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ウィキペディアは信用たりうる百科事典か

 朝日新聞によると、アメリカの大学で、テストやレポートに「Wikipedia」を引用することを禁止する措置がとられたそうだ。
 きっかけは日本史だった。日本史のゼミにおいて、テストで「島原の乱とイエズス会」について記述した者が多かった。しかし実際には島原の乱とイエズス会の関係性はなく、教授が調べたら、誤記のある「ウィキペディア」の項目にたどりついたという。
 数名の生徒が検索しているうちにウィキペディアの「島原の乱」の項目を探し当て、それを丸暗記してテストに臨んだようだ。

 百科事典で自分で調べたのならまだしも、キーボードをたたくだけの簡単な「もの調べ」。これは自分も同じなので、それを責め立てることはしない。(みなさんもそうでしょう?)

 問題は「ウィキペディアは信用たりうる百科事典か」ということにつきると思う。ウィキペディア創業者は「慈善で人間の知識を集めるものだから…」とするが、その「慈善」が問題で、間違った情報でも皆に教えてやろうと思って項目を更新した時点でそれでも「慈善」である。ニセ札と知らずに、募金箱にニセ札を入れるようなものだ。

 知識や見識の浅はかなものでもウィキペディアは更新できる。明らかな誹謗中傷のたぐいもまれではあるが存在する。日本語版では、低年齢者や日本語をききかじったような外国人が書いたと思われる、言葉の間違いなどの稚拙な表現も散見される。子供銀行券や外国のコインが募金箱に入れられているのだ。

 たちの悪いのは「トリビア」のたぐいで、大勢の人間には必要のない情報が大量に追加されていたりする。たとえばテレビ番組の項目では「ネット局」に関する記述がされている場合があるが、それらが百科事典にほんとうに必要な情報かといえばそうでもない。個人的には嫌いじゃないが、ほとんどの人には必要じゃない情報だろう。

 「1991年から日本テレビ系(テレビ朝日系とのクロスネットである(当時)青森放送、フジテレビ系・テレビ朝日系とのクロスネットであるテレビ宮崎(現在も)をのぞく)で放送している」なんてくどくどしく書かれていると見ている方はイラッとする。テレビ系列マニアならそれくらい書かなくても知ってるだろうし、普通の人には青森放送やテレビ宮崎はどうでもいい情報であろう。ここまでくると、書いた人間の自己満足にしか思えない。

 誤記や無駄な情報にあふれ、結局もの調べしようとしたら「サーバーがメンテナンス中です。ウィキペディア財団に募金を」なんて表示されることがままある。「悪貨は良貨を駆逐する」。ウィキペディアの膨張は必ずしもプラス方向には動いていない。

 誰かに教えてあげたいから書き込む。知識をひけらかしたいから書き込む。自分のホームページやブログじゃダメなのだ。皆の目に触れるウィキペディアだから書き込むのだ。誰でも書き込める百科事典としてはウィキペディアは独占状態だから、「プチ博士」が集まる。問題はそのプチ博士が必ずしも皆の役に立つ存在ではない、ということだ。

 ウィキペディアをスピンアウトした人が、学識経験者に記述を校正してもらう新たな百科事典を模索するなど、動きはある。しかしこれでは、いままでの百科事典と同じで、一握りの人間による恣意的な内容になる可能性は否定できない。

 地球市民の知を集めた理想の百科事典か、なんでも載ってるが信用できない百科事典か…

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