テレビからも消える「写植」
TBSが生番組に使用するテロップ(字幕)の書体(フォント)が徐々に変更されている。
これまで使用されてきた、写植メーカー「写研」の書体から、
フォントワークス社のフォントなどに置き換わっているのだ。
TBSのテロップといえば「ナール」(丸ゴシック)や「ゴナ」(ゴシック)がおなじみであったが
それらの代わりに「スーラ」「ニューロダン」「新ゴ」などが、
「NEWS23」「アッコにおまかせ!」などで使われている。
「サンデージャポン」など一部写植テロップが残っている番組もあるが、時間の問題と見られる。
どうもテロップを表示する機器自体を入れ替えているようだ。
これまでのテロップはハイビジョン対応でなく、
解像度が低いためにぼやけたような表示になっていた。
当然、新しいテロップはくっきりと鮮明な表示ができる。
新しい機械では、写植の書体(写植ではフォントとは言わない)は使えない。
なにしろ「写真植字」というくらいだから、パソコンに対応していないのだ(*)。
90年代までは普通に世間に出回っていた「写研」の書体であるが、
パソコン(DTP)分野に積極的に参入した「モリサワ」にシェアを逆転された。
写研はホームページすら未だに持っておらず、
「コンピュータ嫌い」の体質。利用料金も高額であり、
DTP全盛の現在では好かれる理由がない。
フォントワークスやダイナコムウェアなどフォント専業の企業も登場し、力を蓄えている。
モトヤや大日本スクリーン製造など、大手印刷機器メーカーもフォント販売に参入するなか、
写真植字にこだわりつづける写研は表舞台から姿を消しつつある。
このTBSの交代劇はその象徴といえるだろう。
地上波テレビ局で、いまだに写植の書体を堂々と使用しているのは
NHK、TBS、IBC岩手放送くらいしかない…。
IBCは報道番組で写植テロップを現在も使用しているが、
TBS以上に「見るに耐えない」汚い表示しかできない。
今後IBCでもスタートするハイビジョンの生放送にはとても対応できそうにない。
「じゃじゃじゃTV」などでは完全にコンピュータテロップに移行しており、
ハイビジョン移行後、写植の使用はやめるものとみられる。
テレビからも、写真植字は消えていく運命にある…。
* 厳密に言えば写植書体もパソコン対応していると言える状態にあるが
特殊な環境にあり、「写植はパソコンでは『まず』使えない」と言ってさしつかえない。
(追記)TBSは写植テロップを全廃。
IBC岩手放送も7月の完全ハイビジョン化を機に
写植書体の使用を中止した。
NHKも徐々にではあるが写植テロップの使用を減らしてきている。
テレビ局からも見放された写植。どうなる写研。
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