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幸見の夕刊テレビ(4)

前回のつづき

1年半の間、テレビ岩手とIBCは激しく火花を散らしたが、
結局IBCはこの時間帯から降りることを選択した。
事情はあずかり知らないが、視聴率が芳しくない、
スポンサーがつかない、といった状態にあったことは想像に難くない。

98年9月、「幸見の夕刊テレビ」は1年半の歴史に幕を下ろした。
「5きげんテレビ」に、IBCは負けたのである。

最終回は湿っぽい雰囲気もなく、
出演者陣はさばさばした表情をしていたように記憶する。

番組をリニューアルするとか、
冷却期間をおいて再チャレンジという手もあったが、
老舗・IBCが受けた傷はあまりに大きかったようで、
以後9年間、この時間帯は「時代劇アワー」のままだ
(一時「イブニング・ファイブ」をネット受けした時期はあったが、
「スーパーJチャンネル」との食い合いを懸念したか、半年でやめている)。
固定スポンサーがいるところを見ると、そこそこ定着していることが伺える。

個人的には、つねにチャンピオンの戦い方だった「5きげんテレビ」よりも、
チャレンジャーであり続けた「夕刊テレビ」に好感を抱いていて、
よくチャンネルを合わせてもいた(この文章で「5きげん」の内容があまり詳しくないのはそのため)が、
ふつうの県民はそんなマニアックな視点などない。
「ビバさかなっちょ」のほうが面白いに決まっている。

菊池幸見はラジオの世界に舞い戻り、「おじさん白書」でエースの座に返り咲く。
現在は長尺の帯番組「朝からRADIO」で大活躍している。
また、ユニークな任侠小説「泳げ、唐獅子牡丹」を著し注目され、
得意分野である方言詩のCDも反響を呼んでいる。

いっぽうの戸田信子は「夕刊テレビ」終了後もIBCアナウンサーとして在籍したが、
「おばんDEナイト」を担当したあと再度退社。いまはどこへいるのやら…。

跡形もなく消え去った「夕刊テレビ」だが、
強いて言えば、「じゃじゃじゃTV」に残る田舎臭さが
「夕刊テレビ」の残り香のような気もするが、
それは志家町に漂う、いわば「牛舎の香り」なのかもしれない。

最近のIBCを見ると、電通とネットラジオ配信ツールを開発したり、
本業では奥村アナや浅見アナのような若いアナを重用するなど
「誇り高き牛舎」から生まれ変わろうとしている様子も見て取れるが、
10年前にもう一皮むけていれば、もしかしたら「夕刊テレビ」が生き残っていたのかも…。
(終)

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