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やがて空しき反対闘争

成田空港の敷地内にあった「団結小屋」が撤去された。
昭和41年から、空港建設反対運動の拠点として使われていた。

滑走路が屈曲するなど、成田空港の拡張の妨げとなっていたが、
裁判の末に、撤去されることとなった。

増改築は経ているが、45年間にわたる「レジスタンス」は、
実に4時間で瓦礫の山に帰した。

作業中、反対派はシュプレヒコールを繰り返した。(毎日
記者会見に応じた反対派のK代表は、
「成田空港を廃港に追い込む」と意気込んでみせた。

「廃港」という現実離れも甚だしい単語を使い、
89歳と老いさらばえて、舌の回りも怪しい代表の会見からは、
「老人の妄言」という言葉しか浮かばない。

確かに、45年前は、土地をいきなり接収され、
生活の安寧を奪われた「悲劇の主人公」だったのだろう。

しかし、もう時代は変わったのだ。
海外旅行が当たり前になり、国内旅行よりも安く済むケースも出てきた。

日本の高度成長はとうに過ぎ去り、ばかにしていた中国に経済規模で追い抜かれ、
韓国はおろか、タイやシンガポールにも頭を下げなければならない時代になった。

それなのに、窓口となる空港の拡張さえ、思うようにできないことが、
どれだけの損失を日本国に生むのか、理解しているだろうか。

自分たちの抵抗が、周囲の目に見える範囲だけじゃなく、
日本国民に広く迷惑をかけていることに、気づいているだろうか。

狭い空港がゆえ、成田だ羽田だと、もめなければならない状態を続けているがために、
「アジアのハブ空港」の地位を、インチョンなどに奪われようとしている。

その今もなお、「国際競争」などと言う言葉は、
この老人の脳内にはないのだろうか。

自分の信念だけで約半世紀、闘い続けることに意味はあるのか。
美しき闘士の情熱か、執念深いだけの単なるエゴか。

もしかしたら、代表もうすうす、
自分が世間に与え続けた影響を、分かっているのかもしれない。
ただ、後に引けないだけで。

「おじいさん、ありがとう。よくがんばったね」。
そう、言わせてくれよ。

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