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3代目・和の鉄人

「料理の鉄人」の3代目・和の鉄人であった森本正治の店が六本木にあるという。
WEBサイトを見てみる。サルヴァトーレ・クオモらと作ったお店とのこと。

森本鉄人は、それまでの道場や中村とは一線を画した鉄人であった。
そもそも渡米しアメリカで成功した「逆輸入鉄人」であり、
またがっしりした体つきと、「実話時代」的風貌が視聴者を圧倒した。

ドスのきいたキャラクターを存分に生かした「演出」がなされ、
ある種「嫌われ鉄人」のような位置を占めていたように思うが、
実際は真摯な料理人であることが画面からも伝わってきて、
好意を持って番組を見ていた。

WEBサイトのインタビューを読んでいても、
共感させられるところは多い。

「レストランビジネスで料理が占める割合は30%、
残りはサービスを含めたアトモスフィア(雰囲気)」。
サービスが悪い、居心地の悪い店は
いくら味がよくてもダメ。まったくそのとおりだ。

「味」を重視するあまり、接客はおろか、
めちゃくちゃなスタイルの店もあるが
(たとえば「味集中システム」とか)
味覚さえ満たせばいいんだ、というのは店の奢り。
心も満足させてこその料理屋だろう。
そこを森本はわきまえていると思う。

「私は寿司職人だが、提供法を変えておいしくなるのなら
自由に挑戦する」。たとえば刺身がダメな外国人客には
カルパッチョ風にアレンジしてサーブすれば、もしかしたら
刺身も食べられるようになるかもしれない、と。
俺の刺身が食えないならこなくていい、と門扉を閉ざすのでなく、
逆にお勝手への通路を教えてあげるのだ。

俺のラーメンが食えねぇなら出てけ!的なスタイルで
カリスマ的人気を誇るラーメン屋がどこかにいたが、
それは尊大でしかなく、客を料理から遠ざけるだけ。

むろん料理人としての矜持、プライドも必要とは思うが、
「俺の寿司」「俺の料理」という過剰な思い上がりよりも
まずはお客を迎えよう、という姿勢が大事だ、ということだろう。

世界の、とくにやかましいアメリカのセレブリティを相手にしてきた
料理人ならではの視点であるように一見思われるが、
その背景には、日本人らしい「思慮深さ」がある。

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