「反通販」でデモは起こせるのか?
フジテレビへの抗議デモが二度にわたって、お台場の同社近くで行われた。
「韓流ドラマ」を大量に放送し、
かつ通常の番組においても韓国に関する情報を散りばめ過ぎだとして、
いわゆる「ネトウヨ」を中心に、ネット上でなく「目に見える行動」が実行されたものだ。
騒動の火だねとなった俳優の高岡蒼甫は、
事務所を辞めたり発言を引っ込めたりと沈静化していく中で、
この問題は大変な議論を呼んでいるところである。
確かに「冬ソナ」以降、韓国製のコンテンツは人気もある。
また、韓国自体、エンタメの国内市場に限界があり、
「ソフト輸出」を国策として振興しており、
日本人がまんまとひっかかっている側面もある。
ただ、振り返って考えれば、日本国内にも優秀なコンテンツはいくつもあるはずなのだ。
20年ほど前は、午前中や夕方の空き枠では「再放送」がよく行われており、
昔のドラマやアニメが放送されていたものである。
何も「輸入」しなくても、放送するものはたくさんあるし、
視聴者のニーズもあるはずだが、放送局は視聴者ではなく、
「輸出したい」という「韓国のニーズ」を受け入れてしまった。
フジテレビだけでなく、他局でも韓流ドラマは多い。
BSデジタルなどは凄いことになっている。
凄いこと、といえば、なにも韓流ドラマだけではない。
「テレビショッピング」の類も、目を覆うばかりである。
先日、放送法が改正され、「放送番組をカテゴリーに分け、
それぞれの放送時間を公表せよ」というのが義務づけられた。
これでは、通販番組の割合がバレてしまう。
つまり通販番組の割合を減らせ、という趣旨である。
軒並み30%を超えていた各局は、
秋までに30%を切ることを目標に、通販番組の削減に着手している。
しかし、家電販売大手・ビックカメラ傘下のBSイレブンや、
「QVC」の放送を目的に誕生したトゥエルビ(三井物産傘下)は、
「通販をたくさん放送する」というあてが外れてしまい、
苦慮していることは想像に難くない。
テレビショッピングの多さは、地方局も同じである。
岩手県の場合、「早朝」「正午前」「夕方」「深夜」に横並びで通販番組が並ぶ。
民放は4局あるが、全チャンネルが通販、という時間帯も珍しくない。
そういう時間帯は、BSデジタルも同様に通販ばかり、だったりする。
そうなるともう選択肢はNHKしかないのだ。
※なお震災は全く関係がなく、発生以前も同様であった。
むしろ震災中には一部の局で生活情報番組を放映していたため、
通販の割合は減っていた。それも今は元に戻っている。
岩手に限らず、どこの地方でも同じだろう。
なにしろ東京MXでさえ似たような編成をしているのだ。
広告主は、費用対効果など算出しているのだろうか、と
首をひねりたくなるが、「流した者勝ち」の側面もあるのだろう。
そもそも、「損失が出る」のなら、
こんなに大量の「通販番組地獄」は生まれないだろうし。
景気が悪くなり、震災も追い打ちをかけ、
従来のCMによるスポンサーが減れば、
さらに「手っ取り早い」通販番組を増やす方向を考えても、
おかしくはない。
韓流ドラマ1本流すにも料金がかかるが、
通販番組は逆に放送局側の収益になる。
むろん、放送局側も「通販が多すぎる」ということは自分で分かっているはずだが、
放送局は慈善事業ではない。ビジネスなのだ。
収益が出る方向に持っていかなければならない。
安易な「通販依存」は、視聴者にそっぽを向かれる可能性もある。
でもそれをTV局は、ほんとに分かっているのかな…。
通販ではなく「韓流依存」で攻撃を受けたのはフジテレビであるが、
そうは言ってもネット上のごく一部の動きであって、
大方の視聴者はそんな騒動が起こっていることなどつゆ知らず、だろう。
ネトウヨは敵がはっきりしているから、「韓流ドラマを排斥せよ~」と言えるが、
通販を排斥したいと思っている層が多いとしても、
集まって声を出すことがあるかどうか。
「通販はもういらな~い」と、デモを起こす気になるか?
そもそも、そこまでテレビ放送の心配をしている人が、
どれくらいいるのか、という、別の問題もあるのだが…。
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