そこは「王国」だった
午後、時間が空いたので、まだ入ったことがなかった、
岩手競馬の場外馬券売り場「UMACCO」を見物することに。
盛岡市大通のビルの2階、映画館跡地に売り場はある。
階段を上る、55歳前後の夫婦のうしろをついていく。
扉の前には、同年代のオヤジ3名ほどが床にあぐらをかいている。
予感は的中。
扉の中に入ると、そこは「おやじの王国」であった。
そろいもそろって赤茶けた肌の初老男性が、
40㎡ほどの、それほど広くない空間にたまって、
天井のすぐ下に数台並ぶテレビ受像器をながめていた。
テレビには細かく表示される数字(オッズなど)と、
数十キロ離れた奥州市水沢競馬場の中継映像が映し出されている。
よくよくみると、毛先を遊ばせた20代のサラリーマンらしき男も馬券を買っていたが、
やはり客の中心は「親父」である。
「お父さん」「おじさん」でもなく、ましてや「紳士」でもない。
少し言葉を交わしただけで口臭がただよってきそうな、
典型的な「オヤジ」だ。
UMACCOは、そんな男達がたむろする、ナイスな「社交場」であった。
残念ながら、客が戦後の闇市のごとく「ひしめき合う」ほどではなかったが、
100人弱くらいは客がおり、
この場所にいると「サブプライムローン問題に端を発する
リーマンブラザーズ経営破綻と、それに伴うニューヨーク金融市場の大暴落、
そして世界経済の混乱」なんていう言葉はどこ吹く風。
熱気ムンムン、オヤジ臭ムンムンムラムラである。
競馬という産業も、まだ捨てたものではないな、と思う一方、
これじゃ、若い客はつかないかもな…とも思ってしまった。
片隅に貼ってあるポスターには、東幹久のさわやかすぎる笑顔。
岩手競馬は、どこへ行く。
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