タモリ倶楽部「知られざる書体の世界 フォントにあった怖い話」
11/13深夜、テレビ朝日系で放送。
多くの地域では後日放送されるのでネタバレ注意。
「フォント」「書体」に焦点を当てた回。
普段、ほとんど注目されることのない世界だけに、
モノホンの書体デザイナーも注目。
ハウフルス社内からのお手軽収録。
進行役は松尾貴史。そのほか、パソコンに強そう、
ということで劇団ひとりと眞鍋かをりが登場。
松尾が「業界の代表的企業」と紹介して
登場したのは「イワタ」の水野技術部長。
シェア的には、代表的企業ではないが…^^;
ただ、歴史は確かにある企業である。
番組中も、普段は使わない、
「イワタ特太ゴシック体オールド」がテロップに使われていた。
まずはイワタとはあまり関係のない「公団ゴシック」の話。
高速道路や自動車専用道路で見かける例のアレ。
水野部長によると「鷹」などの込み入った文字は、
正確に書いてしまうと、高速度で走行する車内から読みづらくなり、
文字を読むことに気をとられて運転がおろそかになるので、
文字のだいたいを判読できる程度に略されているのだという。
※とはいえあまりにも時代にそぐわない不格好さから、
最近は「写研」の「ゴナ」に置き換えられつつある。
また一般道の青い標識に採用されているのは
同じく「写研」の「ナール」である。
続いては「幽霊文字」。
地名や珍しい姓を集める中で、
制作者や担当者の勘違い、ミスによって生まれてしまった
どこにも使われていない文字が、こともあろうに
標準規格である「JIS」に制定されてしまったもの。
その代表格である「妛」(通称やまいちおんな。
「」(あけび)に余計な棒が入ったもの)や
「彁」「暃」「挧」「閠」「蟐」を紹介。
いずれも、ありそうだがどこにも存在しない文字とされる。
あけびの話に関連し、博覧強記なタモリは
「山のアケビは何見て開く、下のマツタケ見て開く」とヒワイな歌を披露。
眞鍋はキリンを…まあ、よそうか。(低音で笑)
いよいよイワタ製品の紹介
(その前に何かを紹介したようだがカットされていた)。
一押しの「イワタUDゴシック」を、旧来のゴシック体と比較し、
その視認性の高さなどを実感してもらう。
野菜ジュースのパッケージなど、けっこう採用されているそうだ。
いやぁ、そうはいってもやっぱり「新ゴ」だろう、と思ったら、
手元にあった「VIERA」のリモコンに使われていた。イワタあなどれん。
そして「フォントの作り方」。
イワタの場合だとは思うが、
「東永国室道機識闘愛警鷹酬」の12文字に、
漢字のエレメントや構成のエッセンスが詰め込まれており、
フォント制作者はまずこの12文字から作り始めるのだそうだ。
そしてイワタのPRビデオ?「一文字に賭ける情熱」を少しだけ放映。
習字でもよく書かれる「永」の文字の制作作業シーンを流す。
タモリや松尾は内容そっちのけで「永六輔」のモノマネで盛り上がる。
水野氏によるとフォントのワンセット完成までに1.5~2万文字制作し、
2年から5年を費やすとのこと。
5年かけても売れなかった書体「弘道軒清朝体」が登場。
岩田母型製造所とイワタエンジニアリングの合併記念で制作されたものとのこと。
努力は認めるが、楷書代わりに使うには重々しく、確かに使いづらそう。
先に紹介したタイプラボ代表・佐藤氏は
「数年かけても売れない商品なんて、どこの業界にもあるもんだゾ」と一蹴している。
いくつもの険しい山を登ったからこそ言える言葉であろう。
フォントの原価の話題。最近は1文字1~2円にまで急落。
ダイナやアーフィックだともっと安いだろう。
「写植書体」時代と比べると劇的に安くなってしまったようである。
個性的フォントの紹介。
「やまびこ」「ヨーグルト」「ドンマイ」「新井篆書R」。
これらはイワタ製品ではなく、
新井篆書Rは『JTCウィン』でおなじみ「ニィス」、それ以外は「FONT1000」の製品。
空耳アワー。
安斎肇はてっきりデザイン事務所勤務経験から、
フォントのうんちくを語るかと思いきや、
本編が盛り上がったのかバッサリカット。
エンディング。
「有名人の作ったフォントってないですよね」、とひとり。
ウーン、「ノリール」なんて有名な写植書体があったんだけどね…。
(ただし本人が作ったわけではなく、参考にした程度らしい)
タモリは「俺も作ってみようかな」。
「グラサーン」とか「トモE」「トリッダイ」みたいな名前をつけて売り出せば、
好事家には売れそうな気がする。
ちなみに「写植」という言葉は放送中使われなかった。
「書体」と言わず「フォント」と英語で言うようになったし、
時代は流れているのですな…。
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コメント
ノリールじゃなくて、ルリールは話題に出なかったのかな…
投稿: | 2009.12.11 14:08