ドンキホーテ、絶叫マシン設置断念
ディスカウント店のドンキホーテが8億円をかけて六本木店屋上に設置し、稼働させる予定だった絶叫マシン「ハーフパイプ」を撤去する方針を固めた。
大阪ではすでに道頓堀店で観覧車を設置しており、このマシンはそれに続く店舗併設娯楽施設の決定版となるはずだった。
しかしその設置は、テレビでセンセーショナルに取り上げられ、騒音や振動を懸念する近隣住民の不満の声は増幅するばかり。結局溝が埋められず、今回の決定に至ったようである。
ドンキの六本木店には一度行ったことがある。しかも夜10時頃。歓楽街の代名詞・六本木であるが、居並ぶ黒人男性の間を通り抜けるときはマジで怖かった(しかも何かを手渡していたのが見えた)。お買い物自体はふつうに楽しめたけれど。
そんな環境にある六本木店の屋上から轟音と絶叫が聞こえてくるとしたら…案外楽しいかもしれないが、六本木のいかがわしさはますます増幅するであろう。
ドンキの稲村取締役のコメントがふるっている。「見当違いの反対運動に屈するものではない」としつつ、「何の根拠もない感情論だ」と無念さと被害者意識を隠さない。
しかし設置する前からこうなることは予測できたはず。それなのに、なぜ?と思わされる。
ドンキホーテといえばこれまでも24時間営業で住民トラブルを起こしたり、放火されて店舗が全焼したり、記者会見に社員(=稲村氏)を潜り込ませるなど、マイナスとなる案件を引き起こし(引き起こされ)てはそれを乗り越えてきた。
一方、深夜の薬品販売では役人と戦う姿を見せたし、芸能人などにファンも多い。客を喜ばせることを心がける販売手法は一定の支持を得ており、他の追随を許さない。ドンキは常にイメージの低下と安定の間をたゆたう「猛者集団」といえる。
しかし、ドンキは企業イメージというものを本当に理解しているのだろうか。今回の案件は、稲村氏のコメント含め、ほんとうに理解に苦しむ。
以前も紹介した、テレビで取り上げられた30代の幹部社員。タメ口、恫喝、上司(=これも稲村氏)へのおべんちゃら…態度の悪い「野心家」にしか見えなかったが、こういう人間がアタマを務める組織なら、こんなおつむの足りない行動もコメントも、なんとなく理解が出来る。
それでもドンキに集う客足は、変わることはないだろう。自分もまた東京に行くことがあれば、やっぱりドンキに寄ってしまうだろうし。
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コメント
ドンキがふつうの企業に生まれ変わる転機になるかもしれません。
ただ、あのおもしろさがなくなるとすると、ちょっとつまらない気もしますね。
いかがわしい楽しさといいますか。それを生んでいるのは、会社自体がいかがわしいからなのかも??
投稿: たかはし | 2005.12.11 11:12
郊外のアミューズメントパークなど少なかった
昭和40年代に子供時代をすごした自分からすると、
当時街中のデパートの屋上にあった遊園施設を思い出します。
回転コーヒーカップやせいぜいミニ電車くらいでしたが。
ただあの絶叫マシンはやはり引きますね。
ちょっと度を越している気がするんですが・・・その
度を越すことが今までのドンキの躍進を生んだ
原動力なんでしょうけど。
でもなんかこの騒ぎがドンキの一つの流れが変わる分岐点に
なりそうな気がしますよ。
将来「あの時からだよな~」となるような。
投稿: 傷だらけの天使 | 2005.12.10 11:54