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寄席は宇宙

田舎者なのでなかなか来れない「寄席」。
先日、突発的な東京出張という僥倖にあずかり、
夕刻の終了後、「浅草演芸ホール」へ。

横文字が名前に織り込まれているが、
現在都内に4つしかない、正式な寄席の1つである。

ハッピを着たオジさん(ほんとはえらい人なのかなぁ?)が
どうぞ、どうぞというから勇んで中に入るが、
やや無愛想なお兄さん「チケットはあっちで買って下さい」。
この人は「もぎり」だったのか。

入り口でチケットを買って、今度こそもぎってもらう。
ああ、田舎者。

中に入れば色物芸人の出番が終わるタイミング。
席を立つ客が多く、椅子が空く。
浅草演芸の客席はやや時代がかった感じである。

上を見上げても、古さを感じる。
なにしろ上階にある「東洋館」はもとストリップ劇場。
ビートたけしら、あまたの天才芸人がこの建物で芸を磨いたんだなぁ。

2階席もあるようだが客はそこまで入っていない。
桟敷席のような場所もあり、赤い欄干が目を引く。
まあ他の客はそんな場所など見ていないんだが、
田舎者だから、ついついそこまでチェックしちゃうんだな。

お仲入りが終わり、噺家が出てくる。
高座前方にあるマイクスタンドは、床に空いた穴からせり上がっている。
機械操作で上下できるようだ。
こういう場所も、時代に適応しているのだな。

一番前の席で、不釣り合いな茶髪のお姉さんが
席にもたれかかって座っているが、
ネタ中に絶妙なタイミングで拍手をし、時に笑う。関係者なのかなぁ。

ほかにも、とくに笑うでもない30歳くらいの男性が
お姉さんと同じようにいいタイミングで拍手している。
若手さんかと思ったが、芸人は客席に座らないというから、
関係者でなければ、単なるオタクか。よくわからん。

いろんな客がいる。
隣の座席のババア二人連れは、座席にドンと荷物を置いている。
まあ満員でもないからいいんだけどさ。

落語を真剣に聞いていると、後ろの座席のジジイが
おかきかせんべいを口を開けたままボリボリむさぼり食う。
ボリボリシャクシャクボリボリ。うるせー。

やれ「隣の客がガム臭い」とか言う通の落語客のブログもあるが、
無粋だな、と思ったけど気持ちは分かるな。

隣のババアがたまらずそのジジイをにらみつけたので
こっちもジジイの顔を見てやったが、
ジジイはおかきを食い終わって、満足げな顔で芸人の方を見つめていた。

そのババアもせんべいの袋を開けようとして、
開けそびれてビニールのこすれる音だけが響く。
開けたと思えば小分けに割ってひとかけらずつポリポリ食う。
こっちも、うるせー。

…というか、こういう描写を細かく書けるということは、
芸人のネタに集中できていないんだよ、こういうときって。

まあそれでも、お目当ての芸人のときは集中するし、
売れっ子さんなので、他の客もせんべいとか喰わずに笑っている。

テレビとかYOUTUBEとかでしか見れない芸人が目の前にいるという至福。
しかも場所は他ならぬ「寄席」ですからね。
田舎者にはたまらないですよ。

その後もしばらく演芸を堪能し、出口を出た。
「再入場は不可」と看板に書いてある。
少し、後ろ髪を引かれつつ、宿へと向かうのだった。

寄席はいろんな要素をはらんだ、
宇宙、Universeである。

そんな宇宙が4つもあるんだから、東京って贅沢な街だと思うよ。

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