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2012年5月

被災地を見てくれ

東日本大震災の被災地から出た瓦礫の試験処理をしようした
北九州の施設で妨害される事例や、
エキセントリックな言動を繰り返している桐生市の市議など、
「絆ブーム」はなんだったんだ、という動きがまたぞろ活発化している。
またぞろ、というか、今まで綿々と続いていた、というべきか。

しかも、松山市の小学校で予定されていた
北九州への修学旅行が、保護者の抗議で延期される、
なんていう、風評の風評みたいな事例も出てきた。

被災地のことなどそっちのけ、ただただ放射能を怖がるだけ。
安全だ、問題ない、と説明しても、聞く耳を持とうとしない。
この数値を見て下さい、といえば、「その数値が信用できない」
「計測装置が怪しい」と言い出す。

被災地の復興など知らない、そっちで勝手にやってくれ、
処理してくれ、という人たちなのだろう。

まあ、我々被災県は「お願い」するしかない立場。
「知らねーよバカ」「バッチイんだよ、あっち行け」と言われればそれまでである。

岩手大の准教授のメッセージが話題になっている。
「広域処理に反対するなら、被災地での処理にも反対してほしい」
「被災地を自分の目で見て、自分の言葉で語ってほしい」

被災地のことを「オレには関係ない」と思っている人は、
こんなことに、思いが至るだろうか?
所詮、他人事だから好き勝手言えるのではないか?

見ず知らずの土地に乗り込んでいって
「ガレキを燃やすなーー!」と叫んでみせたり、
赤ん坊をベビーカーに乗せて、
「我が子を放射能にさらすんですか!」と情に訴えてみせたり。

他人や自分の子を思いやっているように見えて、
結局、そんなことをしている自分が可愛いだけではないのですか?

安心だ、という情報に耳を貸さず、
他人も巻き込んで不安の波を拡げていくことに、
良心の呵責はないのか?

何もこっちだって不安がないわけじゃない。
放射能は怖い。

だけど、必要以上に怖がる余裕もないのだ。

あなたたち、余裕あるじゃないですか?
そんなパフォーマンスしてるくらいなら。

被災地で撮った写真をお見せする。
つい1ヶ月前の写真だ。

1205a

1205b

1205c

情に訴えたいんじゃない。
これが、真実なのだ。

被災地を自分の目で、見てみてほしい。
パフォーマンスをするのは、それからだ。

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ザ・浅草芸人 中二階の男 チャンス青木

Chanceaoki


ザ・浅草芸人 中二階の男 チャンス青木

山中伊知郎・著、山中企画発行。
奥付によると本日が発売日である。

タイトル通り「チャンス青木」について書かれたものである。

漫才のナイツが、ネタで「青木チャンス師匠が、チャンス青木師匠に改名したのは
浅草のビッグニュースだった」なんていう小噺を繰り出すのを、
聞いたことがある人もいると思う。
この本の主人公こそ、その漫談師「チャンス青木」である。

はっきり言って「浅草でくすぶる無名芸人」の一人だ。

あのビートたけしとほぼ同期。
芸歴だけは妙に長いが、売れたためしがない…
芸能界にはそんな人はごまんといる。
華やかばかりではないのだ。

この本は、チャンス青木がなぜ売れないか、の理由を羅列したようなものだ。

面倒見はいい。先輩からも「青ちゃん」と呼ばれて親しまれる。
生来の堅い性格から、現在の漫才協会の事務方まで務めたこともある。

しかし自らの芸は不器用で、柔軟性がない。
漫才コンビを結成しては早々に解散することを繰り返しており、
そんな自分の「失敗」を、後輩には経験させまい、と、
舞台上でも自分のウケはそっちのけで、後輩のPRに余念がない。

大御所風を吹かせることもなく、
後輩からいじられることもいとわない。
芸人たちからは愛されていて
酒の席では大いに笑いを取るが、これが客の前ではさっぱり…。

要するに「楽屋番長」タイプなのだ。(*)
青木のことは、この本を読んでもらうこととして…。

で、著者の山中伊知郎である。

早稲田を出て脚本家の仲間入り。「噂の刑事トミーとマツ」などで台本を書く。
その後、放送作家兼ライター(著述家)に転身し、ラジオレポーターなども経験。
著書は、ゴーストなどで関わった書籍も加えれば100を上回るという。

裏方としてお笑いの世界にも飛び込み、その迫力ある容貌を買われ「表方」として、
関根勤のお笑い劇団「カンコンキンシアター」のメンバーだった時期もある。
「イッチー」と呼ばれ、ファンからは親しまれた。

 * 「楽屋番長」チャンス青木は、山中が「カンコンキン」でかつて共演し、
  著書の題材にしたこともある俳優「剛州」に通底するものがある。
  剛州は「楽屋番長」というより「内弁慶」に近いが…。

その関根の所属する大手事務所「浅井企画」とのパイプができ、
お笑いセミナー講師なども務める。

その卒業生の受け皿とすべく、芸能事務所として立ち上げたのが、
この書籍の版元、「山中企画」である。

うまくいけば、売れっ子ばかりの芸能事務所になるはずだった。

しかし「とっこねぇ」「デニッシュ」「波照間てるこ。」など、
山中が魂込めて育て上げた芸人は、どれもこれも鳴かず飛ばず。

売れっ子を輩出することなく、移籍や廃業が相次ぐ。
現在、山中企画は「Theかれー王」なる“カレー店経営者兼タレント”を、
細々とマネージメントしているだけである。

それだけでは収益が出ないので、本書のような書籍出版事業もはじめた、
というわけだ。その割には、売れそうもない題材を選んでくるあたり、
「やりたいことをやる」山中の姿勢の表れだろう。

本書で山中は、チャンス青木を自らと重ね合わせている。
どちらも、「好きな仕事」を、儲からないといいつつ、やめずに続けている。
“チャンス”の前髪をつかみ損ねた、というところも同じ。

いや、正確に言えば、これからチャンスがまだあるんだ、と、
心のどこかで信じて、好きな仕事を続けている、と言った方がいいだろうか。

巻末にも書かれているとおり、
本書の取材を山中が進めている最中に、
チャンス青木は残念ながら病に倒れる。
現在も高座に上がれない状態という。
予定していた出版パーティも、延期したそうだ。

やはりチャンスは、もうないのか…
いや、そんなことはないはずだ。

山中も、ブログで毎日のように「入れ歯が合わない」
「景気が悪い」など、マイナスな言葉を繰り返しつぶやいている。
あげく、書評だけをアップするブログでは「理想の死に方」まで語る始末。

