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目を見たままのOJIGI

※昨年1月に書いた文章を手直ししてアップする。

日経ビジネスONLINE、原田泳幸CEOと日本GE藤森義明CEOの対談。
ド直球の外資、米国系企業2社を率いる経営者が、
「社内公用語」について語っている。
結果を言うと、両者ともに「英語の強制」は否定している
(1年半前の対談なので、考え方はこのままかどうかは分からないが…)。

原田はおもしろい例えをしている。

「なにぶん力不足ではございますが、微力ながら努力したいと…」という
日本人なら何の違和感も持たない挨拶を、
英語に直訳すると大変なことになる。

「何だって? 能力がないと自分で言っているのかこいつは?」と、
アメリカ人なら思うわけだ。

逆にアメリカ式に「私は能力があります。自信もあります。私に任せなさい」と挨拶したら、
それを聞いた日本人は「なんだこいつは? 怪しいぞ?」となってしまうのである。

おもいきり背伸びして、相手を安心させようとするアメリカ人と、
謙虚な姿勢を見せ、最初にハードルを下げる日本人。

初めて合う人間に挨拶するときは、相手に頭を下げ、目をそらす日本人が、
英語を使ったところで、真意が伝わるはずがないのだ。

その逆もしかり。よく、来日したガイジンのアクターが、
試写会などで日本人のマネをして頭を下げることがあるが、
彼らはかならず客席に目を向けたまま頭を下げる。

あれだ、昔のゲーム「カラテカ」のような、顔を前に向けたままのおじぎだ。
あの滑稽さは比類ない。

ガイジンは「相手の目を見る」ことが美徳だと、
DNAレベルでたたき込まれているからああいうことをしてしまうのだ。

そう、シェイクハンドの感覚のまま“お辞儀”をしようとして、
“OJIGI”になってしまうのだ。

「やあマイケル」「こちらこそ、ショーン」と言いながら、メリケン人は握手をする。
「やあ淳二」「こちらこそ、一郎」と言いながら、
お辞儀しあうバカな日本人はどこにもいない。

トゥー、ストゥーピドゥ。トゥトゥトゥのドゥーである。

楽天のスローガン「スピード!スピード!スピード!」も、
本来ならば「スピードゥ!スピードゥ!スピードゥ!」と
発音しなければいけないのだ。ドゥドゥドゥのドゥー。

ジャピングリッシュでアメリカ人に勝てるはずがない。

日本語もろくにできない奴ならなおさらだ。
「なにぶん“役不足”ではありますが…」なんて言っているような奴が。

原田は「日本を知ってからの異文化だ」と説く。
日本を知らずに外国を見てもそれはただの根無し草。
逆に、日本を知って、さらに外国を知れば、
より日本がなんたるものか分かる、というのだ。

日本人の留学生が減っているという。

かくいう自分も、学生時代に留学を勧められたことがある。
まあ、実家が裕福でもないこともあり、丁重にお断り申し上げたが、
もしあのとき留学していれば、こんな電脳空間でくだをまくような
ネクラ人間にならずに済んだかもしれない、と後悔している。

親がビンボーでなかったらなぁ。(笑)

いまごろ、英語を華麗に使い世界を飛び回るビジネスマンになれたかもしれないのだ
(空想ですよ、空想)。

…ただ、ビジネスマンに本当に必要なのは語学力よりも
向上心とか度胸とか、そっちだろう。語学は後からついてくる。

英語を使うのは、英語の文化のある場所でこそ役に立つのだ。

藤森はもう少し英語使用に寛容で、チャンポンでもいいという。

ただし、日本語は日本語の感覚があり、英語は英語の感覚がある、という。
英語を使っているときは脳はイングリッシュモードに切り替わる。
世界もすべて英語の世界、“人が変わる”のだ、と。

楽天の社内ミーティングを想像すると滑稽でしかたない。
「ディスイズジャパニーズフェイマス、オウ、モースト・フェイマス・サーキー」
「モースト? リアルゥィ?」
「ユーノウ、ディスサーキーブランドイズモースト・フェイマス」
「オーイエス、ユージロ・イシハラ、サング“しょ~ちくばい~”」
「ハーハーハー!」…あほか。

こんな打合せを日本人同士でやるのか?

カナダ人のマーケターが中に入るから英語を使うのだ、だと?
バカいうんじゃない。日本の仕事をするのなら、
逆にそのカナダ人に日本語を教え込め、と言いたい。

世界規模の話をするなら英語で結構。
でも、日本のお酒を英語で語るのは、英語圏の国でやってくれ、と思う。

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