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キダ・タローのほんまにすべて

先日80歳を迎えた、キダ・タローの仕事を集めたCD3枚組の豪華なアルバム。

作曲家として、常に“光り輝く”存在であった関西の至宝・キダの業績を
すべて“包み隠さず”収録。余すところなく体験できる。
レコードではないので音“ズレ”なんか当然ない。
(私の文章ヘンですか?)

これまでもCDが1枚リリースされていたが、流通から日にちが経っており、
このアルバムは登場が待たれていたものといえる。

ブックレットはCM商品やテレビ番組に関する説明、
そしてキダのコメントも丁寧に掲載されていて、親切だ。

Disc.1はコマーシャルソング、
Disc.2は関西を中心としたテレビ番組のテーマ曲、
そしてDisc.3は歌謡曲を集めている。

まずは1枚ずつケースから“はがして”じっくり聞いていこう。

Disc.1はコマソン特集。関西方面の企業が多いが、全国区の企業もある。
日清食品は「出前一丁」「日清焼そば」などは今も使われている(はず)。

デュークエイセスやボニージャックスといった
メジャーグループを惜しげもなく起用。
「かに道楽」などはつとに有名である。

関西だけかと思いきや、
仙台の三原本店(藤崎デパート隣に現存)、
宝文堂書店(ジュンク堂等に敗れ、3年前に店舗閉鎖)、
弘進ゴム(現存)のコマソンも書いている。
TBC東北放送の企画でキダがオファーされたようである。

近年の作品も収められている。2010年にできたばかりの曲も。
高齢にもかかわらずタレントとしても多忙な現在も、
活動の手をゆるめていないのである。

「アサヒペン」はサウンドロゴのメロディが現在もCMで使われており、
キダの代表作のひとつだが、
マイナーコード(短調)で書かれていることに注目したい。
リズミカルに「かてーとりょーはアッサッヒッペン!」と歌うことで、
モダンなイメージが「アサヒペン」に加わったのだろう。

その企業にピッタリ“フィット”し、イメージが“ズレることがない”
メロディづくり…キダの技を実感する。

Disc.2はテレビミュージック特集。
こちらは関西のテレビ局・ラジオ局で使われたものが圧倒的に多く、
したがって近畿の人々には耳馴染みのある曲ばかりだろう。

昔は大阪発の番組がけっこう全国でも放送されていたので、
イナカモノでも分かる曲も数多い。

「ビッグバンド出身だからこの手の曲は楽しくて仕方ない」という
「プロポーズ大作戦」は別テイクも収められた。
(Youtubeで確認したところ、フィーリングカップルでの入場テーマとして使われたもの)

全国ネット番組だった「2時のワイドショー」はイントロだけでおもわずニヤッと笑ってしまう。
「2時の夢~♪」と陽気な曲の流れる中、
画面に表示される「姑をいびる鬼嫁!」のテロップに
血湧き肉躍ったあの頃よ…司会の奥田博之氏は元気だろうか?
なお末期はアレンジし直されているが、そちらは収められなかった。残念!

しかしキダに関してよく言われることだが、「フレーズ反復」が多く使われるほか、
曲調そのものも、よく似た曲が多い。
たとえば「花の新婚カンピューター作戦」は、「三枝の国盗りゲーム」とよく似ている。

「ダウンタウンのごっつええ感じ」で、桂三枝をモチーフにした「サニーさん」
というコントでは、タイトル曲が「カンピューター作戦」だったが、
おそらく「国盗りゲーム」の音源がなかったため代用したのではないだろうか?

「ラブアタック!」「夫婦でドンピシャ!」は、
ライバル(?)山下毅郎の作風を彷彿とさせる部分もあってニヤリとさせられるが、
前者はテンションの上げ方、後者はバンジョーなどの使い方が「キダ節」である。

Disc.3はキダ歌謡曲の世界。
キダの作った歌謡曲と言えば、なんといっても代表作「アホの坂田」だが、
作品をいろいろ聞いてみると、実際はほんわかと暖かいものが多い。

テレビテーマではにぎやかなディキシー調が多く、
「ビッグバンド出身」の顔を見せるが、
こと歌ものになると、叙情的になるのである。

あの立川談志をして「この曲を書くためにキダ・タローは生まれてきた」と
言わしめる「ふるさとのはなしをしよう」はその代表格だろう。

ただ、何かにつけて「極端」なのもナニワの世界。
キダも指摘するように、もず唱平の詞の世界観はすごい。

バーブ佐竹(「顔じゃないよ心だよ」でおなじみ)「虫けらの唄」なんか、
歌い出しが「死んだおやじは 極道モンで 逃げたお袋 酒浸かり…」。
やさぐれた世界そのものである。
そこを、キダの温かみのある曲がマイルドにしている。
これを曽根幸明に書かせたら大変なことになるだろう(笑)。

幻の大阪オリンピックのイメージソング「2008年大阪花音頭」などは、
河内音頭のかけ声がコーラスで入れられるなど、
凝った作りになっていたりするし、
実はキダ・タローの真骨頂はこの「歌謡曲」にこそあったのでは?と感じさせる。

これからも、大阪の街から“まばゆい光”のように、
“明るい”曲をどんどん生み出して、
ニッポンを“照らし”つづけていただきたい。

キダ・タローよ永遠に!!


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