しかし、心のどこかでは「まだどこかにチャンスがある」と思っているはずなのだ。
そうでなかったら、こんな本を発行することもあるまい。

誰の前でも、チャンスの神様がいつかは目を覚ますのだ。

(追記1) 5/31
著者ご本人からコメント頂く。恐縮。
出版パーティーは行っておらず延期したとのこと。
勘違いであった。本文修正済み。失礼しました。

(追記2) 5/31
某有名タレントがTwitterで当記事をご紹介、
アクセスが増えた。
願わくは、著者が望むように、チャンス青木ご本人が元気になって、
メディアにも顔を出してくれることだ。

(追記3)8/23
日経新聞で、漫談家「風呂わく三」が
浅草芸人の代表として、チャンス青木を紹介していた。
どちらかというと「バカウケ芸人」として伝えていた。
ただ、「愛される芸人」という描き方では山中の著書と一致している。

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東北六魂祭

5月26日~27日に盛岡市で開催される「東北六魂祭」。
東北6県の県庁所在地の祭りが一堂に会する一大イベントである。

開催前に、盛り上がってないと書いたが、
やはり気になるもので、26日の午後、見に行ってみた。

盛岡駅前から、肴町あたりまで、
車道には自動車の立ち入りが制限されており、
歩行者天国状態となっていた。

観光客は2日間で20万人を見込む、と言っていたが
まさかそんなに来るわけないよ…と思っていた。

結果から言うと、「盛岡市内にこんなに人がいるのを見たのは初めて」、
というほどの観覧客が訪れていた。

Rokkon01

特に、パレード会場となる中央通はすさまじい人の入りで、
帰るときも歩道が「大渋滞」を起こしていたほどである。

ただ、後述するが、仙台の第1回のような「パニック」はなかった。

パレード前に、「盛岡城跡公園」(岩手公園)や
「芝生広場」(歴史文化館後方)のイベント会場も立ち寄ってみた。
お祭りにつきものの出店、結構な人出があった。

Rokkon02

出店の前でなにやらトークをしている「アンダーエイジ」。
なお総合司会を務める「ふじポン」ともすれ違ったが、
1日目にして、けっこうお疲れのようであった。

芝生広場から道路を挟んだ反対側にある中津川河川敷では
「チャグチャグ馬っこ」が行われていた。

河川敷はイベント用に開放されることもあるが、
この日は待機する係員のほかは、馬がたたずむだけ。
静かなこと極まりなし。ここはもう一工夫必要かな、と思った。

Rokkon03

パレード会場となる中央通。すでに相当な数の客がおり、
午後3時のパレード開始の30分前に並んだのだが、
もうすでにパレードを見るのに事欠くことが予想できるほどの客入り。

「盛岡さんさ踊り」でも、こんなに客が来ることはない。
さすがは「東北六魂祭」である。

なにしろ、盛岡でははじめてのビッグイベント。
仙台市での第1回は人が集まりすぎてパニック状態になり、
パレードが中止になったほどである。

しかし第2回となる今回は、準備不足と思われたが
実際にはかなり周到に準備をしたようで、
交通整理、会場誘導などがきちっと行われており、
パレード中止などの事態には至らなかった。

午後3時、パレード開始。
市役所前から盛岡駅方向に、中央通を練り歩く方式である。

口火を切る秋田の竿灯は、パレードするわけにはいかず、
岩手銀行本店前でパフォーマンスを繰り広げた。
風であおられ倒れるたびに大きな歓声が響く。

Rokkon04

青森ねぶた。間近で見るとド迫力である。
事前に人が集まらない、と言われていた「ハネト」。
どうやって集めたのか知らないが、パレードには多くの「ハネト」が出陣していた。

山形の花笠。「めでため~で~た~の~」花笠音頭とともに、
女性たちが踊る。

周りの客は、竿灯やねぶたのダイナミックさに比べると、
地味だね、と言っていた。
比べるものではないと思うけどね…でも、
人の生け垣の後ろからは、ちょっと見づらいかな、とも。

仙台の七夕。といってもボンボリがパレードするわけではなく、
「仙臺すずめ踊り」で練り歩いた。初めて聞いたな…。
ハッピに袴、素足に雪駄のいなせな姿の男女が快活な踊りを見せる。

Rokkon05

一番驚かされたのが「福島わらじ祭り」。
大きなわらじを担いだ男たちが練り歩くのも圧巻だが、
それだけではパワー不足ということなのか、相当なアレンジが加えられている。

「ワラジー! ワラG!」という感じの、ヒップホップ調の
お囃子というにはあまりに現代的なミュージックに乗せて、
Tシャツにズボンというお祭りらしからぬ格好の女性たちが
現代的なダンスを披露するのである。

トラディショナルなお祭りをやるだけでは客に飽きられる、
時代に合わせた工夫も必要だ、というのを学んだような気がする。

トリは盛岡。まずは露払い?で盛岡市長が先導し「盛岡山車」が登場する。
子供の「やーれやーれやーれ…」という、やる気のないかけ声は、
盛岡の秋の風物詩である。

「なぁんだ、盛岡の祭りが一番地味だね」と思わせておいて、
真打ち・さんさ踊りの太鼓で締めくくる。

Rokkon06
やはり盛岡はこれですな…

ということで、盛岡さんさを見届けて、パレード終了を前に会場を後にした…のだが、
これがものすごい人の入りで、見物客をかき分けるようにして、
というと大げさだが、なかなか会場の外に出るのに難儀した。

事前PRは、首都圏では盛大だったようだが、
地元ではあまり宣伝されていないように感じていた。

地元民まで集まったのでは、仙台のパニックの二の舞になってしまう。
「地元でのPR不足」は、おそらく「計算上」だったのかな…と思う。

プロデュースする「電通」の巧みさなのか。
いや、単なる無計算かもしれないけど。

初日は11万5千人の入場者があったとのこと。
駅の大混雑、熱中症などのトラブルはあったものの、
これは想定の範囲内だろう。

「ねぶたはあまりヨソに出してほしくない」などの意見もあるようだが、
東北のお祭りが一堂に会する意義は大きい。

次回以降、6県の県庁所在地を巡回していくはずなので
少なくともあと4回は開催されることになるだろう。
各県庁所在地なり、各県に及ぼす影響は少なくない。

そして「お祭り騒ぎ」を一過性のものにせず、盛岡、岩手、そして東北に
これからもお客さまに来ていただけるよう、
そして住む我々も盛り上げていくよう、努力していきたいものである。

※しかし、駅から大通りに至るまでの複数箇所で、、
 何の宗派かは知らないが、キリスト教の一派が
 大音量で布教活動をしていたのにはまいった。
 雰囲気ぶちこわしである。

 マタイ書に書いてあっただろう?
 「神はこう言われた。空気を読め」と…

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バックアップとしての東京タワー

東京スカイツリーがオープンし、
一気に「日陰の存在」に押し込まれた、
東京の象徴だった『東京タワー』。

表向きは気丈な東京タワーだが、
今後、入場者減なども見込まれ、大変だろう。

そもそもスカイツリーは、
首都圏の電波塔としての東京タワーが
やや力不足になってきたことを要因として
設立された、ということだが、
実際には現在でも東京タワーで十分ではないか、とも聞く。

