おいしいコーヒーの真実
盛岡市のアイーナで開催された「おいしいコーヒーの真実」上映会に行ってきた。
主催は岩手県国際交流協会、JICA東北支部。
「国際協力連続セミナー」というイベントの一環で、
映画の上映と講演がセットになっていて、無料であった。
普通のホールでの上映だったので、前に座った男の座高の高さを恨むよりなかったが、
無料なので我慢、我慢。
映画の中身。
コーヒー価格はニューヨークの先物取引市場で左右される。
ブラジルコーヒーの生産状況が指標となっており、
直接関係ないエチオピアのコーヒー豆も
NY市場の影響を受けてしまうのが現状だという。
そんな世界のコーヒー豆市場を動かしているのは主に4社。
クラフト、P&G、ネスレ、サラ・リー。
そして販売店代表として挙げられるのが、かのスターバックス。
過大な付加価値をつけて売るのが彼らである。
(以上5社は取材協力に応じなかったことが映画の最後に明かされる)
エチオピア本国で生産されるコーヒーはとんでもなく安く、
農家たちに利益はほとんど入ってこない。
貧しい農家はコーヒー栽培をあきらめ、麻薬栽培に手を出す。
コーヒー豆は30年前の水準まで価格が落ちており、
有数のコーヒー産地であったシダモ地方でも飢餓が発生。
ほかの子より少し健康だから、という理由で施設を追い出される子とその母。
そんなエチオピアの貧しい様子や、
施設建設のための資金集めと、
(NY市場を介しない)トレーディングに奮闘する農協の代表者の映像が続く。
そこに混じって登場するのが、農家の苦悩など知ることもない、
コーヒー消費大国のアメリカやイタリアの人々。
特に、競技大会で自信たっぷりに振る舞うカナダ人バリスタの様子は滑稽ですらある。
後半は、先進国の論理だけで進行されるWTO会議が映し出される。
自分たちに有利な、競争論理の導入を声高に叫ぶ、富める先進国の代表。
それに対し、アフリカなどの後進国はろくな発言権も与えられない。
会議後、大勢のプレスを前に「平等な競争を妨害するふてえ奴らだ」と
アメリカ代表らはアフリカ代表を非難してみせた。
こうして、アフリカの農業はアメリカの論理に敗北する。
援助という名の大金を注がれている先進国の農業には勝てない…
エチオピアの人々はぼやく。
そんなエチオピアに人道支援として送られるのは、
「USA WHEAT」と書かれた麻袋に詰まった小麦である。
なんとも皮肉な映像で、映画は締めくくられる。
非常に示唆深い映画を見た後は、
映画の字幕を監修した大学の先生による講演。
「コカコーラが売っていた『キリマンジャロ』名の缶コーヒーに使われていた豆は、
実際にはキリマンジャロ地方産ではなかった」、
「エチオピアで生産されたコーヒーが、日本で一杯のコーヒーとして供されるまで
価格は200倍にはねあがる」などの興味深い話題が話された。
…が、
もともとおしゃべりも達者でなさそうな講師が、
「本来1時間でやるべき講演を30分に短縮」させられ、
腕時計を見ながらあたふた話すから余計にわかりにくく、
そのくせ質疑応答時間はたっぷり取られ、
結局、終了時刻は8時半の予定を大幅に過ぎ、9時前となった。
おまけに講師が(時間がない中でも)もっとも力を入れて話していた
「フェアトレードコーヒー」のパンフが、
一部の人には配布されていなかったようで、自分のところにもそのパンフがなかった。
終了後に、ほかのテーブルの上に余っていたパンフを持ってきたが。
運営側の不手際が印象に強く残ってしまったが、
普段おいしく飲んでいるコーヒーが、
実はその裏に「不公平な真実」が潜んでいた、というのを
知ることができたのは大きな収穫であった。
みなさんもフェアトレードコーヒーを一度買ってください、と宣伝しておこう。
講師は「キョーワズコーヒー」という会社と知り合いだそうだ。
※ちなみにスタバのフェアトレードコーヒーは『大企業のポーズ』でしかないらしい。
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コメント
34~5年前になるか盛岡大通りに茶居伽という喫茶店があったのを覚えている。チョビ髭に黒縁メガネで小柄なマスターの淹れるコーヒーは美味かった。あの頃のコーヒーには夢があったが今は夢も食い潰されていく。悲しい事だ…
投稿: Y | 2008.10.05 05:33