地下鉄に乗って
現在公開中の映画の原作本を文庫で購入。
ひとことでいえばタイムスリップの話である。安っぽいタイムワープの描写はなく、地下鉄に乗った後、階段を上がると外の世界は…というもの。あっけなく数十年の時がさかのぼる。
主人公は大企業社長の家庭を飛び出した男。地下鉄ストア(現存!)の一角にある会社に勤め、日々地下鉄で営業をしている。同僚で愛人の女性がいるが、彼女もまたタイムトリップし、そして男は彼女と共に、死んだ兄と、父の人生の軌跡を見せつけられることになる。
テーマはやや重いが、過去と現在を行ったり来たりする場面転換でサクサクと読める。先の展開がやや読めるが、結末は意外だ。
巻末の解説には「さわやかで希望が持てるラスト」みたいなことが書かれていたが、個人的にはなんかドンヨリしてしまった。影も形もなくなるなんて可哀相だな、と(ネタバレなので詳しく書かないが)。
映画はまだ見ていないが、本を読み終えればやっぱり見たくなる。ただ、映画が先では本を読むのは面倒だろうなぁ。
以下は余談。原作の浅田次郎は盛岡出身の新撰組隊員を主人公にした時代小説「壬生義士伝」を書き、テレ東によってドラマと映画にもなった。
「地下鉄に乗って」映画公開日にも、都内で行われた出演者総出の舞台あいさつを蹴って?盛岡市内で新刊記念サイン会を行い、翌日も盛岡市内で講演を行ったそうだ。さらに年末の「盛岡文士劇」にも出演が決定しているという。
盛岡には地下鉄なんかないが、原作者とは接点があるまちなのである。
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