スカイツリーの所有者である東武鉄道も
「観光施設」としての機能に重点を置いているようだ。

地上デジタル放送などは、近々スカイツリーに機能が移るが、
東京タワー内の送信用設備も「バックアップ施設」として残るという。

東京タワーは「バックアップ」としての存在になっていくのだろう。

観光施設としてもそうだ。
東京タワーは一時来場者が減ったが、
現在は回復傾向にあるようだ。

「東京の地元民は来ない」と言われていた東京タワーだが、
「おのぼりさん用」としての方針を改め、
展望室内でライブを開催するなど「普段使いスポット」に重点を置いているという。

スカイツリーは初日、雨にたたられ、
風で展望室行きエレベーターが止まるなどさんざんであった。

エレベーターはかなり速度があるため、
少しでも風が強いと止めざるを得ないようだ
(初日は「大事をとって」の停止だったようだが)。

そうなると、俄然、東京タワーの存在価値は高まる。
観光施設としてもバックアップとなるのだ。

確かに高さはスカイツリーより低いが、
周りの建物と比べれば、まだまだ圧倒的に高い。

「王者」としての戦いから、
「2位」「スーパーサブ」としての戦いにはなるが、
東京タワーの価値はまだ、333メートルの位置にあるのだ。

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醜いなんて言いたくない

東日本大震災の被災地で発生した瓦礫の焼却準備が全国で進んでいるが、
北九州市では、瓦礫の「試験焼却」を妨害しようと、反対派市民が集結。

運搬トラックの下に回り込むなど抵抗し、警察ともみ合いになった結果、
男性2名が公務執行妨害で逮捕される事態となっている。

テレビでは、女性が横たわって半狂乱になって
「燃やさないでくれー!」と叫んでいる様子が映し出された。
テレビの好みそうな、エキセントリックな場面であった。

集結したのは『市民』というがおそらく地元民ではない人間、
いわゆる『プロ市民』が大半だろう。

反原発、反瓦礫の強硬さにはもうあきれはてている。
あきれてものも言えない、というか。

Twitterでは「東北の皆さん、これが復興を妨げている人間の醜い姿です」
なんて表現している人もいる。

確かにそこまでなじりたくもなるけれども、
彼らにとっては逆にその罵詈雑言が勲章になる。
そして意固地になって、結束を強めていくのだ。

迫害されればされるほどに、『確信』を強め、
そしてパーティ同士の『絆』を強めていく。

以前も言ったが、もうある種の『宗教』である。

反対派は「測定しているというが、信用できない」と主張している、と言う。
何も信用できないようでは困る。

一度被災地(岩手県・宮城県・福島県等)を訪れてもらい、
被災者と語り合ってみてほしいのだが…。
「その手は食わない」なんて言われたら、もうどうしようもないけど。

とにかく対話、対話、対話。これしかない。
「これが復興を妨げている人間の醜い姿です」なんて、
醜い表現は、もう使いたくないんだよね。

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2500万円

競馬評論家の須田鷹雄が、
WIN5」というJRAが指定する5レースすべての1着を当てる、という
ゲーム性の高い馬券を的中させ、2500万円を獲得していたことが分かり、
写真週刊誌で報道されて、話題になっている。

一般人ならまず自分でゲロはしないと思うが、
そこは東大卒の頭脳、自ら発表した方がいい、と
ブログで「ご報告」しており、
税金は意外に高くない」といったことも記している。

普段からローテンションで売っているだけに、
基本的には冷静さを保っているように見受けられる。

「大金を手にしたリスク」が頭をもたげているのかも知れない。
宝くじに当たった男がみるみる不幸になっていく、
なんていう話はごまんとあるものだ。

数億円ならまだしも、2500万円(マイナス税金)なんて、
うっかりしていれば、日々の活動、私生活でなくなってしまう。

そして、「競馬評論家」、しかも自ら馬券を買う評論家なら、
これまでも、そしてこれからも、そのくらいの金額は「溶かして」いるものだ。

須田自身、フィーバーするどころか、テレビ出演後に
早晩、日本の競馬は滅びていく」なんて、
センチメンタリズムに浸っているくらいだから…。

競馬なんかもうかるものじゃない。ロマンを買うものだ。

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だいじょうぶ?東北六魂祭

昨年、東日本大震災を受けて、仙台市で開催された「東北六魂祭」。
東北6県の県庁所在地の祭りが一堂に会する、というものだったが、
急ごしらえのイベントゆえの運営の不手際が指摘された。

第2回となる今年は来週26日・27日に盛岡市で開催される。

しかし盛岡市民の感想としては、
「盛り上がってないな」というのが正直なところである。

会場となる市街地に立ち入っていないというのもあるが、
テレビなどのメディアなども、CMは放送するのだけど、
特集番組を組むわけでもない。

むしろ「交通規制」などの、市民にとってはネガティブな話題が
盛り上がっているな、という印象がある。

そもそも、ほんとに開催されるの?とすら思う。
あの青森のねぶたも来るというのに…。

新聞記事によれば、パンフレットすらできていないという。
「直前にならないと分からないことが多いので、
WEBでの案内にとどめている」と。
そのWEBサイトも、ほんとに必要最低限のことしか書いていない。

プロデュースしているのはあの「電通」だそうだが、
電通がこのていたらくか? 首をひねりたくなる。

もう、わざとこういう運営にして、
東北のイメージをさらに悪化させたいんじゃないかと、
「電通陰謀説」まで勘ぐりたくなるほどだ。バカバカしいけど。

東京のメディアでもあまり話題にしてくれないようだし、
昨年のようなパニックは起こらないのかな…と
安心するような、でも残念なような。

ただ、首都圏の電車広告などでPRはされているようだ。
Twitterでは「盛岡のホテルをあらかじめ3部屋とっておいたが、
2部屋キャンセルするので誰か泊まる?」なんて書き込みしていた
ほとんどマナー違反の強者も見かけたし。

でも、東北六魂祭はほんとに開催するんですよね?
地元民としても、興味ないわけじゃないんですよ。

(追記)この記事をアップした後、市街地に行ってみたが、
六魂祭の存在を示すようなものは見られなかった。
子供が「六魂祭」のうちわを持っているのを見かけた程度だった
(そのうちわはどこで配られていたのかは不明)。

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大胆な大人になる

ちっちゃいことは気にすんな、と言っていた芸人がいた。
どこ行ったんでしょうね。まあ、どうでもいいですが。

ブログでもTwitterでも、50代以上のユーザーで、
異様に誤字が多い記述を繰り返している人が見られる。
しかも「有名作家」とかに限って誤字が多かったりするからたちが悪い。

