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老舗百貨店「中三」倒産

東日本大震災の余波倒産では大型の第一号、となるのか。

青森・弘前・盛岡の3市に店舗を持つ百貨店・「中三」が
30日に民事再生法を申請、事実上倒産した。負債は114億円。(朝日

引き金となったのは、震災後の14日に
盛岡店で起こしたガス爆発。

店員が1人死亡する事態となり、
その後営業ができなくなっていた。

青森・弘前両店も震災の影響を受け売り上げが落ちていた。
これで資金繰りに窮したと思われる。

「百貨店冬の時代」で、屋台骨はとうの昔に折れていたはず。
この地震が、細いながらも屹立していた大黒柱を
一瞬でなぎ倒した。

青森市内では、この中三と「カネ長武田」の2店の百貨店が共存している。
しかしカネ長武田は仙台の丸光などと合併、
「ビブレ」を経て現在は「さくら野青森店」となっている。

生き残りをかけて生まれた「さくら野」は一時東北各地に7店舗を数えたが、
岩手県北上市に新店を出した以外は閉店が続いている。

中三も多店舗志向の時期があり、
発祥の地である五所川原や、秋田にも店を持っていた(どちらもすでに閉店)。

盛岡店は、盛岡市の「肴町商店街」が誘致したもの。
もともと盛岡のデパート「川徳」が同地で営業していたが、
少し離れた菜園地区に巨大店舗を建設、移転してしまった。

核となる商業施設の移転に、
危機感を覚えた商店街が青森の中三に声をかけ、
川徳が入っていた建物を再利用する形(いわゆる「居抜き」)で開店。
同商店街と共存しながらこれまでやってきた。

数年前には再開発計画が持ち上がり、
住居付きの複合ビルに生まれ変わる予定もあった。

しかし環境は容赦なく変わっていった。
言わずもがなの郊外化で客足はどんどん奪われた。
昨年には、1階に入居していたマクドナルドが、
店舗網縮小計画の波にのまれ閉店。

ヤング層の取り込みもできず、
古式蒼然とした売り場を改革できぬまま
売り上げは落ちていく一方。
一時はイオンの資本も受け入れていたが、
近年関係を解消していた。

そんなさなかのガス爆発事故。
おそらく地震によって配管に異常をきたしたのではないかと想像されるが、
原因はまだわかっていない。
究明に時間がかかり、その間営業もできなかった
(それが資金繰りに影響を与えたようだが、
経営断念が震災前からの決定事項だった可能性もある)。

爆発でたわんだシャッターの痛々しさは、
さまざまなサイトで伝えられているところである。

肴町商店街の入り口にあって、
同商店街が自分で誘致し、シンボルとして、また稼ぎ頭として
活躍してきた中三だったが、
一度の地震で、青森の本店とともに、崩れ去っていった。

がんばって復興しようとしている岩手に、
暗い影を落とす一報が、北から届いてしまった。

幸い、スポンサー企業が再建に名乗りを上げているという。(時事
盛岡店はまずガス爆発の原因究明、
店舗の必要最低限の改装が求められる。

震災のさなか、楽な作業ではない。
しかも青森店、弘前店のことも考えねばならない。
半額までしか保護されない「友の会積み立て」も尾を引きそうで、
中三の再建への道は厳しい。

しかしいま、岩手県民は一体となって頑張ろうとしている。
顧客はきっと盛岡の中三のことも応援してくれるはずである。
その「流れ」が、肴町へも届けばなおのことよい。

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コメント

初めまして・・・中三の民事再生法がショックで誰かとお話がしたくて訪問しました。

<顧客はきっと盛岡の中三のことも応援してくれるはずである

Kデパートより、中三が好きでした!
けど、店が再開しても、友の会のお買物券が使えないって納得できないですthink

だいたいが中三で勧める友の会が別会社だって知らなかったし、詐欺にあった気分ですbearing

貯めたお金が半額になって、それでも応援しようって気になると思いますか?gawk

投稿: サンディ♪ | 2011.03.31 16:36

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