マンドク屋
昨年、東京出張のついでに、ある舞台を見に、演劇のまち・下北沢へ行った。
お芝居を見た帰り、下北沢駅の真ん前でヒゲ面の男が叫んでいた。
マンガの単行本を手に、若者に向かって叫んでいた。
どうも朗読しているようなのだが、それが尋常じゃない。
ほんとうに登場人物になりきっている。
ウーン、さすがTOKYOだ、と感心しつつ
京王井の頭線でその日のお宿へ向かったのだった。
盛岡に帰ってから、そのヒゲ面男がよくテレビに出ている。
名前は「東方力丸」と言うそうだ。
マンガを朗読する「マンドク屋」を自称する。
分かったことは、やはりマンガの朗読をなりわいとしていること、
鹿児島から上京しお芝居の道を目指したがドロップアウトしたということ、
自宅は掃除せず、漫画雑誌の中で暮らしているということ、
道路工事のバイトで食いつないでいるということ。
ヒゲでごまかしてはいるが、とてもナイーブそうな若者。
そんなキャラの立ちまくった力丸をテレビがほっとくはずもない。
インターネットでも彼に注目している人や企業がじわりじわりと増えているようだ。
もしかしたら「シモキタで叫ぶ男」、大化けするかもしれない。
現在も、下北沢でマンガ片手に叫んでいるのだろう。
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