しかし、誤字脱字はもはや枝葉末節であってどうでもよく、
伝えたいことを伝えられればそれでいいのかもしれない。

街の様子を伝えるテレビ番組なんかで、
70代以上の経営者のお店で、
もうめちゃくちゃな内容の張り紙が、
店の前にベタベタ張られてたりする例を、けっこう見かける。

「こりゃ常連じゃないと気味悪くて近づけないよなぁ」と
思うけれど、それで商売うまくいってるんだし、
ベタベタ張り紙だろうがなんだろうが、
常連とうまく意思疎通できればオールOKなわけだ。

人間年を取れば、細かいことを気にしなくなる。
それじゃまずいだろ、という人もいるけど、
細かいことばかり気にしすぎて全体をダメにすることは、よくあること。

ことわざにもあるでしょう。
「木を見て森を見ず」
「角を矯めて牛を殺す」…。

大人になるというのは、大胆になる、ということなのかもしれない。
若者だから大胆とは限らないのだ。

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好調・テレビ朝日

テレビ朝日が絶好調、と毎日新聞。
現在、テレ朝と毎日で美術イベントを共催しており、
ご祝儀記事という気もするが…。

日テレとフジの積年の争いに割って入り、
4月の「視聴率4冠王」を獲得。
テレ朝が調子よいことは間違いない。

4月の改編も、他局が大なたを振るうなか、
あまり手をつけなかったことは記事にあるとおり。

テレ朝は、日テレがフジに追いつき始めた90年代、
「ニュースステーション」の好調にあぐらをかき、
本来のドル箱であるバラエティ番組をほとんど作っていなかった。

そんな中で、11時台の「ネオバラ」を端緒とし、
バラエティ作りに取り組みはじめ、
現在では「アメトーーク」「ロンドンハーツ」の加地倫三ら、
優秀なスタッフが育っている。

制作費低減を理由に立ち上げた「お願い!ランキング」も
「ちょい足し」ブームを起こすなど話題となり、
深夜帯の視聴率底上げにも貢献している。

ただ、今回の4冠王は、
特番ラッシュやスポーツ番組が寄与したもののようで
毎日新聞の過去の記事)、
「地力」が発揮されたとはいいにくいようだ。

日テレもフジも苦しんでいるし、TBSは「窮地」の状況。
敵失によるところも多い。

朝の時間帯においては「やじうまテレビ」「モーニングバード!」は
完全にNHK・日テレ・TBS・フジの争いに埋没する状況で、
90年代から、テコ入れをずっと繰り返し改善する気配もない。

テレ東以外はすでに撤退済みの「ゴールデン帯アニメ」も、
「ドラえもん」「しんちゃん」を守りたいプライドが許さないのか、
なかなか撤退できずにいる。

まだまだテレ朝が「真のトップ」を取るには、
時間はかかりそうだが、
それでも、この4冠王がきっかけになるのは間違いない。

人気者をキャスティングできなかったフトコロ事情を逆手に取り、
不況にあえぐ我が国において、
カネのかからない番組づくりで浮上したテレ朝。
頂点はもうすぐそこに…?

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被災地の現実

「被災地の現実」とは大仰なタイトルだが、
たいした話ではない。

1年経過してようやく、岩手県内の被災した市町村を全部回ることができた。
仕事で、最北の洋野町から、最南端の陸前高田市まで車で南下したという、
ただそれだけのことである。

被災地と縁がない人は、「惨状」を期待する向きもあるのかも知れないが、
実際には、かなり復興は進んでいて、
産直やショッピングセンターにはお客がいっぱいいた。

ただ、津波に襲われて建物が破壊された地帯は、
ほとんど更地になっていて、
再び建物が立つ見込みはなさそうである。

ところどころに残った建物に、飲食店が入っていたりするが、
回りには何もないので、よけいに目立つ。

高台移転も進んでいるといい、
震災前に戻る、ということは当面ないのだろう。

コンビニなど、仮設の商業施設はプレハブが多い。
役場がプレハブになっているところもある。

中に入ればプレハブというのを意識することはないが、
外から見ればプレハブなので、「仮設の町」という印象はある。

ショッピングセンターに、通常入ることがないであろう、
行政施設や金融機関などが入っているケースもある。
イレギュラーな状態、というのをここからも感じる。

商店街は、先述通り流されてしまっている家屋が多いが、
まだ撤去されずに残っているものもある。
もう壊すしかないようなものも、まだ残っている。

そして「がれきの山」。
野球場や広場、ゴルフ練習場などが置き場になっている。
このがれきは、どこへいくのだろう…。
このがれきがなくならないうちは、復興も進まないだろうが、
まだまだその山は高い。

波にさらわれ、住宅の土台だけが並ぶ「更地」に、
菜の花が咲き乱れる様子は、なんとなく胸を締め付けられた。
しかしそれは希望の花でもあるのかもしれない…
よそ者の無責任でちんけな言い回し、と笑われるかもしれないが。

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打ち切りのうた(3)

(前回はこちら)

スカイツリーにほど近い場所に車を停め、
直子とあたりを散策する荻下。

サングラスにマスク、ヘアウィッグに帽子、という重装備。
痩躯をごまかすために、羽毛のたくさん入った地味な上着に着替え、
少しダサめなコーディネートに仕上げた。

スタイリッシュさで売っているだけに、
あまりオシャレにするとバレてしまうからだ。
その格好は、近くを歩いていた子供からも指を指されるほどだったが、
荻下亮だ!と言われるよりは百倍マシだった。

