クラウドに苦労人
ちょっと前から騒がれている「クラウド・コンピューティング」。
今まで自分で管理していたデータを、遠く離れたサーバに預けてしまおう、というもの。
ブロードバンド時代にふさわしいサービスといえる。
サーバを「雲の向こう」になぞらえ、「クラウド」と呼ぶ。
自分はデータを管理しなくてよく、自宅からも出先からでもアクセスできる。
持ち歩かなくても、ネット回線さえつながっていればよい。
データ管理だけでなくデータ処理もサーバにやらせてしまえば、
極端な話、パソコンもいらなくなる。
携帯電話とかiPadみたいな端末で十分、ということになる。
一時期流行った「シンクライアント」は、不便さもあって一時廃れてしまったが、
ここへ来て別な形で復活しつつあるわけだ。
しかし、貴重なデータをよそに預けるというのは「リスク」でもある。
Startforceという有名な「Webデスクトップ」を利用していた。
インターネットに繋がる環境があればよく、OSはすべてサーバ上で動き、
仮想的なデスクトップがブラウザ上で表示される、というものである。
Microsoft Officeも移植されていた。
昨年のある日。突然、ログインしても操作できず、
真っ白な画面の左上に米国の現在時刻と思われる「10:21」などの表示が出たまま
止まってしまう、という現象に見舞われた。
それ以降、何度ログインしてもこのままである。
サポートにメールすると、しばらくして「米国本社で原因を調査中」という
メールを日本語で送り返してきた。それから4ヶ月、再度の連絡もなく、
改めて照会のメールを出したが無視されたままである。
で、ことし4月1日をもってStartForceは日本での営業を終了した、という。
なんじゃそりゃ??
重要なデータを預けていたわけではないが、
他人様に見せたくないものもないわけではない
(別にイヤらしい写真とかではないが)。
実験用の無料コースを「使わせていただいていた」立場なので
「泣き寝入り」するしかないわけであるが、
これが「クラウドコンピューティング」の実態なのである。
人に預けていたデータが突然引き出せなくなる。
これが「銀行」と「現金」だとしたら大変なことなのだが。
人にデータを預けるというのは、こういうことなのである。
よくよく信用できる人間でも、お金は貸せないものでしょう?
顔も見たことない人なら、なおさら、というお話。
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