艶っぽすぎる増位山
お相撲さんの歌謡番組って今もあるんですかね?
力士が歌が上手い、というのは定説であるが、
ナンバーワン格といえば「増位山太志郎」(現・三保ヶ関親方)であろう。
(「増井山」「大志郎」と間違いやすいので注意。なお大志郎は太志郎の父のこと)
なにしろ現役時代にレコードが売れすぎて、
その後お相撲さんの副業禁止令が出てしまったくらいである。
その歌声は「艶っぽい」。関根勤をして「小スケベ声」と言わしめる程である。
精緻に効かせたコブシと、絶妙に裏返る声。
増位山自体、端正な顔でそこそこに強く、
そして「力士が歌う夜の女」というギャップの妙。
売れる条件はそろいすぎている。
増位山のヒットソングはある程度パターン化されていて、
・夜の女が題材
・4番まである
・札幌(すすきの)、東京、大阪、博多の順に歌う
といった感じ。一部でもあてはまるのが
「そんな女のひとりごと」「そんなナイト・パブ」
「そんな夕子にほれました」「お店ばなし」
「夜の恋の物語(長沢薫とデュエット)」。
『そんな』で始まる曲名も多いが狙いだろうか。
「お店ばなし」なんてタイトルからしてうるさくていい。
4番まであるのは土俵のやぐらを意識しているのか(それはないか)。
「そんな夕子にほれました」は、海老名家総裁であり
お騒がせ女王・泰葉の母、海老名香葉子が作詞してヒットした。
夜の女の生活感と哀しみをのぞき見る男のほのかな恋心に、
増位山の艶っぽい声がはまりすぎている佳曲である。
一昨年にはあの内舘牧子作詞で曲をリリースしているのだが、
今も続く角界の騒動がその頃始まっており、
「伝説の美声力士、華麗なる復活」を遂げるはずが、
残念ながら土をつけた格好になっている。
とまれ、「歴史上もっとも歌が上手くてヒットも出した力士」は増位山なのは確か。
三保ヶ関親方にはまた一曲歌ってもらって、
イメージ悪化にあえぐ相撲界を救ってほしい。
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