直子と手をつなぐ荻下。
目の前にはそびえたつスカイツリー。
ひとときのおのぼりさん気分を味わう二人。

その横を、ひとりの女性が通った。
主婦の千恵だ。
スーパーの袋を手に、自宅に帰るところだった。

いつも通る、スカイツリーのよく見える場所で、
カップルが仲むつまじくスカイツリーを見つめている。
いつもの光景…のはずだった。

春なのに、やけにモコモコした服装の男の手元を見ると、
どこかで見たような指輪をしていた。
棒が3本並んだような、はめにくそうな、ほかにないデザインの指輪。

そう、雑誌のインタビューに応える荻下亮が、
カメラに向かって見せつけていたシルバーアクセサリーだった。

「ン!?」
千恵は不思議に思った。
あんな指輪をする人は、他にいない…。

もしやあれは、リョー様なの?
隣にいる女は誰? 樫木優衣じゃないよね…。

突然、高鳴る心臓を抑え、千恵はスーパーの袋を手にしたまま、
二人の前に回り込んだ。

間違いなかった。特徴的なあごのラインは、マスクでも隠しきれなかった。
ああっ!という顔をした千恵。

へんなオバさんがいるな、と思っていた荻下だが、
そのオバさんの驚いた顔に、気づかないはずもなかった。

「行こう」直子の手を引き、荻下はその場を立ち去った。

千恵もその場を察し、それ以上は近づくことはなかったが、
その場にへたり込んでしまった。

あんなダサいかっこうをして、女と浮気するなんて…。
千恵の脳内に築かれていた「オギシタ城」が、一気に崩れ去った瞬間だった。

千恵が「ニュースキャスター家族」の第6回を見ることはなかった。
そしてもっと悲しいことがあった。
千恵の家には、視聴率を計る機械が取り付けられていたのだ。

月曜日発表された「ニュースキャスター家族」の視聴率は「2.7%」だった。
とうとう3%を切ってしまった。

しかし、打ち切りの報道で満足した各マスコミは、
この事実を小さく伝えたのみだった。

もうどうでもよくなった荻下はさらにぶっとんだ芝居を見せ、
悪のりしたスタッフがNGテイクまがいのカットをどんどん取り入れた第7回は、
業界でも少し話題となった。あの荻下亮がとうとうすごいことになったぞ…。

最終回の撮影が終わり、クランクアップ。
「お疲れ様でした」とねぎらいの言葉をかけられ、
夜7時から、スタジオ近くの高級ホテルのバンケットルームに場所を移しての打ち上げ。

酒に強い荻下は飲みに飲みまくった。
「力不足で…」「不徳のいたすところで…」と恐縮するスタッフを尻目に、
「いやいや、ボクの勉強不足ですから」と、殊勝で慇懃な態度に終始する荻下。

ペコペコするスタッフをなだめながらも、目が据わらぬ荻下であった。
さすがに、したたかに酔った。

その勢いで、タクシーに乗った荻下は、
自宅ではなく、新座にタクシーを向かわせた。

2万円近いタクシー代をポンと払い、
直子の部屋に入り、床に倒れ込む荻下。

「酔った…疲れた…寝させてくれ。自宅(いえ)はガキがうるさいんだ」

直子が言う。
「今度、正社員になるんだ」

「そう…それはよかったね」
荻下には、直子の出世など興味はなかった。

気のない返事を聞いたあと、直子が次に言った言葉こそ、
荻下を揺さぶる言葉だった。

「あのね…できたみたいなの」

「できた。できた…って、えっ」
答えは一つだった。
私生児が出てくるドラマを地でいく展開を、荻下は実践してしまったのだった。

酔いは覚めず、むしろ増幅し、
荻下の脳みそはかき混ぜられていった。

その晩、優衣は赤ん坊を抱きながら、安寧の夜を過ごしていた。
もう、夫がいない夜は慣れていた。

「ニュースキャスター家族」最終回を、
荻下は妻・子といっしょに見ていた。

荻下演じるキャスターは、私生児全員に父親となる男性が見つかったことで、
ひとりの生活を取り戻すのだが、寂しさを抱いて眠る、というラストだった。

「あなたの演技以外は、面白くなかったね」…優衣はそうつぶやいて、
テレビのリモコンで電源を落とした。

「実は、話があるんだ」荻下はそう切り出すと、
愛人の存在と、「私生児」の認知を妻に話した。

「もう、分かっていたよ」。優しく語る妻の慈愛に満ちた言葉に、
安心して、ため息をついた荻下。
「ふぅ」

その頬に、優衣は力一杯の平手打ちを見舞った。
激しい音に、なぜか赤ん坊は歓喜の声を上げるのだった。

その頃、残業中だった直子に、ニューヨーク転勤を上司が告げた。
千恵はすっかり、裏番組のドラマにハマっていた…
それぞれの日曜夜9時があった。

(完。この物語はフィクションです)

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打ち切りのうた(2)

(前回はこちら)

そして優衣はもう一つ、夫のある行動を見抜いていた。

子供ができたというのに、帰宅時間が遅いのだ。
ドラマの収録は、スタジオの都合で必ず夜10時には終わる、と
プチテレビの知り合いから聞いていたのだが、
荻下はほぼ毎日、深夜、ひどいときには翌朝の7時になって、帰ってくるのだ。

「ディレクターと飲んでいたんだよ」。
荻下はヘラヘラ笑いながら、シャワーを浴びに浴室に直行する。

おかしい。
夫の酒の強さは有名だ。
それなのに、酒のにおいがほとんどないのだ。
そのくせ、酔ったような芝居をする。

「女がいる」…。優衣はなんとなく、思い始めていた。
演技力でならした荻下も、妻には大根芝居しか見せられなかった。

場面は変わって、
スカイツリーの見える墨田区京島の住宅街。
特撮番組の頃から荻下のファンを長く続けている
主婦・波本千恵の自宅アパート。

当然日曜夜9時に見るのは「ニュースキャスター家族」だ。
リョー様、とつぶやきながら、画面に見とれる28歳。
夫は隣でスマートフォンをいじり、子供は部屋でテレビゲーム。
家族のコミュニケーションなど二の次。
唯一の楽しみが、荻下のドラマを見ることなのだ。

スーツを着てキャスター役を務める荻下は新鮮で、
千恵にとってはまさに日曜夜9時は夢の時間であった。

第4回の視聴率が月曜に発表された。
「3.1%」。これはもう奇跡である。

砂嵐を流してもまだこれ以上取れるのではないか、と揶揄され続けて
1週間が経過。
土曜日に、プチテレビの編成局で緊急会議が開かれた。

マスコミにも散々揶揄され、これ以上恥の上塗りはできない。
スポンサーも継続は困る、と言ってきており、
打ち切りやむなし、の空気が大半を占めた。

しかし、バラエティなら即刻打ち切りもできるのだが、
ドラマではそうはいかない。
撮影は進んでいるし、脚本もできている。
俳優陣のブッキングも向こう数回分済ませている。

それよりなにより、いきなりの打ち切りはドラマでは不可能だ。
視聴者に説明ができないし、のちのDVDソフト化もできなくなる。
バラエティのように「今週で終わります」のテロップを最後に出して
済ませるわけにはいかないのだ。

結局、11回シリーズの予定を短縮し、第8回で終了、という形を取ることとなった。
幸い、執筆済みの脚本は第7回までしかなく、
第8回で物語を収束させることで決着がついた。

当然この決定は他のマスコミを通じて報道されることになった。
折しも日曜の朝だった。
その夜には「ニュースキャスター家族」が放送される。

話題作りで、少しでも視聴率を上げ、
スポンサーへの体裁を整えたい、プチテレビの思惑もあった。

しかし、打ち切りが決まったドラマを
いまさら見ようと思う視聴者がどれだけいるか。

普段芸能ニュースにはほとんど興味がない千恵も、
友人からのメールでこのことを知ることになる。

がっかりした千恵だが、その日の晩もドラマを視聴した。
「リョー様がかっこいいことには変わりない。あとでDVDも買うし」。

次の日。視聴率は少し持ち直したが、3.5%と
相変わらずの冴えない数字にとどまった。

打ち切りが決まり、荻下も少し吹っ切れたようだった。
その日も撮影はあったが、打ち切りを冗談にするほどで、
肩の荷が下りたかのように、私生児役の子役と戯れるのだった。

