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ケーシー高峰ゴールデンベスト

ゴールデンウィークに放送された、
NHK-FM「今日は一日爆笑コミックソング三昧」。

お里が知れる趣味の人間ゆえ、
半分程度は既知の曲であったが、
コミックソングの範疇に入れるのはどうか、という曲も含め
収穫のある番組であった。

その中で一番の収穫が、
ケーシー高峰「そりゃあないぜセニョリータ」。

当時36歳、脂ののりきったケーシーが、
自信過剰っぷりな芸風そのままの世界観で、
「自称モテ男」の哀感をハツラツに表現した佳曲であった。

ケーシーの歌の世界に俄然興味が湧き、
速攻でこの「ケーシー高峰ゴールデンベスト」をネット購入した次第である。
Kc1

昨年11月末に発売された比較的新しいもの。
Wikipediaのディスコグラフィを見たところ、
70年代リリースされた「替え歌」のアルバムの曲と、
その後のシングルの曲を集めているようである。

というわけで、トラックの前半は替え歌中心。
藤圭子(「夢は夜ひらく」「新宿の女」)、
ドリフターズ(「ズンドコ節」「いい湯だな」)などのナンバーを、
ケーシー流に料理している。

基本的には助平男、サラリーマン、世相などが題材である。
正直言って、歌詞の完成度はさほど高くない。(笑)
ケーシーの歌のうまさと、
歌詞の合間の合いの手のいかがわしさを堪能するものと心得たい(?)。

歌詞の中に織り込まれた「スモッグ」「黒い霧」、
現在「ソープランド」と呼ばれる施設を示す某国名など、
時代を感じるキーワードには、ノスタルジーを感じる。

やや拍子抜けしたのは、このアルバムに収められた
「そりゃあないぜセニョリータ」も替え歌、という点。
元歌もヒットしたわけでもないのに…。
しかも替え歌のほうの歌詞の完成度もイマイチだし。

まあそれはおいとくとして、
「そりゃあないぜセニョリータ」でも頻出する「ズージャー語」が
「ナオン」「グンバツ」など複数の曲で出てきて、
ケーシーのいかがわしさは、十分堪能できる。

いっぽう、CD後半に収められているオリジナル曲に関しては、
静かな曲調の歌謡曲・フォーク系統が中心。
CD前半の替え歌でビンビン感じられた、
ケーシーのいかがわしさは一転してなりをひそめる。

そんな中でもケーシー色の強いものもあり、
出色の作品が「いこうぜセニョール」。

作詞はあの富永一朗。
いかがわしさの二大巨頭が個性をぶつけ合った結果、
ものすごい作品に仕上がった、と言えよう。

曲調は「セニョール」だけにスペイン音楽風で進行し、
ケーシーの「いこうぜセニョール!」のかけ声とともにマーチに変貌、
女声コーラスの「ベッカンコー!」の合唱とともに
またフラメンコ調に戻っていく巧みな構成にはただただ唸るのみ。
なお作・編曲は「ハニー・ナイツ」のリーダーであった葵まさひこである。

「太郎と花子(サラポニタン)」もなかなかの曲。
アフリカのシャーマンの呪文のような一節をリフレインしながら、
男女が子どもの頃に出会い、結婚するまでを陽気に描く。

こういういかがわしい空気感を持つ芸人というのは最近見ない。

アディオスだのグラッチェだの言いながら
「いかがわしい医者まがい」の空気感をビンビン出しまくりつつ、
エロ漫談を繰り広げたケーシーの世界観にどっぷり浸かれる、
ナイスなCDである。

Amazonや楽天などには在庫がふんだんにあるようなので、
ご興味ある方はご家庭に一枚どうぞ。
Kc2


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