有識者グループが、「地デジ完全移行の延期」を呼びかけた。
(日刊スポーツ、時事通信)
来年7月に地デジ完全普及はとうてい間に合わず、
アナログ放送終了でテレビを見られなくなる世帯等が数百万に上り、
災害情報等を提供できなくなる、としている。
求める延期期間は2~3年とかなり長い。
有識者グループの筆頭は、元GALACの放送ジャーナリスト、坂本衛。
たまにWEBサイトをのぞくが、いかにも頭の固そうな人、という印象がある。
雑誌連載でいつも仏頂面で写真に収まっていたっけ。
まあそれはどうでもいいか。
で、この呼びかけに対しては、ウンウン頷く向きも多いかも知れないが、
個人的には「延期してはならない」と考えている。
無識者なりの反対意見を書いておく。
まず、この期に及んでの延期は、人々を悠長にさせるだけである。
期限を区切ったのだから、まずその範囲内で普及を頑張る(頑張らせる?)べきなのだ。
南関東ではまだ6割しか普及していない、
これをあと1年で100%にするのは無理、というが、
2年かけても3年かけても、そもそも100%が不可能なはずだ。
7月の時点で間に合わなくてもいい、と考えている家庭だってあるだろう。
携帯電話のワンセグもあるし。(映るのであれば、の話ではあるが)
坂本らが作成した提言の提要も読んだが、
ライフライン説についても疑問である。
仮に映らなくなったとしても、まだラジオがあるではないか。
そもそも電気が遮断されればテレビは何の用もなさないが、
携帯ラジオなら当座の情報享受はできる。
(いまの若者はラジオの操作方法を知らないというが…)
低所得層向けの激安簡易チューナーについても
「データ放送も双方向も出来ない」と指弾するが、
これらの主なターゲットは高齢者層と考えられ、
彼らがデータ放送や双方向通信を使いこなせるとは思えない。
そもそもデータ放送自体、遅くてとても使えたものじゃないし。
むしろ(価格に影響するのなら)不要な機能のはずだ。
いらない機能を省いた「らくらくホン」「簡単ケータイ」が
中高年に売れているのが好例だ。
受信できないからと、受信料を払わなくなる家庭が続出する、などと
NHKや民放の収入を心配してあげている節もあるが、
坂本らは主に「低所得層で普及していない」ことをあげつらっているわけで、
これらはNHKの受信料を半額しか払っていないか、
全額払っていない層が大半と思われる。
民放にしても、クライアントは低所得層で普及していないことを理由に
値下げなどするとは思えない。
それが原因でなくても、値下げや出稿の取り下げは始まっているはずである。
そちらのほうがむしろ民放にとっては脅威ではないか。
そもそも、上記の問題は2~3年ペンディングしたところで
解決する問題ではないと思う。
それなら地デジなんかやめたらどうだ、という話になるが
もうアナログ受信も省いたテレビも売られている現状では無理な話。
そして、「放送局」側に立った提言でもあることから坂本らは触れていないが、
もうテレビがなくてもインターネットがある、と
考えている人が多いことも、忘れてはならない。
テレビが解決すべきなのは「ネットとの共存」である。
NHKはすでに行っているが、諸外国のような「見逃し視聴サービス」、
あるいはもっと踏み込んだ(radikoのような)「サイマル放送」の開始を、
本格的に考えてほしい。アナかデジかで足踏みしている場合ではない。
時間は前後するが、原口総務大臣も「地デジ移行の延期はない」としている。(共同通信)
もう地デジ移行には5年以上かけているのだ。
今さら延期などしたら、反発の声が高まるのは当然のこと。
確かに岩手や沖縄のように、普及がだいぶ遅れている地域もあるけど、
アナログ放送は50年かけてサービスエリアを広げ続けたのであり、
過疎地や遠隔地では未だにアナログ放送だって受信できない地域もあるのだ。
先延ばししたらきりがない。
アクセルをゆるめてはいけない。
速度超過しているとも思えないし。