荻下の撮影は午前で終了した。
午後は仕事がなく、帰宅すればよかった。

しかし荻下は、撮影スタジオ地下の駐車場に停めてあった
シルバーのアルファロメオに乗り込むと、携帯電話で話し始めた。

相手は、荻下の愛人だった。

年齢は24歳。一回り下の年齢の、映画会社契約社員の女性・直子。
撮影で知り合い、自然に恋に落ちたのだ。

直子の住む、埼玉県の新座に、アルファロメオは向かった。

新座に芸能マスコミが張り付くはずもなく、
荻下は安心して、直子のいるマンションの一室に消えていった。

早くから父を亡くしていた直子にとって、
荻下のような頼りがいのある男は、恋人であると同時に、
父親のような存在でもあった。

直子のような若い女性がひとりで住むには
いささか不釣り合いなマンションに住めるのも、
荻下の存在があればこそだったし、荻下としても、
第二の自宅のように、落ち着く空間だった。

どうせなら都内に住まわせたほうがいいのだろうが、
新座ならワンクラス上のマンションに住めるし、
なによりマスコミの目が届きにくい。
直子も納得づくだった。

荻下が直子との愛を確かめ合っていた午後のひととき、
都内の荻下の自宅では、優衣がぐずる赤ん坊をあやしていた。
いつまでたっても泣き止まぬ子。一番悩ましい時期である。

荻下は撮影中だ、と優衣は聞かされている。
さすがにこの日ばかりは、知己のスタッフと口裏を合わせたのだった。

数十万円はする薄手の革のジャンパーを再びはおる荻下に、
直子は「スカイツリーを見たい」と言った。

高層ビルの建ち並ぶ直子の職場からは、
とうていスカイツリーなど見えない。

夜の方がいいじゃないか、と荻下は言ったが、
夜だとかえって目立つから…という直子の言葉に納得し、
荻下は直子を乗せて、都内へと向かった。

つづく

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打ち切りのうた(1)

(これは、実際の出来事・作品を元にしたフィクションであり、
ほぼすべてが、創造した虚構の物語であります)

とあるドラマの打ち切りがスポーツ紙を賑わせる。
プチテレビ・日曜夜9時「ニュースキャスター家族」である。

主演は荻下亮。36歳。ファッションモデルのような容姿と
陰のある表情で支持を集める中堅俳優である。

このドラマは、その荻下演じる新進ニュースキャスターのもとに、
20代の頃、若気の至りでこさえた私生児たちが次々と現れ、
荻下を翻弄していくというホームコメディである。

実は似たようなプロットのドラマ「パパのうた」が、
80年代に製作され、大人気となっていた。

「ニュースキャスター家族」のスタッフは、
そんなことは百も承知であった。
そう、「わざと似せたドラマ」にしたのである。

パクられたほうの脚本家も、番組開始前から、
公式サイト上で遺憾の意を表明するほどの似せ具合だった。

「パパのうた」の主役はミュージシャン、
こちらはニュースキャスターで、全然違います…
そう主張して、脚本も少し書き換えると約束して
(実はこれも最初から決まっている)、丸く収めた。

さらにプチテレビの編成部長が、抗議した方の脚本家と一献交わし、
「1年後にオファー出しますから」と確約すると、
脚本家の方も自営業ゆえ、ホコを収めるのであった。

「いい遺恨試合だったな…」。
編成部長は、帰りのタクシーの車内で、ほろ酔いのままほくそ笑むのだった。

プチテレビの日曜夜9時は、
大阪の系列局が製作する情報番組が不祥事で打ち切られて以来、
何の番組を作っても長続きせず「呪われた枠」とまで言われていた。

起死回生を狙ってドラマ枠に転換。
裏番組にも、数十年の歴史を誇るドラマ枠があったが、
そこにあえてぶつけたのである。

…しかしプチテレビ自身の不振もあり、
さほど好調とは言えない枠だった。

プチテレビとしては、荻下よりも格上の俳優を起用したかったが、
子供向け特撮で人気を確立し、
人気女優をめとって「美男美女夫婦」としての誉れも高い荻下を、
コミカルなドラマに挑戦させることで話題になるだろう、
と踏んだのだ。

しかし、目論見は大きく外れる。
先述の裏番組が、荻下よりも確実に格上の人気アイドル
(といっても40近いのだが)を主演に据えたドラマ作品で、
勝負を仕掛けてきたのだ。

SFチックな演出だが、どこかコミカルさも感じる作風で、
「ニュースキャスター家族」よりも一枚上手だった。

やられた…。
編成部長は裏番組の第1回を見て、頭を抱えた。
「あっちのほうが、おもしろいじゃねぇか」。

その裏番組ドラマは2回目以降、視聴率を下げたが、
「ニュースキャスター家族」のほうはもっとひどかった。

第1回6%台。これもむちゃくちゃだが、
次の第2回で3%台に下げた。
これは、平日午前中の番組よりもひどい数字である。

スポンサー、テレビ局、広告代理店の担当者…
皆、その視聴率にただただ呆然とするばかりだった。

一番ショックを受けたのは、主演の荻下だった。
第3回も視聴率3%台に沈み、
いよいよ週刊誌やスポーツ紙が興味本位で取り上げ始めた。
「歴史的低視聴率」「人気俳優も地に堕ちたか…」。

荻下は自分の演技には自信を持っている。

子供向け特撮から、時代劇、
超大御所映画監督のメガホンによる映画まで、
芸の幅広さが自慢だ。

確かに「薄く広く」とは言われがちだが、
「まずまずの結果を出す男」として業界では名が通っている、
と自分でも思っていた。

それがいまや「低視聴率番組の顔」である。
インターネットのスポーツ紙のサイトでも、「低視聴率」の文字の下に、
必ず自分の顔写真が入る。

荻下は思わず、Macノートの画面を閉じた。
「ふぅ」

そのため息を聞き、妻が「どうしたの?」と問いかけるも、
荻下は自室にこもって物思いにふけるばかりだった。

妻もまた人気女優の「樫木優衣」であった。
昨年には女児も出産し、現在は子育てに専念している。

優衣とて女優だから、荻下のドラマの不調くらいは知っている。
しかし荻下はあまり感情を表に出さない男なので、
夫に合わせていちおう、知らないふりをしたのだ。

つづく

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ケーシー高峰ゴールデンベスト

ゴールデンウィークに放送された、
NHK-FM「今日は一日爆笑コミックソング三昧」。

お里が知れる趣味の人間ゆえ、
半分程度は既知の曲であったが、
コミックソングの範疇に入れるのはどうか、という曲も含め
収穫のある番組であった。

その中で一番の収穫が、
ケーシー高峰「そりゃあないぜセニョリータ」。

当時36歳、脂ののりきったケーシーが、
自信過剰っぷりな芸風そのままの世界観で、
「自称モテ男」の哀感をハツラツに表現した佳曲であった。

ケーシーの歌の世界に俄然興味が湧き、
速攻でこの「ケーシー高峰ゴールデンベスト」をネット購入した次第である。
Kc1

昨年11月末に発売された比較的新しいもの。
Wikipediaのディスコグラフィを見たところ、
70年代リリースされた「替え歌」のアルバムの曲と、
その後のシングルの曲を集めているようである。

