を言っている」という態度がどうにも気にくわない。

まず、落語ファンじゃない限り、多少高くても文枝を見に行くだろう。
五街道雲助も素晴らしい落語家だ。
私はテレビで雲助の落語を聞いて料理が食べたくなったクチだし。
ただ、知名度では文枝には遠く及ばない。

申し訳ないが、東京の人でも、
「五街道雲助」と聞いても首をひねる人の方が多いだろう。
地方ならなおさらだ。

まあ、多少落語をお好きな方なら雲助や扇辰の名は知っているかもしれないが、
毎週テレビに出ている「あの(元)桂三枝」の知名度にはかなうまい。

「噺の話」のコメント欄では、
HOME★9」「はじめのブログ」といった、
輪をかけた落語系うるさ方ブログのオーナーも書き込んでおり、
ほかの書き込みも交え、
端的に言えば「文枝はギャラ泥棒だ」「金儲け主義だ」
「地方民をバカにしている」と盛り上がっている。

「俺は落語を知っている」とばかりに正論ぶったって誰も得しない。

たとえば「はじめのブログ」は堀切にお住まいで、
柳家小袁治(岩手など北東北にはあまり来ないようだが、
山形・宮城・福島にはよく公演に来る「東北通」で有名)が
「地元の師匠」という。

その小袁治は「交通費」程度で公演を行ってくれる、と
「はじめ」は指摘している。

そりゃ、小袁治とか雲助とか「良心的な」落語家が身近な人には、
文枝の5千円は法外に見えるかも知れないけど、
興行ってのは親切心でやるもんじゃない。

まあここで吉本興業の体質を批判するのは筋違いなのでやめておくが、
いずれにせよ、「芸能人」としての格は、桂文枝の方が数段上なのは明白だ。

ギャラもそれに応じて高くなるのは当たり前で、
「HOME★9」がしたり顔で「文枝100万円、小朝100万円、鶴瓶100万円…」と
国立劇場での襲名披露のギャラ計算をしているが、
芸能人と庶民の稼ぎが違うのは当然であって、
ここで正義ぶってあげつらうのは違うだろう。

「噺の話」は新潟市の会場が郊外にあってうんぬん…とも書いている。
要するに「こんな片田舎の会場で5000円たぁ、ずいぶん取りますでゲスね」と
円生のごとくイヤミを発したいのだろうが。

地方ではかえって郊外のほうが、自動車で行くのに便利で、
一等地とみなされる場合もある。
交通機関が発達している東京や大阪とは違うのだ。

東京にいながら地方のことを思いやってるつもりだろうけど、
いろいろ余計なお世話なのである。
「良心的な」価格設定の代名詞「寄席」が身近にある人が言っても、説得力はない。

あと、寄席芸人を愛好する方々は大体テレビに出てる落語家を下に見がちである。
文枝や笑点メンバー、海老名家は特に。

彼らを叩くことで、「俺たちは本当の『寄席演芸』を知っている」という
証明がしたいんだろう。鼻白むものがある。

「俺なら、五街道雲助ら3人が出る3000円の公演で、
『本格的落語』を楽しむほうがいい。
それを知らない新潟の人々を5000円もとって私腹を肥やすなんて、
桂文枝はなんてひどい金儲け主義なんだ」。

擁護しているようで、結局回り回って、
「田舎者は所詮ミーハーだ、たかが桂三枝を見に、
5000円の大枚をはたくんだ」と、
言いたいだけに聞こえるのだ。

ちなみに岩手の桂文枝襲名披露公演は、
「岩手県民会館」、市街地にあるホールで行われ、
顔付け(出演者の顔ぶれ)も悪くないが、新潟よりS席もA席も1000円安い

まあ、新潟よりもさらに田舎ですしね。
たださすがに3階席までは厳しいかもしれないが…。

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コメント

毎回ツイッター見る度「そろそろ始めるかなー」なんて揺れてますが、
まだ参入してないんでこちらで。
自分も以前、文枝襲名前の三枝師匠の落語を聞い
た事がありますけど、
独演会と云いつつも実質は前座や若手数名を含めた一門会みたいな一面があり、
ハコも普通の演劇やライブコンサートで使う大ホールだったので、
当時としても価格5000円は師匠の2本+若手の分+ハコ代なら十分な時間だったと思います。
ただそれは地方や運営する団体によって価値は変わる訳で。
(企業や団体主催の無料興業にも行った事あるけど、それはそれで別として)


明日は古今亭菊生・菊春の会をお寺さんで聞いてきますね~。
(私の地元はお寺さんでの定期的な落語会が多いです。あと小規模な落語会も)

投稿: 國見圭伊 | 2012.08.24 23:52

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