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とん平のヘイ・ユウブルース

衝撃だ。これは、衝撃だ。

一時、大槻ケンヂがラジオで流し、近年CDも発売されていた知る人ぞ知る曲が、
iTunes Storeで150円でダウンロードできる。

いまやドラマのバイプレーヤーとしておなじみの「左とん平」が
哀感たっぷりに歌い尽くす「日本人の悲哀」。
1973年の作品だが、21世紀だからこそ聴いて欲しい。

ブラスとドラム、ストリングスが奏でる前奏。
とん平が叫ぶ。「ヘイユウ、ヘイユウワッチュアネイム」。
哀しみをたたえてひたすら叫ぶと思いきや、
いきなり諭すような口調で「諸行無常の鐘の声」…平家物語の一節。
「おふくろのオッパイの味覚えてんのか」。とん平は問い続ける。
バックではストリングスがむせび泣くように同じ旋律を奏で続ける。

そしてとん平は言う。「人生はすりこぎだよベイビー」。
味噌を擦っているうちに、すり減っていくんだ、すりこぎは。
くたびれてひとりぼっちのすりこぎに、俺をしちまった奴は誰なんだ。
ヘイユウ、ヘイユウ、ワッチュアネイム。

テナーサックスが涙を流す。トロンボーンが慟哭する。
エレキギターが同情する。

とん平は声を枯らしてなおも叫ぶ。
すりこぎは働けば働くほどすり減るんだよ!
すりこぎの俺をすり減らしている奴がいるんだ!
そいつはお前だ! 名前を名乗れ!
お前もいつかはすりこぎになるんだ! 俺はイヤだ!

…コミックソング扱いだったはずだ。
ところがどうだ。こんなに哀しいじゃないか。

とん平の叫びは社会への叫びなのだ。
すり鉢で味噌をあたって減っていくすりこぎのように、
俺は悩んで苦しんで悶えて打ちひしがれて、生きている。
世間という名のすり鉢に身を削られて…

哀しい歌だ。切ない歌だ。しかし力強い。
見えない敵に完膚無きまで叩きのめされる日本人を、
左とん平は見事に代弁しきっている。

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