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バラエティは萎縮するか、気概をみせるか

「めちゃイケ」がまた仕掛けた。

以前、BPOによる「バラエティ番組に対する意見書」が出され、フジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」はほぼ重点的な標的にされていた。

2月27日の「めちゃイケ」は、番組全体を通して、これに対する「回答」を、お笑いの形で返してみせた。

内容はNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」のパロディ。

「めちゃイケの流儀」と題し、番組作りに心血を注ぐ岡村隆史の奮闘・苦闘・苦悩を描く、という形になっているが、ガチンコでないことを番組中盤でバラすところがめちゃイケらしい。

熱湯風呂や生コン責め、六本木での公開監禁などを、スタッフ(世界のナベアツも「作家・渡辺鐘」として登場)の協力の元、岡村自らテストしてみせる。

岡村は、「これはヤバい」と尻込みをする?スタッフに「萎縮するな」とけしかける。

これは、BPO報告書にあった「バラエティが萎縮することを望まない」という言葉をネタにしたものである。

冒頭、岡村は「BPOの報告書を読んだ」「案外、いいことも書いてある」と、『萎縮してはいけない』というBPO報告書のエールに納得してみせている。しかし、完全には首を縦に振ってはいないのは、この番組を見れば明らかである。

ナレーターの木村匡也は、「プロフェッショナル」パロディということで、わざと重々しいトーンで話し続けたが、ラストで通常通りの口調に変え、こう言った。「全員に笑ってもらうのは不可能です」…。

開き直りだ、と言えばそれまでだが、正論と言えば正論でもある。

これをやれば、100人が100人とも笑う、なんてのは不可能だ。
首筋や脇の下をコチョコチョやれば、そりゃ誰でも笑うけれども、さすがに脳みそをくすぐることはできないだろう。

笑いなんてものは、誰かには面白くても、誰かには不快なのは当然のこと。

引用していいのであれば、立川談志の「落語は業の肯定だ」を引き合いに出したい。悪いことだから、おかしいのだ。素晴らしいことで笑ったら怒られるのだから、その逆だ。

BPOの意見書は、「視聴者の意見の分類」として5つを上げている。
「下ネタ」「イジメ・差別」「内輪受け」「見え見えの手法」「命の軽視」…。

この日のめちゃイケは、
・岡村が裸になって六本木に現れる
・ビニール袋の代わりにブランドバッグをかぶせられ顔を叩かれる
・PやADが頻繁に登場する
・ドキュメントを装ってみせる
・岡村自ら手を縛られて熱湯につかる
…と、「『視聴者』はこれを嫌っているのだ」とBPOが指摘した5つの事項に、真っ向から応えて見せている。

全員に笑ってもらおうとは、思っておりませんが、これが我々のつくる「お笑い」です…。

岡村をはじめとした出演者陣、そして100人に及ぶというスタッフの「気概」は、BPOや、眉をひそめる視聴者に、届いただろうか。

『お笑いで回答なんて、真摯じゃない』と、これまた怒られそうだけど、それも全部計算のうちだろう。これこそが壮大な「実験」なのである。

(追記)この回は、ネット上ではけっこう評判が悪かった。
あの「ヨイ★ナガメ」も、「(批評にド直球で返すのが)かっこ悪い」とバッサリ。
かと思えば、横澤彪御大も「鼻につく表現方法だった」と一刀両断であった。

岡村流の素直なメッセージは、若いお笑いファンにも、
ベテランテレビ制作者にも「イタい」と感じられたようである。

あの愚鈍さが、岡村らしくて、キレイに見えたんだけどなぁ…。

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