人間は脅かされたい
「たけしのみんなの家庭の医学」(ABC、テレビ朝日系)。今年に入って「本当は怖い家庭の医学」からリニューアルした。
再現ドラマを流し、「○○をしなかったから」「○○な生活だったから」、この人はこんな恐ろしい病気にかかってしまったのだ、という恐怖心を植え付けるような演出が、この番組のそれまでのウリだった。
リニューアル後はそういうVTRを控え、「○○をすれば健康になる」という方向に舵を切った。スタジオセットも白を基調としたカラフルなものとし、「前向きな番組」であることをアピールするようになった。
ところが、それで視聴率は下がってしまった。しかも「○○をすれば健康になる」、つまり「健康法」を番組の核にした結果、番組の内容が、まんま「発掘!あるある大事典」のようになってしまっていた(笑)。
そこでこの番組がとった方策は、ズバリ「先祖返り」。「○○をしないと病気になる」という演出を復活させ、再現ドラマも再び流れるようになった。
きょうのスペシャルでは、病気になる可能性のあるゲストを指名する「レッドゾーン」も復活。番組構成も、重篤な病気になった芸能人の生活を再現VTRで紹介しながら、病気の恐ろしさを伝える、という、まさに「本当は怖い」時代に戻ったような内容がメインとなった。
やっぱり人間は尻に火をつけてもらいたいのだろうか。能動的に幸福を求めるより、不幸でないことの証明をしてもらいたい、そのためなら脅かされてもいい、という本能があるということを、内容が迷走するこの番組は教えてくれるのだ。
しかし最も不幸なのは、リニューアルで切られてしまった「渡辺真理」だろうな。
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