シティ青山の「敗北」
盛岡市月が丘の大型スーパー(GMS)「シティ青山」が、
来年1月をもって直営スーパー部門から撤退することを発表した。
従業員は全員が解雇されるという。
20年以上前に、岩手県交通グループのシティ商事が
新興住宅地の青山地区にダイエーを誘致しオープン。
90年代にはスポーツクラブを導入するなど大規模増床したが、
数年前からはイオン盛岡に代表される大型店舗や、
青山地区に続々進出したスーパー同士の抗争に巻き込まれた。
そしてダイエーが(仙台店を除き)東北からの撤退を決め、今年3月退店。
シティ商事自らスーパー運営を手がけることとなった。
撤退直前にはダイエーとは店名と商品仕入れだけの関係になっていたため、
シティ側は「以前から自社仕入れ比率を上げていたから大丈夫」と自信満々だったが、
内情は厳しかったようだ。
確かに、ダイエーが抜けた後の直営部分はいかにもぱっとしない感じで、
新たに導入したフランチャイズも、さほどの集客力はなかったようだ。
近くを見れば、ジョイス、ユニバース、マルカン、マイヤ、生協などがひしめく激戦区。
そしてイオンの開店。GMSとして真っ向勝負するにはガタイが違いすぎた。
ダイエーの退店で「勝負あった」。
スーパー「シティ青山」は、10ヶ月という短い命を終えることとなるが、
店自体は閉店せず、テナント部分は運営を続ける。
シティ商事はビル貸し(ほかに県交通の不動産資産管理も手がけている)に専念するといい、
現在はスーパー事業の譲渡先を探しているそうだが、
市内きってのスーパー激戦区。難航しているという。
このままでは、スーパー部分が真っ暗のまま、
テナントだけが営業するという「みっともない」事態になる。
そうなれば、今度はシティ青山全ての閉鎖、ということも十分ありうる。
これも時代の流れさケセラセラ、と看過はしたくないが…。
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