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地デジ時代はデジタル時代

アナログテレビ放送が、7月24日終了した。
白黒テレビ放送がはじまって58年間、
カラー化に次いで、テレビ放送はまた一つの節目を迎える。

岩手・宮城・福島の被災3県をのぞき、
アナログの地上波放送が正午に終了。
「歴史的瞬間」を録画しようと、使っていないビデオデッキ(テープのやつね)を
引っ張り出したヲタクも多いだろう。かくいう自分もその一人である。

…と、筆者は岩手在住なので、アナログ放送は終了しなかったのだが、
とりあえず録画だけはしてみた。

正午を境に画面の形が変わったりするのかと思ったが、
そういうこともなく、淡々と放送が続いた。

この日は「FNS27時間テレビ」など、キー局においては、
地デジ移行を期してカウントダウンなどを行う、浮き足だった放送が目立ったが、
岩手の場合はそんなお祭り騒ぎもなく、正午をまたいで再放送を行う局もあった。
歴史的瞬間はとりあえず、来年3月にお預けとなる。

なお、同様にBSアナログ放送もこの日の正午終了したのだが、
こちらも淡々としたもので、NHK衛星は、ゴルフ中継途中で、
バサッと画面が放送終了を告げる画面に切り替わった。

これと前後し、新聞報道は「地デジ難民」などといった文言を使い、
無情な放送行政を批判する文脈が目立った
(ほとんどの新聞社はテレビ局を傘下に持つため、その刃は多少、鈍かったが)。

都市部ではビル陰問題なども少なからずあったようだが、
実際、5年間もPRし続けて、まだ地デジ移行していなかったというのは、
テレビによほど無頓着な人か、あるいはテレビが嫌いだったりして、
意図的に地デジ対応を拒んだ人が多数を占めているものと思われる。

アメリカではデジタル化延期がされるなどして、
すんなり移行できなかったのだが、我が国においては、
(震災による3県延期さえなければ)デジタル放送への移行は、
比較的スムーズに行われたのではないだろうか。

放送に詳しいジャーナリストの中には、
ことさらに地デジ移行を批判する者もいたが、やや騒ぎすぎだと思う。

そもそも、デジタル放送移行は世界的趨勢であり、
電波の有効活用にも寄与することは誰の目にも明らかだ。

放送局が無批判に行政施策を受け入れて…などと批評されもしたが、
世界的な流れに日本だけが立ち後れることを、
放送局が是とすることは許されまい。

被災県にいる者として、その視点に立ち戻ると、
ほんとうに地デジ延期は必要だったのか、と改めて思う。

避難所や仮設住宅ではすでに地デジテレビが用意されているし、
なにもデジタルテレビだけが津波で流されたわけでもなく、
アナログテレビも同様に流されているはずなのだ。

共聴施設への被害もあったとは思うが、
基本的にこの延長は、(高いデジタルテレビを買わされる)
被災地感情への配慮が大きいと思われる。

デジタル放送においては、世界にも類を見ない、
「厳しすぎる著作権管理」という問題もある。
いわゆる「コピー10」とか「コピーワンス」だ。

「フリーオ」などの「便利な道具」は、テレビ局等の著作権者には都合が悪いのに、
法的に取り締まる明確な理由がないというから、いかに過剰規制かが分かる。

インターネットとテレビ放送の予想外の親和性のなさも、課題の1つだろう。

YOUTUBEなどの動画サイトにおいて、
テレビ局や権利者側が、動画サイトを細かく監視し、
著作権違反を理由に、アップロードされた動画削除をいちいち申請したり、
あるいは最初からアップロードできないような策を講じたりしているが、
これとて、いたちごっこは終わるまい。

そもそも放送局が、ネットでの動画配信を真剣に研究し、
課金モデルなどインフラを確立すればこんな問題はおこらなかったはずだ。
「トレソーラ」などの実験は、ムダだったのか?

コンピュータ、ネット回線の普及が、
テレビの世界を大きく変えることになりそうなのに、
ことこの方面においては、テレビ局側は保守的に過ぎる。

過剰な著作権主張、煩雑な肖像権処理で、
消費者の利益が棄損されるデジタル時代。
地デジも推進できたのであるから、次なる課題は自明であろう。

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