噺家の手ぬぐい
噺家がことあるごとに配る「手ぬぐい」を集めた本。
春風亭一門の落語家、五明樓玉の輔が著者である。
「笑点Jr.」では「下ネタおじさん」のイメージが強い玉の輔だが
この本では一転、「手ぬぐい研究家」に変身。
とはいえ、解説部分にはジョークも交え、読みやすい本に仕上がっている。
収録されている手ぬぐいは300本。
残念ながら「落語協会」所属の芸人のみ(芸協や上方は未収録)となっているが
先代の小さんや先代の正蔵(彦六の正蔵)といった昭和の名人や、
奇術師、漫才師(昭和のいるこいる、ロケット団など)の手ぬぐいも収録されていて興味深い。
凝ったデザインのものもあれば、シンプルなものもある。
折りたたんで2つのデザインを楽しめるものや、
近年はローマ字やイラストのみの手ぬぐいなどもある
(玉の輔の手ぬぐいの一つがそんな感じ)。
落語家・芸人の数だけ手ぬぐいがあり、頻繁に作り替える落語家もいるので、
バラエティは実に豊か。
また、落語での手ぬぐい使用例の写真図解(笑)や、手ぬぐい製造現場紹介、
小沢昭一らへのインタビューなど企画コーナーもふんだんに織り込まれている。
先述通り300パターンも載っているので、
最初は「いいデザインだな~」「これはおしゃれだな~」などと感心できるが、
正直言ってまともに読んでいくとすぐ飽きてくるので
(そりゃただの手ぬぐいだし、デザインも出てくるパターンが尽きてくる)、
小分けに読んでいくのがベター。
上梓は平成19年。玉の輔の師、春風亭小朝へのインタビューを読むと
「あの女房、この頃にはもう考えてたんだろうなぁ」などと考えさせられる。
当の玉の輔もバツイチだし、何かを暗示しているかのようだ。
| 固定リンク
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- ハンサム紳士は嘘つき紳士?(2016.03.18)
- 帝国、終わりの始まり(2016.01.19)
- 幻のブログ(2016.01.11)
- 由紀さおり Complete Single Box(2015.12.13)
- 大吉駅長を見に行く(2013.11.03)
「趣味」カテゴリの記事
- 自家用車のスピーカー交換(2012.12.23)
- 恥ずかしい趣味(2011.03.06)
- テレビと芝居の手書き文字(2010.12.17)
- 夏の落語会~残暑お笑い申し上げます(2010.08.29)
- 画面に振り回される(2010.06.08)
「住まい・インテリア」カテゴリの記事
- ロボット掃除機のある暮らし(2015.11.07)
- エコロミーIII(2014.11.30)
- 安物ジーンズのニオイは取れるか?(2014.06.08)
- 噺家の手ぬぐい(2008.10.19)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 田園寄席(2012.02.18)
- 立川談志の正体~愛憎相克的落語家師弟論~(2012.02.05)
- 落語は都会のもの(2012.01.20)
- キャンパス寄席に落語は要るのか(2011.09.27)
- キウイ・立川・スーパースター(2011.04.24)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント