« お風呂でテレビを見る方法PART2 | トップページ | 規制ばかりのテレビ »

復興局の場所

復興局、なぜ盛岡に…戸羽・陸前高田市長」(河北新報)

岩手県内でも最も激甚な津波被害を被った被災地である、
陸前高田市の戸羽市長が、復興を所管する国の機関「復興局」の
出先が、沿岸から遠く離れた県庁所在地の「盛岡市」に置かれることへの、
素直な懸念を表明している。

陸前高田市から盛岡市は100キロ以上離れている上、
連絡する高速道路網もなく、アップダウンのある道は、
この時期、必ず凍結する。

市長は「何かあったときに、盛岡まで行くのは大変だ」と語る。

「盛岡に出先を置くということに際し、相談も何もなかった」という。
ただ、地元の陸前高田に出先を置いてくれというわけではなく、
せめて「釜石にあれば」という。

事実、復興局の出先は「県庁所在地に置く」ことになったという。
ただし、被災地から遠いことを勘案し、
被災3県には「支所」を2ヶ所置くこととしているようである。(毎日

WEBでは分からないが、河北新報の紙面を見ると
「復興局、なぜ盛岡」の文字がでかでかと社会面を飾っている。

マスコミは「弱い立場の人」の声をすくいたがるので、
このように戸羽市長の声は大きく報道されることとなった。

先述通り、陸前高田市から盛岡市は遠い。
車でも3時間は見た方がいい。
冬場は道路が凍ってしまい、通うのに難儀する。

陸前高田だけでなく、釜石とか宮古、野田など、
岩手県の沿岸は盛岡市への接続性がどこも悪く、
被災地から盛岡へ通うほうの負担はそれなりに大きい。

…しかし、である。

市長の気持ちは分かるが、
では逆に、復興局を釜石市なり宮古市なり、それこそ陸前高田市でもいいけれども、
沿岸に置くとなると、それもまた負担が大きくなるのではないか。

盛岡は文字通り「県庁所在地」であるから県庁もあるし、
国土交通省や労働局など、国の役所の出先も固まっている。
それぞれの連絡を考えれば、盛岡市にあったほうが効率はよいはずだ。

国のお役人や国会議員たちが来るにも、都合がいいのは
新幹線が頻繁に止まる盛岡市であることは明らかだ。

もしこれを仮に釜石市に置くとなると、
盛岡からまた時間をかけて釜石市に行かないといけない。
東京方面から来た人は、帰るときにはもう一度時間をかけて
盛岡を経由して東京に帰ることになる。

支援される立場である、被災地の首長なり職員は便がいいかもしれないが、
逆に支援する方の手間がかかることにもなりかねないのではないか。

「我々被災者にまた不便を強いるのか」という気持ちも分かるが、
特定の職員なり市民が毎日通うわけでもあるまい。

逆に復興局に詰める職員は、盛岡に点在する役所やら、
東京やら仙台やらを行ったり来たりすることになるはずで、
これが沿岸にあるとなると、時間とコストが余計にかかることになる。

「復興のシンボル」として、被災地に役所を置くことの意義もあるだろうが、
シンボルはシンボルであって、実務とは別の話である。
「復興に携わるなら、被災地の住民と顔を突っつき合わせて執務をしろ」
という意見もあろうが、それで復興のペースが遅れるなら本末転倒だ。

戸羽市長は、「支援する方は大変だろうが、それでも…」という気持ちで、
「せめて釜石市におけないか」という言葉を発したのだと思う。

しかしものごとにはかならず「裏」がある。
メリットの裏にはデメリットもある。
それらをよく考えていかないといけないと思うのだ。

ただ、事前の相談がなかった、というのはよくなかった。
「復興局は県庁所在地」を決めた人々は、
被災地に「なぜ県庁所在地に置くのか」をよく説明しないといけない。

そして「極力、沿岸被災地に不便のないよう」努力もすることである。

|

« お風呂でテレビを見る方法PART2 | トップページ | 規制ばかりのテレビ »

「ニュース」カテゴリの記事

岩手県」カテゴリの記事

盛岡市」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17134/53526340

この記事へのトラックバック一覧です: 復興局の場所:

« お風呂でテレビを見る方法PART2 | トップページ | 規制ばかりのテレビ »