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名司会者逝く

「パネルクイズアタック25」の司会で知られた俳優、児玉清が亡くなった。77歳。
肝機能障害と伝えられていたが、実際は胃がんだったという。

「アタック25」は実に35年以上続く長寿番組。
もともとテレビ朝日系列に属していた毎日放送でクイズ番組の司会を務めており、
大阪のテレビ朝日系列局が毎日放送から朝日放送に変わるということで、
引き続き児玉を司会に迎え、作られた番組である。

朝日放送は、電光表示を活用した、
アメリカナイズされたクイズ番組を得意としており、
「アタック25」もその一つだった。

しかし2011年現在、あれだけ栄華を誇ったクイズ番組そのものが廃れており、
この番組だけが唯一残されたレギュラーとなっている。
それもひとえに、児玉の名司会あってのものだろう。

収録は、朝日放送のある大阪で行われる。
児玉は住まいのある東京から大阪に通い、収録をこなしていた。
スタジオでは出場者に「アメちゃん」を配り、
緊張をほぐしていたという。

一時児玉は「アタック25」などのテレビ司会に仕事を絞っており、
俳優業を休業していた時期もあった。

久々に芝居をしたのが、キムタクのドラマ「HERO」であった。
ブランクを心配し、オファーを渋っていた児玉の背中を押したのが、愛娘だった。
その娘も若くして胃がんで亡くなっている。

児玉といえば読書家としても有名で、英書も読みこなすほど。
NHKBS「週刊ブックレビュー」の司会も知られるところである。

その豊富な情報量は「アタック25」の司会でも生かされ、
誤答する出場者に「○○とお答えいただきたかった!」と
チクリとやるところを、たびたび見ることが出来た。

意外なところでは「切り絵」を趣味としており、
「アタック25」でCGの題材に使用されていたこともある。

多芸、多才、博覧強記…
しかしスノッブに見えないのは、その穏やかな風貌もさることながら、
恵まれた長身の体躯も影響していた。

そんな児玉も、若き日に黒澤明の映画に出演した際は、
何度も撮り直しを要求させられ俳優としてのプライドが傷つき、
「あいつを殴ってやる」と決意するに至ったこともあったという。

結局その暴挙を実現する日は来ず、
むしろ黒澤が自分の演技を褒めていたと伝え聞くに及び、
腰を抜かしてしまったというエピソードもある。
後年のスマートさからは想像もつかない、人間くささも持ち合わせていたのだ。

77歳。死ぬには早い、というわけでもない年齢であるが、
この年になるまで、現役で元気に、
テレビの司会を務めていたということには驚くべきだろう。

まちがいなく日本のテレビ史に名を残す存在であった。
ともかく、合掌。

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