地平を駈ける獅子を見た ~松崎しげる名曲撰
きょう行われたドラフト会議で、西武ライオンズが
あの菊池雄星投手(花巻東)との交渉権を獲得した。(朝日)
本人も前向きなコメントをしており(読売)、
問題がなければこのまま西武ライオンズ入りすると思われる。
それを記念して?以前書きためておいたこの記事をアップし
菊池君の活躍を(ひねくれた形で)お祈りするものです。
***
西武ライオンズを巡る環境は激変しているが、
いまもこの曲は、西武ライオンズの球団歌として健在である。
この曲が西武デパートや西友でエンドレスで流れるのが
秋の風物詩、という方も多い。
まさに「埼玉ソウルメロディ」。
「愛のメモリー」と並ぶ、松崎しげるの代表曲と言われたりもするが、
常日頃「愛」を歌うことが多いマツにあって、
「白球を追いかける戦士たち」を歌っているこの曲は、異色ともいえる。
作詞は阿久悠、作曲は小林亜星、編曲は高田弘。豪華な布陣である。
すでに故人となった阿久の歌詞はケレン味がある。
なんたってタイトルからして「地平を駈ける獅子を見た」だもの。
そして決め手のフレーズが「ミラクル元年」。
昭和が終わることを誰も予期していなかった時代に、
「元年」を歌詞に据えた阿久悠の発想の凄さ。
さらに、なんといっても小林亜星のキャッチーなメロディ作り。
「奇跡を呼んで~」の「♪で~」が白眉。
西城ヒデキを投げ飛ばす寺内貫太郎のように、
聴衆の期待する予定調和を豪快に床にたたきつける亜星の技が炸裂する。
「ライオーンズ、ウォウウォウウォウラーイオンズ」の繰り返し、
最後に「ラーイオーーーーンズ」の雄叫び。
伸びやかにも程がある、松崎しげるの魅力を生かし切った曲を編んだ
阿久・小林の「北の宿から」コンビに負けじと、
匠・高田弘は女声コーラスを効果的に使い、
ダイナミックなアレンジを仕上げている。
この曲一発で、明太子風味の球団は一気に十万石饅頭風味に変わり、
そして清原の「だんじりエキス」がこの曲に深みを持たせた。
堤義明の計算深さなどはみじんも感じさせない。
空青く、風白く、地は緑。
そんな片田舎を疾走する黄色い電車とともに、しげるの歌声が響き渡り、
埼玉に西武ライオンズあり、を印象づけた。
灼熱の太陽がしげるの肌を茶色く焦がす中でも、
埼玉には爽やかな風が吹き抜けていく。
巨人がなんぼのもんじゃい、阪神なんか田舎じゃボケーィ。
埼玉こそが日本の理想郷さ、としげるは熱く暑く歌い続け、
そして西武ライオンズは日本一を勝ち取るのだ。
***
菊池雄星投手が新天地・埼玉で活躍されんことを。
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