というわけで、トラックの前半は替え歌中心。
藤圭子(「夢は夜ひらく」「新宿の女」)、
ドリフターズ(「ズンドコ節」「いい湯だな」)などのナンバーを、
ケーシー流に料理している。

基本的には助平男、サラリーマン、世相などが題材である。
正直言って、歌詞の完成度はさほど高くない。(笑)
ケーシーの歌のうまさと、
歌詞の合間の合いの手のいかがわしさを堪能するものと心得たい(?)。

歌詞の中に織り込まれた「スモッグ」「黒い霧」、
現在「ソープランド」と呼ばれる施設を示す某国名など、
時代を感じるキーワードには、ノスタルジーを感じる。

やや拍子抜けしたのは、このアルバムに収められた
「そりゃあないぜセニョリータ」も替え歌、という点。
元歌もヒットしたわけでもないのに…。
しかも替え歌のほうの歌詞の完成度もイマイチだし。

まあそれはおいとくとして、
「そりゃあないぜセニョリータ」でも頻出する「ズージャー語」が
「ナオン」「グンバツ」など複数の曲で出てきて、
ケーシーのいかがわしさは、十分堪能できる。

いっぽう、CD後半に収められているオリジナル曲に関しては、
静かな曲調の歌謡曲・フォーク系統が中心。
CD前半の替え歌でビンビン感じられた、
ケーシーのいかがわしさは一転してなりをひそめる。

そんな中でもケーシー色の強いものもあり、
出色の作品が「いこうぜセニョール」。

作詞はあの富永一朗。
いかがわしさの二大巨頭が個性をぶつけ合った結果、
ものすごい作品に仕上がった、と言えよう。

曲調は「セニョール」だけにスペイン音楽風で進行し、
ケーシーの「いこうぜセニョール!」のかけ声とともにマーチに変貌、
女声コーラスの「ベッカンコー!」の合唱とともに
またフラメンコ調に戻っていく巧みな構成にはただただ唸るのみ。
なお作・編曲は「ハニー・ナイツ」のリーダーであった葵まさひこである。

「太郎と花子(サラポニタン)」もなかなかの曲。
アフリカのシャーマンの呪文のような一節をリフレインしながら、
男女が子どもの頃に出会い、結婚するまでを陽気に描く。

こういういかがわしい空気感を持つ芸人というのは最近見ない。

アディオスだのグラッチェだの言いながら
「いかがわしい医者まがい」の空気感をビンビン出しまくりつつ、
エロ漫談を繰り広げたケーシーの世界観にどっぷり浸かれる、
ナイスなCDである。

Amazonや楽天などには在庫がふんだんにあるようなので、
ご興味ある方はご家庭に一枚どうぞ。
Kc2


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高速バス事故に思う

連休を利用して、ディズニーランドに出かけた行楽客を襲った、
高速バスの事故。7人もの命が失われた。

TVでは、訳知り顔のキャスターやコメンテーターが
通り一遍なコメントをしているが、
そりゃ普段からグリーン車やビジネスクラスしか使わないような人たちには、
高速バスのことは分かるまい。

逆に言えば、そういうリスクのある交通機関である、
ということなのだろう。安さの理由はそこにある。
新幹線だって事故の可能性もあるし、
飛行機だって墜落しないわけじゃないが、
バスが事故を起こす確率に比べたらとんでもなく低い。

何度も高速バスは利用している。
座席が一つ一つセパレートになっているミドルクラスも乗ったし、
観光バスタイプで、2人掛けにぎゅうぎゅう詰めで寝る激安バスも乗った。

ただ、運転手は必ず2人以上おり、今回のように1人だったという経験はない。
「日雇い外国人ドライバー」などなおさらだ。
それくらい、競争が激しい業界だということなのだろう。

朝や夜、新宿駅周辺や東京駅周辺は高速バスの一時停車で埋め尽くされるようになった。
盛岡でも、夜11時過ぎになると「マリオス」の人工地盤の下に
鈴なりのバスが止まる様子が、2年ほど前から見られるようになっている。

ネットで簡単に予約できるのが高速バスの魅力であるが、
その分、価格の下落が著しい。盛岡~東京も、数年前は往復1万円が相場だったが、
最近は6~7千円まで下がっていた。

ネットで業界大手にのし上がった楽天トラベルの参入も大きいだろう。
その激安価格を享受させてもらっていた身なので、
複雑な思いもある。

ただ、今回の事故でもチケットを売っていた、
楽天トラベルについての報道があまりないところを見ると、
うまいことマスコミ対策をしている「大企業」っぷりが浮き彫りになり、
それもどうだろうか、と思うのだ。

そして、報道を見れば分かるように、
脱法行為を繰り返していた運転手と、
下請け会社の社長だけが責められる結果となるわけだが、
零細業者だけつるし上げて、問題解決するわけでもなかろう。

グリーン車しか乗らないコメンテーター様のように、
「高速バスなんて乗るからだ」などと言う気はない。
2人以上の運転手確保などの安全対策と
(もちろん「不良外国人」が入り込まないような体制確立も)、
ダンピング競争の行き過ぎの是正を求めたい。
それに尽きるのではないか。

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同情を売るな

情に訴えるのはそろそろ終わりにしよう」(松本孝行)@アゴラ。

よくある障害者施設の物品販売は、
情に訴えすぎではないか、というものである。
もう、全くその通りだと思う。

うちの職場にも、誰が連れてくるんだか、障害者施設が売りに来る。
俗に言う『知恵遅れ』の子、というより若者を売り子にさせて、
廊下とかにしばらく立たせて、かけ声あげさせて、
「この子から買わないあなたは非国民」みたいな感じマンマンなもんで、
あんまり買いたくないのよね(つきあいで買わされるけど)。

障害者施設とか高齢者介護施設なんかで作った
食品とか小物とかが、産直施設などでも売られていることがあるけど、
小物なんか特に「こんなもの誰が買うんだ」っていう商品が多い。

