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桜山神社周辺は飲み屋街がベストか

居酒屋紀行本やCS番組で知られる、デザイナーでエッセイストの太田和彦が、地元紙に寄稿していた。
太田の番組は、奇しくも、昨日紹介した「吉田類の酒場放浪記」の元ネタになったと言われている。

何についての寄稿かといえば、もちろん「盛岡桜山神社周辺の再開発問題」である。

引用しすぎると、また(株)岩手日報社に抗議を受けてしまうので、かいつまんで紹介するが、要するに「横丁は残せ」という意見だ。

「横丁をつぶして開発した街に、成功例はない」「キャバクラとかセクキャバみたいな店は一軒もない」「あれは観光資源であり、人工的な街とは一線を画する」「県庁と盛岡城跡を結ぶあの場所に、人を避けるような土塁を作るなんて無意味」…。

大阪の法善寺横丁を例に出すなど、「いろんな横丁を巡った私から言わせてもらえば」的な視点も垣間見える。

たしかに、日本全国の横丁を見てきた居酒屋評論家の意見としては拝聴すべきであろう。

ただそれは「街づくりのプロの知見」ではない。

同じ岩手日報の昨日の紙面には、日報本社の窓から撮影したと思われる、桜山神社周辺の全景の写真が掲載されていたが、色とりどりの低い屋根が居並ぶ姿はまさに「横丁」である。

この付近は改築できないそうで、多くは昔ながらの建物。どこかに火がついたら、いっぺんに燃え広がるのでは…そんな戦慄をおぼえさせる写真だった。

「じゃあ、火を出さなきゃいい」。それは難しいだろう。ここにあるのはほとんどが、いやでも火を使う店ばかりだ。そうでもなくても、日本の火事の原因のトップは不可抗力の「放火」である。

確かに、太田が言う「人工的な街」のつまらなさといったらない。「○○プロデューサー」とかいう怪しげなオッサンが裏から糸を引いているような感じが見え見えでは、酔うに酔えない。

ただ街というのはどうあっても人が作るものである。犬や猫が作るものでもなければ、雨や風が作るものでもない。

どこの街にも「作為」はある。それはいまの桜山も同じである。太田が好きであろう「昔ながらの居酒屋」とはほど遠い、チャラい店やこまっしゃくれた店も出てきている。

それに飲み屋街というのは、お日様が高い間はひっそりしてしまうもの。桜山が誇る「白龍」の行列は心強いが、本来はああいう風ににぎわう「商店街」がベストのはずである。大通りを例に出すまでもなく商店街が歓楽街化していく流れの時代だが、「県庁と神社をつなぐ」あの場所は、盛岡のど真ん中。昼に人がいないよりは、いたほうがいいはずだ。

だから、土塁を作るという意見に異を唱えるのはなんとなくわかる。城もないのに勘定所なんて作ってどうするの、と思うし、市側の構想する「土産売り場」なんてとても成功するとは思いがたい。

でも、個人的には、桜山の再開発は、もう少し冷静に見たいと思っている。

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