産経テレニュースFNNのテーマ
この春も変化なかった、日曜朝・昼の
「産経テレニュースFNN」(フジテレビ)のタイトル音楽。
もう長いこと同じタイトルテーマが使われている。
調べてみると、この曲が「制定」されたのは1984年。
夕方のニュース「FNNニュースレポート6:00」のキャスターに
故・逸見政孝アナが起用されたと同時に
タイトルCGとテーマ曲が一新されたのだが、その曲が、
このストリングス風の小刻みな音で始まるおなじみの曲である。
なおこのとき「6:00」のタイトルCGも改められたのだが、
これを元にした「FNNニュース」(夜8時55分)のタイトルCG
(「提供はワリコーの新日本証券です」でおなじみ)は
「FNNレインボー発」に改題する90年代終わり頃まで使われ続けた。
で、「FNNレインボー発」が登場したと同時に
お役御免になったと思いきや、しぶとく日曜日の朝・昼のニュースは
タイトルが「産経テレニュースFNN」のままとなり、
音楽も変えられることはなかった。そして今に至る。
実に24年間も使用されているこの息の長い曲を作曲したのは
ドリフ番組の音楽などで知られる「たかしまあきひこ(高島明彦)」である。
「オーケストラがやってきた」「大きいことはいいことだ」でおなじみ山本直純の弟子。
直純先生が「8時だヨ!全員集合」の音楽担当だった縁でドリフターズと接点が出来、
以後ドリフの番組にたかしまあきひこの音楽は欠かせないものとなった。
「8時だヨ」での、セットを変える際に流れる不協和音の「盆回り」や、
「ヒゲダンス」でおなじみ「ヒゲのテーマ」も彼の手によるもの。
映画では松田優作「野獣死すべし」の劇伴を手がけたこともあるが
基本的にはテレビ、特にバラエティや報道番組のテーマ曲を多く作り出している。
流れるようなストリングスを多用し、明るく伸びやかな曲調が特徴の作曲家である。
「産経テレニュースFNN」の重厚なメロディは彼の作風からすると意外な感じがあり、
一時この曲は別人が作曲した説もあった。
しかしたかしま自身のHPに掲載された作品リストには
1984年4月のところに「FNNニュース」と書かれており、彼の作品であることが分かる。
(ここにも「日曜の昼間流れています」、とある。朝も使われてるけどね^^;)
この頃は、各局ニュース番組のテーマ曲は全番組で統一するのが主流だったので、
この曲も「ニュースレポート6:00」以外でも使用された。
朝のニュース、昼のニュース、夜のニュース…。
それぞれ番組改題などで別の音楽を採用するようになっていくのだが、
「産経テレニュースFNN」だけは今も生き残っているのだ。
なおこのほかにも、80~90年代のフジの報道番組は、
ほとんどたかしまの作ったテーマ曲で始まっていたようである。
有名なのが、「FNNニュースレポート6:00」がリニューアルした番組、
「FNNスーパータイム」。これも、アレンジを変えながら長く使用された。
ここ数年、たかしまはイベント音楽やマンドリンアンサンブルのアレンジなど
テレビから離れた仕事が多かったようだが、
数年前にフジテレビの「ニュースJAPAN」で
滝川クリステルがキャスターに就任した際改められたテーマ曲を作曲している。
こちらも長年使われていていまも現役であるが、
ややアメリカのテレビニュースをイメージした曲調ながら、
ストリングスが健在なあたり、「たかしま節」を感じさせる曲となっている。
(本人のHPの作品リストには掲載されていない。なぜ?)
それでも最強なのはやはり「産経テレニュースFNN」のテーマだろう。
一つの曲が報道番組で20年以上も使われることはおそらく今後もあるまい。
長く愛されるものを作る作り手というのは素晴らしいものだ。
…でも、テーマ曲を変えるチャンスはいくらでもあったんじゃないかな?(^^;
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