疲れる「いいとも!」VS癒やす「ヒルナンデス!」
「笑っていいとも!」がこの秋、リニューアル。
まあ、長寿番組だけにリニューアル自体は間断なく行われているが、
とうとう、番組開始以来使い続けた「テーマ曲」のアレンジを変更したのだ。
担当したのは小西康陽。曲調は変えていないが、印象はかなり変わった。
スタジオセットも、だいぶきらびやかなものとなった。
一番変わらないのは、相変わらずマイペースな、タモリその人だけだ。
なんで今さら…と思ったのだが、
どうも「ヒルナンデス!」の猛追があるからではないか、とにらんだ。
震災から1ヶ月も経過していないこの春に、
神妙な始まり方でスタートしたが、
前番組「DON!」から継承した「ゆるい雰囲気の情報バラエティ」路線が、
だいぶ定着したように思う。
オードリーを「いいとも!」から引き抜いてみせたのも、強気の表れか。
司会を務める南原清隆は、押しの強い芸風ではない。
「やるやら」「ウリナリ」の頃は前面に出るキャラクターだったが、
相方の内村光良が「笑いを創る」「若手と絡む」キャラを確立した結果、
現在の南原は「狂言」「落語」「舞台」など、
いまのバラエティ界の中では「あさっての方」を向いている印象すらある。
「ミニタモリ」というにはナンチャンはやる気にあふれすぎているが、
かといってグイグイと視聴者にアピールするような存在感は薄い。
それなのに若手のレギュラー陣をまとめられる。
番組にはそんな「安定感」が漂う。
昼休みにゆったり見られる「安心感」も、
一番強いのは、実は「ヒルナンデス!」なのではないか。
両者以外の選択肢を見れば、「ワイド!スクランブル」「ひるおび!」は、
はっきりした情報番組。
NHKは相も変わらず「職場の昼休みに見る番組」という感じで、かえってヌルすぎる。
その点、「ヒルナンデス!」はほどよいバラエティ感があり、
情報要素もあるのでなんとなく役に立つ気がする…
いままでにないジャンルを開拓し、
視聴者のニーズに応えた番組といえるだろう。
"絶対的王者"だった「いいとも!」は、
「若手笑いのせめぎ合い」「しっかり笑いをとるジャニーズ」
「レギュラーに居座る鶴瓶・関根」「番組に詰め込まれたタイアップ」など、
画面からはなんとなく「緊張感」が漂う。
最たるものはタモリ自身の「ベカラズ」。
グラサンの中身は見せないし、私生活も語らない、まさに「王様」。
そしてタモリの言うことは絶対にスベらない、という雰囲気の「強制」…。
番組の緊張感は、本人はユルユルを自称する、タモリ自身からも発せられているのだ。
番組開始から30年経って、ギネス級の番組にもなれば、そりゃあ、緊張感も出るか。
その「緊張感」は「盤石」の表れでもあり、「魅力」でもあるのだが、
そろそろ視聴者は疲れてきているのかもしれない。
昼休みに、疲れたくはないからね…。
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