もっと売れやすいものを作らせてあげるべきなのに、
わざわざ売れなさそうなものを作らせているとしか思えないのだ。

著者も言及しているが、
食品なり小物なり、その「モノの魅力」で勝負するべきであって、
「かわいそうだから、買ってあげましょう」という売り方は、
製造に携わっている障害者にも失礼である。
品物じゃなくて、同情を買わせているだけだ。

まあ、最近は障害者施設のほうも分かってきているようで、
味や品質にこだわった品物も出てきているように思う。
スーパーで施設が製造したコーヒー豆を売っているが、
確かに美味しい。手抜きがないからなんだな。

最後のフェアトレードに関する見解は、少し違うと思うが、
(元ネタとしている切込隊長のブログは論旨ずらし気味の上に読みにくい)、
障害者施設の製造品・販売手法については大いに賛同する。

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小売店をあなどるなかれ

某電器量販店で気になったスピーカー。

iPodで音楽を聴いたりするのに、
これまでは数年前に秋葉原で買ったコンパクトサイズの
スピーカーを使っていたが、
音がちゃちいなぁ、と常日頃思っていたので、
新調してみようかな、と思った次第。

ちょうど手頃そうなものに目星をつけ、
しばし考える。そう高くはない製品である
(安物で満足する安い人間なもので)。

しかし「見るは三越」じゃないけど、
「待てよ、ネット通販も確認してみようか」と悪魔のささやき。

何も買わずに店を出て帰宅し、
自宅のパソコンで、同じ品番を検索。
価格.com。おなじみの激安ショップの名前が並ぶ…。

あれ? おかしいな。
最安価格でも、さっき見た量販店の値札の、
2倍近い値段になってないか?

まさか、とパソコンの電源を切り、
店にとって返す。
値札を見ると、間違いない。
価格.comより全然安かった。

聞けば型落ちの処分価格らしい。
こんどはさっさとレジを通した。得した~。

後から調べたら、ネット上でも、さっきの店の価格くらいで
特価販売した実績もあるようだが、
さすがに速攻で売れてしまったようだ。

結局、このスピーカーは、
ネット上では「ロングテール商品」入りしかかっているようで、
さほど安くない金額にとどまっているようである。

それを、この量販店ではバシッと安価で販売していたわけだ。

ネット上の方が安い、とばかり思っていると
痛い目に遭うかも知れない。

しかも故障時の対応では、遠くのネット通販は、
近所の量販店には及ぶべくもない。
多少高くても、安心を買うと思えば…ということもある。

ネットで買おうと思う前に、近所のお店を再確認しよう、
と思うのである。

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シャインモルト

ふらりと寄ったサンクス。
よいことが続いているので、ついうっかり1本買ってしまった。

PB「StyleONE」ブランドの第3のビール。価格は350mlで110円であった。
製造は大韓民国、輸入者は眞露ジャパンとある。
あぁ、あのジンロね…。

おそらく中身はWEBページに紹介されている「ジンロ・ドラフト
そのものと思われる。

口当たりは軽い感じ。
ホップの香りが強めに出ていて、
好きな人はクイクイといけるのではなかろうか。

6缶パックだと628円だったかな?
もっとお安くなる。

サークルK・サンクスだとこの価格だが、
岩手にはない「アピタ」や「ピアゴ」だと
1缶88円で売っているようである。

そう聞くと、ちょっと損した気持ちもするが…
まあ、コンビニは「便利」を買う店ですからね。

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豆腐プリンわさび風味

※検索でおいでになった方へ…イトーヨーカドー系の製品についての記述はありません

HOME愛しの座敷わらし」に登場する「豆腐プリンわさび風味」が、
実際の商品として店頭に並ぶという。(マイナビ

タイアップしたのは全国チェーンの「イトーヨーカドー」。
同社のWEBでも紹介されている。

グループのヨークベニマル、ヨークマートでも販売される。
製造するのは横浜の菓子メーカー「プレシア」。

しかし…。

映画の舞台となった、我が岩手県には、
ヨーカドーはなんと1店、
ロケ地の遠野市でも、県庁所在地の盛岡市でもなく
「花巻市」にしかないのだ。
また、ヨークベニマルもヨークマートも存在しない。

しかも、映画の中で実際に登場するスーパーは、
北海道のスーパーの傘下に入るというニュースで
先日少し話題になった「ジョイス」だったりする。

映画に出てくるんだったら、豆腐プリンもジョイスで売ればいいのに、
なんでイトーヨーカドーなのか…。

ま、タイアップ効果を考えれば、
全国チェーンのヨーカドーと組むのはある意味当然かもしれないが、
少し間抜けな話…。

Tofu1


と思ったら、そのジョイスでも「豆腐プリン わさび風味」が販売されていた。

しかも2種類。「わさび風味とうふプリン」と
「ホワイト生クリームプリンわさび風味」。

さらに、どちらも「遠野産わさび入り」と書かれている。
遠野市は映画のロケ地だ。
わさびは、数年前に遠野市と合併した「宮守村」の特産である。

プリンを製造しているのも、盛岡市内のメーカーだ。
豆腐消費量で、盛岡市は全国県庁所在地No.1。

正真正銘の岩手産。映画と同じ。
これこそ、「本物」じゃないか?

…と思ったが、ヨーカドーのものと違い、
パッケージには映画のことなど一つも書かれていない。

つまり、こちらのほうが「便乗商品」だったりする。
まあ、映画会社側になんらかの話はつけているとは思うが…。

底の方にわさびのかけらが沈殿している。
本当にわさび入りだ。

まず、「とうふプリン」のほうをいただく。

ふたをとると、わさびの香りが…特にしない。
口に入れると…うっすらとワサビの香りがする。
ワサビというか、なんかお刺身食べてるような感覚に陥る。

プリンのほうは、フルフルしていて、口に入れるとサーッと溶ける。
わずかにピリピリするが、
ワサビワサビはしていない。

Tofu2

上の方は多少固まっている。
手づくりのプリンってこんな感じだよな…。

沈殿したわさびのある底の方をすくって食べる。
香りが強まるわけでも、
とくにツンとするわけでもない。
多少、つぶつぶが口に残る程度。

豆腐は、言われなかったら分からない感じだが、
さっぱりといただいた。

いっぽう、ヨーカドーにはない「生クリーム」バージョンは
豆腐は使われていない。
そのため、生クリームの濃厚な味わいがあるが、
わさびのほのかな香りは豆腐のほうと同じ。

いずれ、わさびが入っていなければ、
何の特徴もない、手づくり感覚に毛が生えた程度のプリンでしかないが、
わさびのおかげで少し、オリジナリティがあるかな、というスイーツである。

お値段は1個98円。
また買ってみようかな、と思う価格ではある。
おそらく映画の上映が終わればきれいに売り場から消える商品と思うので、
今のうちにご賞味を。

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