津波注意報と報道
14日、午後6時過ぎに三陸沖で地震が発生、
一時、北海道~岩手県沿岸に津波注意報が発令された。
予想の津波の高さは「50センチ」。
「たいしたことないだろう」をたかをくくるレベルのはずだが、
6時15分から一斉に始まる、民放のローカルニュースは、
7時までの45分間をこの津波の情報に費やしていた。
通常通りCMは放映していることからも、
放送局側も「たいしたことないだろう」と思っていたフシはある。
ただ、それで岩手の放送局を責めようという気はない。
実際、津波はほとんどなかったわけだし。
それに番組中、キャスターは「必要以上」に、
津波への恐怖を呼びかけていたように思う。
それはとりもなおさず、東日本大震災の記憶があるからだろう。
岩手朝日テレビ「IATスーパーJチャンネル」を見ていたが、
宮古や大船渡の記者と、メインキャスターの山田アナウンサーのやりとりが、
とても印象に残った。
盛岡のスタジオにいる山田アナは、
現地の記者に、緊張した口調、というか、
緊迫感をあおる、といったほうがいいか。
「津波は予想よりも高くなることがあるわけですから、
沿岸の皆さんは素早く逃げる体制ができているんですよね?」
という感じで、やや修辞疑問文的に記者に問いかける。
(修辞疑問文…賛否を問いかけているが、実際には結論をおしつけるような言い回し)
しかし現地の記者は「とりたてて変わったところはない」
「あわてている住民も見受けられない」と、
きわめて冷静な口調で答えていた。
基本的にテレビ局の支局は高台にあるので、
あわてる必要がない、というのもあるだろうが、
この温度差は、山田アナの緊張した口調と比べると、
「拍子抜け」を覚えた。
震災もあったわけだし、
用心するに越したことはない。
油断して逃げ遅れた人が多かった、という教訓もあった。
盛岡側はそれを伝えようと懸命になった。
東京のキー局もそういう対応をしていたようである。
しかし、実際に津波が来る沿岸部は、
それなりに冷静であった。
なにしろ、震災以前から「津波注意報」には慣れっこのはずだからだ。
また、10数メートルの津波を経験しているわけだから、
50センチの津波など…と言う思いも、正直あったのではないか。
そこが「油断」といえば、「油断」。
「経験則」といえば、「経験則」。
はっきり言うと、盛岡側が必要以上に騒ぎすぎた、という印象は残った。
震災前は、50センチの注意報レベルなら、
画面にテロップを出したまま、別のニュースを伝えていたはずである。
こういう対応を続けていると、逆に、
「あんなに騒いでいるけど、いつも通り津波は来ないよね」という、
「オオカミ少年」現象が再び…ということにもなりかねない。
しかし、当然ながら、無視するわけにもいかない。
各局一斉に津波注意報「だけ」を伝える「臨戦態勢」の横並びを見て、
「バランス感覚」が求められているな、と考えるのである。
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