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祭りに踊らされたのは…

奥州市の地域紙「胆江日日新聞」が「蘇民祭騒動」をクールに総括している
要するに「暴れたのは裸の男ではなく東京のメディアだった」と。

ナントカヒルズやらホニャサイトとかなんちゃらサカスとかお台場とか(笑)
カネの匂いのする街・東京から、貧しい東北の片田舎まで、
時代倒錯的な裸祭りを嗤いにやってきた中央マスコミが、
伝統の蘇民祭を変に熱くしてくれたようである。

祭りのハイライトとなる、「親方」が蘇民袋を裂くシーンは、
そんなマスコミがもっとも燃えたはず。

親方が「生まれたままの姿」になって蘇民袋を破りに突入した瞬間、
うまくいけばわいせつ物陳列罪でタイーホだなウヒヒ、
と下品な在京メディアもそろばんをはじいたはずだが、
運営側もそこはちゃんと考えていて、
テレビ局が焚くライトを消させることで解決を図った。

しかしルールを守らぬことには一日の長がある取材陣はなかなか消さない。
男達も「はやぐ消せ!」と怒声を浴びせる
(残念ながらこのシーンも「何必死になってんだよ(笑)」的に
東京のテレビ局が興味本位で取り上げていたが)。

暗視カメラまで使った報道もあったといい(調べたところテレビ朝日)、
そんなに必死になってオッサンのチンコを映してどうすんの、
と思うが、今回の騒動を象徴する出来事であろう。

幸い、マスコミの思惑通りに逮捕される者はいなかった。

ポスターの件で「主役」に躍り出た胸毛男こと佐藤氏は、
いつも通りお精進(動物性食品を数週断つ)をして祭りに備える、と語っていたが
結局「俺がマスコミに追われると、ほかの参加者に迷惑がかかるから」と
裸にならず、「世話人」、つまりスタッフ役に回った。
来年以降も世話人に徹し、争奪戦へは参加しないことを表明。
1年後のことまで考えての発言だろう。

期待された逮捕者は出ず、「主役」の不出馬で興ざめしたのか、
『蘇民祭は物好きばかりのつまんねー祭りでした、チャンチャン』といった感じで
さらっと流され、テレビの画面から早々に消えた。
あとはいつものように、東国原さんや橋下さんの出番である。

東京のメディアは常におもちゃを探している。

「興味本位」が売りの「サンデージャポン」とか
「報道番組でござい」という顔をした娯楽番組「スーパーニュース」「リアルタイム」とか。
スポーツ新聞や週刊誌もそうだ。

それが、祭りのポスターを「猥褻だ」と断じたJR東日本の対応をきっかけに
「これは面白い!」とメディアスクラムが始まった。
地元警察も「場合によっては参加者を逮捕する」と表明、
警察も騒動に「参入」することとなり、
マスコミの盛り上がりに花を添える結果となった。

今回、JRが引き起こした騒動。「釣り」かと思ったが
残念ながら「釣られた」のは興味本位の在京メディアだけで、
観客はそれほど増えなかったという。
そりゃそうだ、クソ寒い中を夜通し朝まで続けるなんて、
参加するより見続けるほうがつらい。
(それでも観光の種にしようとしたこともまた、騒動のきっかけであるが)

この蘇民祭、無病息災や五穀豊穣を願う、
伝統と格式に彩られた大変崇高な祭りである。

それを面白がろうとした興味本位のマスコミと、
踊らされた視聴者なり読者なり、皆愚か者である。俺もだけど。

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