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最後の「サウンド・オブ・ミュージック」

「盛岡ピカデリー」閉館記念上映「サウンド・オブ・ミュージック」を鑑賞。
閉館記念での演目である。
ほんとうの閉館日は明日、1月31日だが、
都合もあってきょう、見に行くことに。

ピカデリーはたぶん初めて入る。
階段を下りると、古ぼけた印象のロビー。
南部興行社長自ら、入場客に「いらっしゃいませ」と声をかけていた。

入場料は感謝価格で500円。
もぎりのお姉さんから半券とティッシュをもらう。
「ルミエール」「ピカデリー」「名劇」の共通割引券がついているティッシュ3つ。
2月以降は「ルミエール」でしか使えないことになる。
(なお裏面には「秋田ルミエール」の割引券も)

時代めいたロビーやトイレとは対照的に、
ホールの中はそれほど老朽化を感じない。
椅子も座り心地がよいソファである。

上映前に、社長がスクリーン前で挨拶。

・自分は2代目で、先代は東京の「とどろき映画社」で映画雑誌編集にも携わっていた。
・(30名ほどの客入りを見て)毎日このくらいの来場者がいれば
 運営は続けられるんだけど。(会場内笑い)
・同じく経営する「盛岡友愛病院」では、入院患者に「寅さん」を見せている。
・ピカデリーと名劇1・2を明日で閉館し、
 「ルミエール」のビルを自社ビルにして、
 秋田のシネコンとともに、映画館の運営を続ける。
・きのうは、80過ぎのお年寄りに握手を求められ、
 「この映画館で出会って結婚した」と声をかけられた。
 まさに映画館経営の冥利に尽きる思いだ。
・明日が営業最終日。ひっそりと閉めたかったのだが、
 マスコミが多数つめかけると言うことでそうもいかなくなってしまった。

一番考えさせられたのは、シネコン(シネマコンプレックス)の影響を語ったところ。
盛岡でシネコンといえば近所にできた盛岡フォーラムだが、
フォーラムに勝った負けた、の単純な話ではなかったようだ。

社長によると、日本の映画館はすでに8割がシネコンになっており、
配給元が作品の提供先として、シネコンを優先しているんだそうだ。
ピカデリーのような、旧来の映画館は条件上不利となったようだ。

最後の最新作品は「映画版特命係長只野仁」。

そして閉館記念作品として「男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎」(盛岡でのロケあり)
「サウンド・オブ・ミュージック」が上映されている。

社長の挨拶の後、(当然ながら)告知フィルムやCMも何もなく、
本編のフィルムが上映開始。
冒頭「制作から年数が経過しており、映像や音に乱れがあります」と断り書きが。
(日本語訳は戸田奈津子。画像の乱れより、
字幕に誤字が多い(「ごきんげんよう」とか)のが少し気になった)

映画は素晴らしかった。

オーストリアの美しい風景と、子供達の歌声。
父親と、家庭教師である修道女(ジュリー・アンドリュース)のロマンス。
平和が訪れたかに見えた一家はやがて、ドイツナチスに翻弄されていく。
ラストはやや消化不良も感じたが、あれがベストの解かもな、
などと考えながら、社長に見送られ映画館を後にした。

そうそう、「FIN」の表示が出たとたん、拍手が鳴ったことも書いておかねば。
まあ、誰かはやるかな、とは思っていたけど、
「よき時代」にタイムスリップした気持ちになった。

明日の閉館日ではなく、今日行ってよかった。
マスコミによって演出されたセンチメンタリズムの中で
映画を見るのもそれはそれでよかったかもしれないが。

エアコン?の雑音とかも最初は気になるが、
ロマンスシーンで退屈になった子供が床に寝そべっていても
(今日のことである!)気にならなくなるものだ。
そうやってみんな映画にかぶりついていた時代もあったのだ。

しかし、シネコンのような豪華設備を体験してしまうと、
やっぱり映画館に求めるものは多くなってしまう。
それで旧来の「まちの映画館」が淘汰されていったのだろう。

そして自分のような「映画を見ない人」の増加。
きょうも「閉館」だから行ったのである。
500円で見せてもらったが、たぶん入場料が1000円でも行ったと思う。
(でも1800円では行かないんだな、これが)

「毎日お客さんがこのくらい入ってくれれば続けられるんですけどね」。
冗談めかして言った、社長の言葉が胸に刺さる。

(追記)紹介していただいた。(趣味の吹き溜り
「葬式厨」って言葉ははじめて聞いたが、
俺、バリバリの葬式厨ッス(苦笑)

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