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承知できないクラウド

ヤフーの子会社であるファイルサーバ管理会社が、
メンテナンスにしくじり、顧客のデータを消失させてしまった。
損害を与えた相手には、大手企業の小林製薬や、
トークショーなどで有名なライブハウス「ロフト」などがあり、
騒ぎは大きくなっている。

今回トラブルを起こした業者は、
さっそく経緯をWEB上で報告している。

図解で詳しく説明していたが
それを見ても、どうにもよく分からないのだが
(こう見えてもパソコンは15年以上やってますが)、
サーバのメンテナンスを、テスト用に1台だけやろうとしたら、
そのプログラムにミスがあったことが原因。

1つは「ファイルを削除するコマンドを停止する」のを忘れていた、
もう1つは「サーバ指定」を入れ忘れていた、ということらしい。

ファイルを削除するのを停止するのを、忘れた…
つまり、ファイルを削除し続けることになるわけである。
さらに「サーバ指定」をしなかったことで、「全部のサーバのデータを削除する」
行為を行ってしまったのだ(実際には全部ではなかったようだが)。

家政婦に「掃除しておいて」と言えば、
家政婦は「承知しました」と言って、掃除し続ける。
しかし「この部屋だけでいいのよ」と言わなければ、
家政婦は無表情で、家全部をキレイにしてしまう。

しかも、なぜか向こう三軒両隣、頼んでもいないのに、
「承知しました」と言ったきり、全部掃除してしまったのだ。

こういうデータを預かる仕組みでは、必ず「冗長性の確保」と言って、
バックアップを取るものである。
「冗長性」とは「無駄だけど、何かあったらマズいんで、
とりあえずコピーをとっておきましょう」という意味である。

しかしこの業者では、サーバのメンテナンスは
バックアップ用設備にも行わなければならない、
というポリシーだったため、
バックアップ用のサーバにも、上記のファイル削除が適用されてしまった…
ということらしいのだ。

家政婦が、何も言わずに、各家庭の「物置」まで
掃除してしまった、ということである。

まあこれが生身の人間ならば、「何をしてるの家政婦さん!やめなさい!」
と言って、ストップさせることもできたはずである。

しかし悲しいかな、コンピュータプログラムは一瞬で命令を遂行してしまう。
どこかの大臣が「2位じゃダメなんですか」と言った名言はつとに知られているが、
命令は誰よりも早く行わねばならないのが、コンピュータの宿命である。

ムーアの法則は、無情にも、顧客の大切なデータを
「一瞬で水泡に帰す」ことにも寄与したのであった。

…って、今回の場合はプログラムミスなんで、
けっこう人為的なミスでもあるんですけどね。

同社はデータの復旧も試みたそうだが、
全部「きれいさっぱり」なくなっていて、
取り出しは一切できなかった…としている。

今後この業者を待ち受けるイバラの道は、想像に難くない。
莫大な損害賠償。そして地に墜ちた信用を取り戻すのは容易ではない。
かわいそうだが、この会社は半年後にはなくなっているかもしれない。
「きれいさっぱり」と…。

まあ、データを保管するコンピュータ群には何の落ち度もなかったようなので、
ここの会社が持っていた機器類を、別に作った会社に譲渡して、
一からやり直す、という手もあるけれども。

いずれ、今回の件は、プログラムミスや体制の不備、という
「ヒューマンミス」の面が大きい。
承知しました、どころか「しょちなし」な一件であった。
データを人に預けるのはやっぱり考え物である。

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