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不来方名人寄席

2月19日、岩手県民会館大ホール。
史上初、2日連続落語会出席。

岩手県民会館はすっかり爺さん婆さんの花園になっていた。
黒・茶系統の色合いの上着を着込んだ人々が、ホワイエをうめつくす高齢パラダイス。
まあそういう自分も自慢できるほど若いわけではないけれど。

2000人近いキャパのホール。
1階席は前方7割ほどが埋まっていた。
2・3階席はちゃんと見ていないが3~4割だったようだ。

そりゃ、ミュージカルとかと違って、
演者が米粒のまま止まっちゃいますからな。

IBC・瀬谷佳子のアナウンス(生ではないことが後に分かる)のあと1時半開演。

開口一番は桂宮治。
けっこうな年齢で子供もいるそうだが、キャリアとしてはまだ浅いようである。
しかし「たらちね」でなかなか貫禄のある芸を見せていた。
マクラで披露した木更津の学校寄席での珍エピソードも良かった。

続いて釈台が用意され、神田京子が登場。
まともに講釈を聞くのははじめて。ドキドキ。
マイクが声より扇の音を大きめに拾っていたのが気になったが、
小難しい話をするでもなく、講談界の話(協会が二つある、女流が増えた)、
外国人向けに作った「浦島太郎」の英語版講釈、
そして「ジャンヌ・ダルク」の話を講釈に仕立て上げた一席でご機嫌を伺った。

「私を野球に連れてって」の出囃子が流れ、
落語の部のトリ・桂米助がここで登場。
あの「ヨネスケ」である。

盛岡駅に着くなり、老夫婦が新幹線に飛び乗ろうとしたが
夫が乗り遅れ、一人だけ乗った妻がピースサイン。
夫はそれを手を合わせて見送った…これどこかで聞いたことあるな。

タクシーに乗ろうとしたら、おばちゃんに「あっ!晩ご飯が歩いてる!」。
客は爆笑だが、これいろんなところでしゃべってるんだろうな。

もちろん「突撃!隣の晩ごはん秘話」も。
震災もあったので番組を1年お休みにしたんだとか(ほんとかな)。

晩ごはんは、正直マズいのもあるが、
押しかけていって不味いというのもなんなので、
そういうときはウマいともマズいとも言わず「なかなかですね~」と切り返す。

だからこれから番組を見るときには、注意して見てもらって、
「なかなかですね~」と言ったときには…。

全国を渡り歩いているのでいろんな方言も聞いた、と。
青森ではリンゴを食べたのに「スケベ」と言われて驚いた。
「すっぱいだろう→すっけぇべぇ→スケベ」。

そしてネタへ。
どこかで聞いたことがあるような噺だ、と思ったら「天狗裁き」。
しかしそこはヨネスケ、ちゃんとアレンジをほどこしている。

夢を見ていないのに、見ただろうと聞かれ続け、
とうとう奉行によって木にくくりつけられた男。
普通なら男はここで風に飛ばされ、天狗に夢のことを聞かれるわけだが、
ヨネスケは天狗ではなく「長嶋茂雄」を登場させた。

場所は東京ドームの真上。
古典落語なのにタイムスリップしてしまったが「これが落語のよさ」。

ミスターにも夢のことを聞かれるが、見ていないとしか言わない男は、
ミスターに黒いバットでおしりを千回叩かれる、という展開に仕立て上げた。
なるほど~と感心。(実際にDVDにもなっている演出のようである

休憩後、Wコロンが登場。
木曽はおしゃれな帽子に黒いジャケット、ねづっちはおなじみチェック柄。

「きょうは大御所ばかりで楽屋は緊張しました」
「早くステージに上がりたかったんやろ」。

お得意の「肉まんの先っちょをねじるアルバイト」で客の心をつかんだ後は、
おなじみ「謎かけ」。客席からもお題を出させる。

木曽が客席を行ったり来たり。
こうやって全国の営業先を爆笑、というか感心させているんだな。

最初の客が「チャグチャグ馬っこ」というお題。
木曽「ああ~、晩ご飯のおかずには最高ですね」。

ねづっち、なんだか分からない表情のまま「整いました」。
「チャグチャグ馬っことかけまして、信用できない薬とときます」
「その心は」「きいたことがありません」。さすが!

その後も「岩手山」「盛岡冷麺」「めがね」などのお題に答え続け、
最後は「早池峰山」。これもチャグチャグ馬っこ系だが、
ねづっちは「なりたてのスパイ」でかわした。
(その心は「とうちょうするのが難しい」…そんなに難しくないけどね)

ラストはおなじみ「ケーシー高峰」。
昨年、震災直前に同じ県民会館にて「ラジオ寄席」公開収録で見て以来。
やはり、この日一番の爆笑をかっさらったのはケーシーであった。
東北ではケーシーの山形なまりと下品な芸がみごとに冴え渡るのだ。

ステージにおなじみホワイトボードが置かれたが、係員が出囃子を間違え、
開演のアナウンスが一瞬流れる。(録音だったのね)

客席が少しざわめく中、ケーシーがステージに顔を出し
「もういいのか!」(記憶あやふや)。笑い。

無事「ベン・ケーシーのテーマ」が流れはじめ、今度こそケーシー登場。

さっそく客席の手前側を見渡し、どっかの爺さんから「腹出たな」と言われ
「その分キンタマ小さくなったぞ」。

「天皇陛下の手術を担当したのは、我が日大OBのドクターです」。
早速のタイムリーな話題。
「彼は外科ですが私は婦人科のインターン。でも2年でやめました」
といって、股間を触りながら「見飽きた」。

客席のババアたちを「AKB48だ」。
明るくて(A)キレイ(K)でババア(B)、シワ(48)だらけ。
今度「TPP」になったら日本は大変だ。
アメリカの農作物を食べる(T)とおなかピーピー(PP)。

席を立った女性に「おい帰るのか、オシッコか」。
おしっこといえば、鍋料理を食べた女性はオシッコが近くなる。
これを「なべしっこジャパン」という。

昨年から、尿の出にくくなった人には補助が出るようになった。
これを「残尿手当」という。
…オシッコばっかりだな。

「おぉ、きょう来るときにラジオで聞いたけど、
石原都知事が東名高速で心筋梗塞になった…」会場騒然となるも
「ら、大変だな」。

「震災より本妻が怖い」「放射線より常磐線が大変」と、
震災ギャグも織り込みながら。

最後はいわきの老人ホームで認知症のお年寄りを相手にした、という話。
高峰三枝子のカラオケを歌う、と恍惚の表情で言うおばあちゃん。
マイクを股ぐらにあてがって「股間の宿」。

ビシッと決めたステージであった。

観覧した方はおわかりと思うが、客席前方左方にバカ笑いする客が一人いた。
笑い屋的な役割は担ったかもしれないが、
周りのリアクションを見る限り、うるせえなぁ、と思った人も多かったようだ。
まあ、これもライブということで…

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