円楽の引退表明
落語界の重鎮、三遊亭円楽(圓楽)が引退表明。
国立演芸場での高座前に「出来が悪かったら引退かな」と話していたが、終了したあとの記者会見で、ゆっくりと「だめですね…」「また、恥をかきたくない」「引退する日ですかね…」と語った。
「芝浜」を演じた円楽。30分で終わる噺が40分以上かかったという。「小さな声で話したいところで大きい声が出てしまう」と、細部にこだわる円楽は会見で「恥」という言葉まで出して、無念さをあらわにする。
記者会見での話し方も、言葉が出てこないのか、間の多い話し方。「星の王子さま」円楽からはほど遠い、老いた落語家の姿だった。
仕事のオファーは来ているが、一門会での座談などには意欲をみせるものの、本格的な落語の披露については断る意向とのことである。
印象的なのは、盟友・桂歌丸と、横浜にぎわい座館長・玉置宏の談話である。「何を言っているんだ。完璧主義も結構だが、次によくなればいいじゃないか」と怒り励ます歌丸に対し、「円楽さんらしい、いい決断だ。本格的な落語でなくても高座には上がってほしい」と温かい声を送る玉置。横浜の二人、正反対の反応である。
同業の歌丸が見せる同情の念と、落語ファンの鑑、玉置のねぎらいの声。「枯れた味の落語」か、「完璧な円楽落語」か。どっちを取るかは、円楽が決めること。円楽の生の落語を聞きたいファンも多いだろうから、復帰しても玉置は怒ったりしないだろう。
高座中絶句してそのまま引退した落語家もいれば、二の句が継げないのを笑いにつなげる落語家もいる。繰り返すが、今後の三遊亭円楽を決めるのは歌丸でも玉置でもなく、円楽自身である。引退する円楽も、復帰する円楽も、円楽だ。それでいいじゃないか。
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